【第一種衛生管理者過去問】2025年10月公表問題|問35|腎臓の働きと尿生成の仕組み・原尿と再吸収の基礎|労働生理を解説

出典:第一種衛生管理者2025年(令和7年度)10月公表問題|労働生理第35問

問題

腎臓又は尿に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

(1) 血中の蛋(たん)白質は、糸球体からボウマン嚢(のう)に濾(こ)し出される。

(2) 血中の老廃物は、尿細管からボウマン嚢に濾し出される。

(3) 原尿中に濾し出された水分の大部分は、そのまま尿として排出される。

(4) 尿は淡黄色の液体で、固有の臭気を有し、通常、弱アルカリ性である。

(5) 原尿中に濾し出された電解質の多くは、尿細管から血中に再吸収される。

第1種衛生管理者|腎臓の働きと尿生成の仕組み・原尿と再吸収の基礎を解説

腎臓では、血液が糸球体で濾過されて原尿がつくられ、その後、尿細管で必要な水分や電解質などが血液中に再吸収されます。答えは(5)です。原尿中に濾し出された電解質の多くは、体に必要な成分であるため、尿細管から血中に再吸収されます。腎臓の問題では、「どこで濾過されるのか」「何が再吸収されるのか」「尿の性状はどうか」を整理しておくことが大切です。

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(1) 血中の蛋(たん)白質は、糸球体からボウマン嚢(のう)に濾(こ)し出される。

不適切です。糸球体では、血液中の水分、電解質、ブドウ糖、尿素などの小さな成分がボウマン嚢に濾し出されて原尿になります。しかし、蛋白質は分子が大きいため、通常は糸球体で濾過されません。健康な状態では、血中の蛋白質は血液中にとどまります。尿中に蛋白質が多く出る場合は、腎臓の濾過機能に異常がある可能性を示す所見になります。

(2) 血中の老廃物は、尿細管からボウマン嚢に濾し出される。

不適切です。血中の老廃物は、まず腎小体の糸球体からボウマン嚢へ濾し出され、原尿に含まれます。尿細管は、ボウマン嚢でつくられた原尿が流れていく管であり、そこで水分や電解質などの再吸収、不要物の分泌などが行われます。つまり、濾過の主な場所は尿細管ではなく糸球体です。「糸球体からボウマン嚢へ濾過される」という流れを押さえておくと判断しやすくなります。

(3) 原尿中に濾し出された水分の大部分は、そのまま尿として排出される。

不適切です。原尿として濾し出された水分の大部分は、そのまま尿として排出されるのではなく、尿細管で血液中に再吸収されます。もし原尿中の水分が大部分そのまま排出されれば、体内の水分が急速に失われてしまいます。実際には、腎臓は体に必要な水分を再吸収し、余分な水分や老廃物を尿として排出することで、体液量や電解質のバランスを調整しています。

(4) 尿は淡黄色の液体で、固有の臭気を有し、通常、弱アルカリ性である。

不適切です。尿は通常、淡黄色の液体で、固有の臭気を有しますが、反応は通常、弱酸性です。食事内容や体の状態によって尿のpHは変化することがありますが、衛生管理者試験で押さえる基本は「尿は通常、弱酸性」です。選択肢では「弱アルカリ性」とされているため誤りです。尿の性状では、色、臭気、反応の組合せが問われやすいです。

(5) 原尿中に濾し出された電解質の多くは、尿細管から血中に再吸収される。

適切です。原尿には、水分のほか、ナトリウム、カリウム、塩化物などの電解質が含まれます。これらの電解質は、神経や筋肉の働き、体液の浸透圧、酸塩基平衡などを保つために重要です。そのため、体に必要な量は尿細管で血中に再吸収されます。腎臓は、不要なものを捨てるだけでなく、必要なものを再利用して体内環境を一定に保つ臓器です。

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この問題で覚えるポイント

腎臓での尿生成は、糸球体での濾過、尿細管での再吸収と分泌、尿としての排出という流れで整理します。糸球体では、血液中の水分、電解質、ブドウ糖、尿素などがボウマン嚢に濾し出され、原尿がつくられます。蛋白質や血球のような大きな成分は、通常は濾過されません。原尿中の水分、ブドウ糖、電解質など体に必要な成分の多くは、尿細管から血中に再吸収されます。最終的に尿として排出されるのは、再吸収されなかった水分や老廃物などです。尿は通常、淡黄色で固有の臭気があり、反応は弱酸性です。腎臓は老廃物の排出だけでなく、水分量、電解質、酸塩基平衡を調整して体内環境を一定に保つ役割をもっています。

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ひっかけポイント

この問題のひっかけは、腎臓の構造名と働きの対応を入れ替えてくる点です。濾過は糸球体からボウマン嚢へ行われ、尿細管では再吸収や分泌が行われます。この流れを曖昧に覚えていると、「尿細管からボウマン嚢に濾し出される」という逆向きの説明に引っかかりやすくなります。また、原尿という言葉から「そのまま尿になる」と考えてしまうのも誤答の原因です。原尿は最終的な尿ではなく、尿細管で水分や必要成分が大きく再吸収される前の液体です。さらに、尿は通常弱酸性である点も、弱アルカリ性と混同しやすいポイントです。腎臓の問題では、「糸球体は濾過」「尿細管は再吸収」「尿は通常弱酸性」とセットで覚えると、同じテーマの問題に対応しやすくなります。

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