【ビル管過去問】令和3年度 問題148|弾性床材の特徴と維持管理|塩ビ床材・ゴム床材・黒ずみ対策を解説

出典:建築物衛生管理技術者試験令和3年度(2021年)|清掃第148問

問題

弾性床材の特徴と維持管理に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。

(1) 床維持剤の黒ずみが生じてきたら、床維持剤の剥離作業をし、再塗布する。

(2) 塩化ビニルシートは、床維持剤の密着性に優れる。

(3) 日常清掃では、ダストモップを用いて、土砂やほこりを除去する。

(4) 塩化ビニルタイルは、可塑剤を含む。

(5) ゴム系床材は、剥離剤によって変色やひび割れ等を生じることがある。

ビル管過去問|弾性床材の特徴と維持管理を解説

この問題は、弾性床材の材質ごとの性質と、それに応じた適切な維持管理方法を理解しているかを問う問題です。ポイントは、塩化ビニル系床材とゴム系床材の違い、床維持剤との相性、そして日常清掃と剥離作業の基本を正確に押さえることです。正しい知識としては、黒ずみが進んだ床維持剤は剥離して再塗布すること、日常清掃ではダストモップで土砂やほこりを除去すること、塩化ビニルタイルには可塑剤を含むものがあること、ゴム系床材は剥離剤の影響を受けやすいことが挙げられます。一方で、塩化ビニルシートは一般に床維持剤の密着性に優れるとはいえず、この記述が最も不適当です。

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(1) 床維持剤の黒ずみが生じてきたら、床維持剤の剥離作業をし、再塗布する。

適切です。床維持剤の黒ずみは、皮膜の内部や表面に土砂、細かな汚れ、傷が蓄積し、美観が低下した状態です。このような場合、表面を軽く拭くだけでは元の状態に戻りにくいため、古い皮膜をいったん剥離し、その後に新たに床維持剤を塗布する方法が基本となります。特に黒ずみは、単なる汚れではなく、劣化した皮膜そのものに原因があることが多いため、再塗布まで含めた対応が必要です。床面の美観回復と保護性能の再確保という点からも、正しい内容です。

(2) 塩化ビニルシートは、床維持剤の密着性に優れる。

不適切です。塩化ビニルシートは一見すると塩化ビニルタイルと似ていますが、材質や表面状態、含有成分の影響により、床維持剤が必ずしも良好に密着するとは限りません。特にシート材は表面が緻密で、可塑剤の影響を受けることもあり、床維持剤の密着不良や変質が起こることがあります。そのため、塩化ビニルシートだから密着性に優れると一律に考えるのは危険です。材質ごとの特性を踏まえ、適合する床維持剤を選定することが重要です。この記述は、塩化ビニルタイルの印象をそのままシート材にも当てはめてしまっている点が誤りです。

(3) 日常清掃では、ダストモップを用いて、土砂やほこりを除去する。

適切です。弾性床材の日常清掃では、床面に付着した土砂やほこりを早い段階で除去することが重要です。これらを放置すると、歩行によって研磨材のように作用し、床材表面や床維持剤の皮膜を傷つけ、早期劣化や黒ずみの原因になります。ダストモップは乾いた細かなごみを効率よく集めることができ、日常清掃に適した用具です。日常的な除じんを丁寧に行うことが、定期清掃の負担軽減や床の長寿命化につながります。

(4) 塩化ビニルタイルは、可塑剤を含む。

適切です。塩化ビニル系床材には、柔軟性や加工性を持たせるために可塑剤が用いられるものがあります。可塑剤は床材の性能に関わる重要な成分ですが、床維持剤との相性や経年変化にも影響を与えることがあります。たとえば、床材中の可塑剤が表面側に移行すると、床維持剤の密着不良やべたつき、変色などの原因になることがあります。そのため、塩化ビニル系床材の維持管理では、見た目だけでなく材質特性まで理解しておくことが大切です。この記述は、塩化ビニルタイルの基本的な性質を示しており適切です。

(5) ゴム系床材は、剥離剤によって変色やひび割れ等を生じることがある。

適切です。ゴム系床材は薬品に対する影響を受けやすく、特に強い剥離剤を使用すると、変色、硬化、ひび割れなどの障害が生じることがあります。これは、ゴム特有の材質がアルカリ性の剥離剤などにより損傷を受けやすいためです。そのため、ゴム系床材では一般的な樹脂床維持剤の管理方法をそのまま適用するのではなく、専用の管理方法や適合する洗剤を選ぶ必要があります。床材ごとの性質を無視して強い剥離作業を行うと、床そのものを傷めるおそれがあるため注意が必要です。

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この問題で覚えるポイント

弾性床材の維持管理では、床材の種類ごとの性質を理解することが最重要です。塩化ビニル系床材は広く使われていますが、タイルとシートでは表面性状や床維持剤との相性が異なるため、同じ感覚で扱わないことが大切です。塩化ビニルタイルには可塑剤を含むものがあり、これが床維持剤の密着や変質に影響することがあります。塩化ビニルシートは一般に床維持剤が密着しにくい場合があり、材質に応じた管理が必要です。 日常清掃では、土砂やほこりをダストモップなどでこまめに除去することが基本です。土砂は床面や皮膜を傷つける大きな原因であり、黒ずみや摩耗を防ぐためにも除じんが重要です。床維持剤の黒ずみが進行した場合は、表面洗浄だけでは改善しにくいため、剥離して再塗布するのが原則です。 また、ゴム系床材は剥離剤や強い洗剤の影響を受けやすく、変色やひび割れを生じることがあります。つまり、床維持剤を使うこと自体だけでなく、剥離剤を使ってよい床材かどうかまで判断できることが試験では問われます。床材の種類、床維持剤との相性、日常清掃と定期清掃の違いをセットで整理して覚えることが重要です。

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ひっかけポイント

この問題のひっかけは、塩化ビニルという共通語が入っていることで、塩化ビニルタイルと塩化ビニルシートを同じ性質だと思い込ませる点にあります。名称が似ているため、どちらも床維持剤の密着性に優れると早合点しやすいのですが、実際には表面状態や可塑剤の影響などにより差があります。試験では、このように同じ系統の材料でも性質が完全には同じでない点を狙ってきます。 また、日常清掃で使う方法と、黒ずみが生じたときの定期清掃の方法を混同させるのも典型的な罠です。普段の除じんと、劣化した床維持剤の剥離再塗布は役割が異なります。さらに、剥離剤は汚れを落とす便利な薬剤という日常感覚から、どの床材にも使えると思い込みやすいですが、ゴム系床材のように薬品の影響を受けやすい材料もあります。このように、似た材料名、似た清掃作業、薬剤の万能感に引っ張られないことが、今後の類題でも正答につながります。

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