出典:第一種衛生管理者2024年(令和6年度)10月公表問題|関係法令(有害業務に係るもの)第4問
問題
厚生労働大臣が定める規格を具備しなければ、譲渡し、貸与し、又は設置してはならない機械等に該当しないものは、次のうちどれか。
(1) 放射線測定器
(2) 潜水器
(3) アンモニア用防毒マスク
(4) ろ過材及び面体を有する防じんマスク
(5) 排気量40cm3以上の内燃機関を内蔵するチェーンソー
第1種衛生管理者|労働安全衛生法の機械等規格と譲渡・設置基準を解説
労働安全衛生法では、労働災害を防止するため、一定の機械等について厚生労働大臣が定める規格を具備していなければ、譲渡、貸与、設置をしてはならないと定めています。答えは(1)です。潜水器、防毒マスク、防じんマスク、排気量40cm3以上の内燃機関を内蔵するチェーンソーは、この規格を具備すべき機械等に該当します。放射線測定器は、放射線管理に重要な機器ではありますが、この設問で問われている「厚生労働大臣が定める規格を具備しなければ譲渡等をしてはならない機械等」には該当しません。
(1) 放射線測定器
適切です。放射線測定器は、放射線業務において線量や汚染の状況を確認するために重要な機器です。しかし、労働安全衛生法上の「厚生労働大臣が定める規格を具備しなければ、譲渡し、貸与し、又は設置してはならない機械等」として、この設問の選択肢群の中で該当しないものです。放射線という言葉から有害業務との関連を強く感じますが、ここで問われているのは有害性の有無ではなく、規格具備が譲渡等の条件となる機械等に含まれるかどうかです。
(2) 潜水器
不適切です。潜水器は、潜水作業において作業者の呼吸を確保するための重要な機械等です。潜水作業では、水圧、給気不良、減圧症、溺水などの重大な危険があるため、使用する機器の安全性が非常に重要になります。そのため、潜水器は、厚生労働大臣が定める規格を具備しなければ譲渡し、貸与し、又は設置してはならない機械等に該当します。本問は「該当しないもの」を選ぶ問題なので、潜水器は正答ではありません。
(3) アンモニア用防毒マスク
不適切です。防毒マスクは、有害ガスや蒸気を吸入することを防ぐために使用する保護具です。アンモニアは刺激性が強く、吸入すると目や呼吸器に障害を起こすおそれがあります。防毒マスクは、吸収缶や面体などが適切な性能を備えていなければ、労働者を十分に保護できません。そのため、アンモニア用防毒マスクは、厚生労働大臣が定める規格を具備しなければ譲渡し、貸与し、又は設置してはならない機械等に該当します。
(4) ろ過材及び面体を有する防じんマスク
不適切です。防じんマスクは、粉じんを吸入することを防ぐための呼吸用保護具です。ろ過材で粉じんを捕集し、面体によって顔面との密着性を確保することで、粉じんの吸入を防ぎます。ろ過性能や密着性が不十分であれば、じん肺やその他の健康障害を防ぐことができません。そのため、ろ過材及び面体を有する防じんマスクは、厚生労働大臣が定める規格を具備しなければ譲渡し、貸与し、又は設置してはならない機械等に該当します。
(5) 排気量40cm3以上の内燃機関を内蔵するチェーンソー
不適切です。排気量40cm3以上の内燃機関を内蔵するチェーンソーは、振動、騒音、切創、反発による事故などの危険を伴う機械です。特に内燃機関を内蔵する一定規模以上のチェーンソーについては、安全性を確保するため、厚生労働大臣が定める規格を具備することが求められます。そのため、排気量40cm3以上の内燃機関を内蔵するチェーンソーは、規格を具備しなければ譲渡し、貸与し、又は設置してはならない機械等に該当します。本問では「40cm3以上」という数値条件も重要です。
この問題で覚えるポイント
労働安全衛生法では、一定の機械等について、厚生労働大臣が定める規格を具備しなければ、譲渡、貸与、設置をしてはならないとされています。第一種衛生管理者試験では、呼吸用保護具や潜水器、チェーンソーなどが対象として問われやすいです。防毒マスクは有害ガスや蒸気を吸入しないための保護具であり、アンモニア用防毒マスクのように対象ガスに応じた性能が必要です。防じんマスクは粉じんを吸入しないための保護具で、ろ過材と面体を有するものが規格対象になります。潜水器は潜水作業で生命維持に直結する機器であり、規格具備が必要です。排気量40cm3以上の内燃機関を内蔵するチェーンソーも対象であり、数値条件を含めて覚える必要があります。放射線測定器は放射線管理に重要な機器ですが、この規格具備を要する機械等としては扱われない点を区別します。
ひっかけポイント
この問題では、「有害業務に関係しそうな機器」と「厚生労働大臣が定める規格を具備しなければ譲渡等できない機械等」を混同させる狙いがあります。放射線測定器は、放射線という言葉から労働衛生上とても重要に見えるため、規格対象に含まれそうだと判断しやすいです。しかし、設問で問われているのは重要性ではなく、労働安全衛生法上の規格具備対象かどうかです。また、防毒マスク、防じんマスク、潜水器、チェーンソーはいずれも労働者の生命や健康に直結する保護具・機械であり、規格を満たさないものが流通すると重大な災害につながるため対象になります。法令問題では、「危険そう」「重要そう」という印象ではなく、対象として列挙されているものを正確に覚えることが必要です。特にチェーンソーは「排気量40cm3以上」という数値条件が付くため、単にチェーンソー全般と覚えず、条件付きで押さえると誤答を防ぎやすくなります。
