出典:第一種衛生管理者2023年(令和5年度)10月公表問題|関係法令(有害業務に係るもの以外のもの)第22問
問題
衛生委員会に関する次の記述のうち、法令上、誤っているものはどれか。
(1) 衛生委員会の議長を除く委員の半数については、事業場に労働者の過半数で組織する労働組合がないときは、労働者の過半数を代表する者の推薦に基づき指名しなければならない。
(2) 衛生委員会の議長は、原則として、総括安全衛生管理者又は総括安全衛生管理者以外の者で事業場においてその事業の実施を統括管理するもの若しくはこれに準ずる者のうちから事業者が指名した委員がなるものとする。
(3) 事業場に専属ではないが、衛生管理者として選任している労働衛生コンサルタントを、衛生委員会の委員として指名することができる。
(4) 作業環境測定を外部の作業環境測定機関に委託して実施している場合、当該作業環境測定を実施している作業環境測定士を、衛生委員会の委員として指名することができる。
(5) 衛生委員会の付議事項には、長時間にわたる労働による労働者の健康障害の防止を図るための対策の樹立に関することが含まれる。
第1種衛生管理者|衛生委員会の構成・委員選任・付議事項の基準を解説
衛生委員会は、事業場の労働衛生に関する重要事項を調査審議するための組織です。答えは(4)です。衛生委員会の委員として指名できる者には、衛生管理者、産業医、労働衛生に関し経験を有する労働者などが含まれますが、外部委託先の作業環境測定士は、法令上当然に委員として指名できる者には含まれません。衛生委員会では、労働者側の意見を反映させるため、議長以外の委員の半数について推薦に基づく指名が必要であり、長時間労働による健康障害防止対策も付議事項に含まれます。
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(1) 衛生委員会の議長を除く委員の半数については、事業場に労働者の過半数で組織する労働組合がないときは、労働者の過半数を代表する者の推薦に基づき指名しなければならない。
適切です。衛生委員会は、事業者側だけで運営する組織ではなく、労働者の意見を衛生管理に反映させるための委員会です。そのため、議長を除く委員の半数については、労働者側の推薦に基づいて指名する必要があります。事業場に労働者の過半数で組織する労働組合がある場合はその労働組合の推薦に基づき、過半数労働組合がない場合は労働者の過半数を代表する者の推薦に基づいて指名します。ここでは「議長を除く委員の半数」という点が重要です。
(2) 衛生委員会の議長は、原則として、総括安全衛生管理者又は総括安全衛生管理者以外の者で事業場においてその事業の実施を統括管理するもの若しくはこれに準ずる者のうちから事業者が指名した委員がなるものとする。
適切です。衛生委員会の議長は、事業場の衛生管理に関する事項を実効的に進める立場の者が務めることになっています。具体的には、総括安全衛生管理者、または総括安全衛生管理者以外でその事業場の事業の実施を統括管理する者、もしくはこれに準ずる者のうちから、事業者が指名した委員が議長となります。単に衛生に詳しい人が議長になるのではなく、事業場全体を管理できる立場の者が中心になる点を押さえてください。
(3) 事業場に専属ではないが、衛生管理者として選任している労働衛生コンサルタントを、衛生委員会の委員として指名することができる。
適切です。衛生委員会の委員には、衛生管理者のうちから事業者が指名した者が含まれます。労働衛生コンサルタントであって、法令上認められる形で衛生管理者として選任されている場合には、衛生管理者として衛生委員会の委員に指名することができます。ここでは「専属ではない」という言葉に迷いやすいですが、ポイントは衛生管理者として選任されているかどうかです。衛生管理者として選任されていれば、衛生委員会の委員になり得ます。
(4) 作業環境測定を外部の作業環境測定機関に委託して実施している場合、当該作業環境測定を実施している作業環境測定士を、衛生委員会の委員として指名することができる。
不適切です。衛生委員会の委員として法令上定められているのは、総括安全衛生管理者等、衛生管理者、産業医、労働衛生に関し経験を有する労働者などです。作業環境測定士は、作業環境測定の専門家ではありますが、外部の作業環境測定機関に所属して測定を実施しているだけでは、衛生委員会の委員として当然に指名できる者には該当しません。作業環境測定の結果を衛生委員会で審議することはありますが、測定を行った外部の作業環境測定士を委員にできる、という意味ではありません。専門家であることと、法令上の委員になれることは分けて判断する必要があります。
(5) 衛生委員会の付議事項には、長時間にわたる労働による労働者の健康障害の防止を図るための対策の樹立に関することが含まれる。
適切です。衛生委員会では、労働者の健康障害を防止するための基本的な対策を調査審議します。その中には、長時間労働による健康障害の防止を図るための対策の樹立も含まれます。長時間労働は、脳血管疾患、心臓疾患、メンタルヘルス不調などにつながる重要な労働衛生上のリスクです。そのため、単なる労務管理上の問題ではなく、衛生委員会で扱うべき健康管理上の重要事項として位置付けられています。
この問題で覚えるポイント
衛生委員会は、常時50人以上の労働者を使用する一定の事業場で設置が必要となる委員会で、労働者の健康障害防止や健康保持増進に関する事項を調査審議します。委員の構成では、議長を除く委員の半数について、過半数労働組合または労働者の過半数代表者の推薦に基づく指名が必要です。議長は、総括安全衛生管理者または事業の実施を統括管理する者などから事業者が指名した委員が務めます。委員には、衛生管理者、産業医、労働衛生に関し経験を有する労働者などが含まれます。作業環境測定士は専門家ですが、外部委託先の測定士であることだけを理由に衛生委員会の委員として指名できるわけではありません。衛生委員会の付議事項には、健康障害防止対策、健康保持増進対策、労働災害の原因調査と再発防止対策、長時間労働による健康障害防止対策などが含まれます。
ひっかけポイント
この問題では、「専門家だから委員にできるはず」と考えてしまう点が大きな落とし穴です。作業環境測定士は作業環境測定の専門資格者であり、測定結果は衛生委員会で重要な資料になります。しかし、外部機関の作業環境測定士が測定を担当していることと、衛生委員会の法定委員として指名できることは別問題です。また、衛生管理者として選任されている労働衛生コンサルタントと、外部委託先の作業環境測定士を混同しやすい点にも注意が必要です。衛生委員会の構成では、「誰が専門知識を持っているか」ではなく、「法令上、委員として予定されている立場か」を基準に判断すると正誤を見抜きやすくなります。
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