【ビル管過去問】令和7年度 問題19|労働安全衛生法を解説

出典:建築物衛生管理技術者試験令和7年度(2025年)|建築物衛生行政概論第19問

問題

労働安全衛生法に規定されている次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。

(1) 厚牛労働大臣は、労働災害防止計画を策定しなければならない。

(2) 事業者は、有害な業務を行う屋内作業場で、必要な作業環境測定を行い、及びその結果を記録しておかなければならない。

(3) 事業者は、規模に応じて事業場ごとに衛生委員会を設けなければならない。

(4) 事業者は、事業場の規模に応じて労働者の健康診断を行ったときは、その結果を保健所長に提出しなければならない。

(5) 安全委員会の構成委員には、当該事業場の労働者で安全に関し経験を有する者のうちから、事業者が指名した者が含まれなければならない。

ビル管過去問|労働安全衛生法を解説

この問題は、労働安全衛生法における労働災害防止計画、作業環境測定、衛生委員会、健康診断結果の報告、安全委員会の構成について問う問題です。正しい選択肢は(4)です。労働者の健康診断結果について、事業者が提出する相手は保健所長ではなく、原則として所轄労働基準監督署長です。労働安全衛生法は、労働者の安全と健康を守るための法律であり、保健所ではなく労働基準監督署が関係する場面が多い点を押さえることが重要です。

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(1) 厚牛労働大臣は、労働災害防止計画を策定しなければならない。

適切です。労働災害防止計画は、労働災害の防止を総合的かつ計画的に進めるために策定される計画です。表記上は「厚牛労働大臣」となっていますが、内容としては厚生労働大臣が労働災害防止計画を策定するという趣旨です。労働安全衛生法では、国が労働災害を減らすための基本的な方針を示し、事業者や関係者がそれに沿って安全衛生活動を進める仕組みになっています。

(2) 事業者は、有害な業務を行う屋内作業場で、必要な作業環境測定を行い、及びその結果を記録しておかなければならない。

適切です。作業環境測定は、有害物質や粉じん、騒音などが発生する作業場で、労働者の健康障害を防ぐために行われます。たとえば、有機溶剤や特定化学物質を扱う屋内作業場では、空気中の有害物質の濃度などを測定し、その結果を記録して管理する必要があります。測定は単に行えばよいのではなく、結果を保存し、必要に応じて作業環境の改善につなげることが重要です。

(3) 事業者は、規模に応じて事業場ごとに衛生委員会を設けなければならない。

適切です。衛生委員会は、労働者の健康障害の防止や健康の保持増進について調査審議するための組織です。一定規模以上の事業場では、事業場ごとに衛生委員会を設置しなければなりません。ここで大切なのは、会社全体で一つ設ければよいのではなく、原則として事業場ごとに設けるという点です。労働安全衛生法では、実際に働く場所ごとの状況に応じた安全衛生管理が求められます。

(4) 事業者は、事業場の規模に応じて労働者の健康診断を行ったときは、その結果を保健所長に提出しなければならない。

不適切です。健康診断の結果について、一定の場合に事業者が報告する相手は保健所長ではなく、所轄労働基準監督署長です。労働安全衛生法は、労働者の安全と健康を守るための法律であり、行政上の監督は主に労働基準監督署が担います。保健所は地域保健や公衆衛生に関わる機関であり、労働安全衛生法上の健康診断結果の提出先として覚えるのは誤りです。この問題では、「健康診断」という言葉から保健所を連想させる点がひっかけになっています。

(5) 安全委員会の構成委員には、当該事業場の労働者で安全に関し経験を有する者のうちから、事業者が指名した者が含まれなければならない。

適切です。安全委員会は、労働災害を防止するために、安全に関する重要事項を調査審議する組織です。その構成員には、安全管理者や労働者のうち安全に関し経験を有する者などが含まれます。現場の実情を踏まえた安全対策を行うためには、実際にその事業場で働き、安全に関する経験を持つ労働者の視点が必要です。そのため、事業者が指名した者を委員に含める仕組みになっています。

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この問題で覚えるポイント

労働安全衛生法は、労働者の安全と健康を確保し、快適な職場環境の形成を促進するための法律です。試験では、労働災害防止計画、作業環境測定、安全委員会、衛生委員会、健康診断の報告先がよく問われます。労働災害防止計画は厚生労働大臣が策定します。作業環境測定は、有害な業務を行う屋内作業場などで事業者が実施し、その結果を記録しておく必要があります。安全委員会は安全に関する事項、衛生委員会は健康障害の防止や健康保持に関する事項を扱います。安全と衛生は似ていますが、安全は事故や災害の防止、衛生は健康障害や作業環境の管理に重点があると整理すると理解しやすいです。健康診断結果の報告先は保健所長ではなく、所轄労働基準監督署長です。労働安全衛生法の行政機関としては、保健所よりも労働基準監督署を意識して覚えることが正誤判断に直結します。

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ひっかけポイント

この問題の大きなひっかけは、「健康診断」という言葉から保健所を連想させる点です。日常感覚では、健康や衛生と聞くと保健所を思い浮かべやすいですが、労働安全衛生法は職場における労働者の安全と健康を扱う法律であるため、関係する行政機関は労働基準監督署です。また、安全委員会と衛生委員会の違いも混同しやすいところです。安全委員会は労働災害や事故防止に関する組織であり、衛生委員会は健康障害の防止や健康保持に関する組織です。文章の一部が正しくても、提出先や行政機関が入れ替えられていると不適切になります。このように、法律系の問題では「誰が」「どこへ」「何をするのか」を分けて確認することが重要です。

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