【ビル管過去問】令和3年度 問題136|衛生器具の清掃方法|陶器・ステンレス・プラスチック・ほうろう製を解説

出典:建築物衛生管理技術者試験令和3年度(2021年)|清掃第136問

問題

衛生器具等の清掃に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。

(1) 陶器製の衛生器具に湯を使用する場合、熱湯を直接注ぐと割れることがある。

(2) プラスチック製の衛生器具は、水やぬるま湯に浸した柔らかい布を絞って拭く。

(3) ステンレス製の衛生器具に付いた脂汚れは、中性洗剤を付けたスポンジなどで洗い、洗剤分を完全に洗い落とす。

(4) ほうろう鉄器製の衛生器具に付いた水あかや鉄錆等の汚れは、金属タワシでこすりとる。

(5) 洗面所の鏡に付いた水分をそのままにしておくと表面に白い汚れが付きやすいので、乾いた布でこまめに拭き取る。

ビル管過去問|衛生器具の清掃方法|陶器・ステンレス・プラスチック・ほうろう製を解説

この問題は、衛生器具の材質ごとに適した清掃方法を理解しているかを問う問題です。衛生器具の清掃では、汚れの種類だけでなく、器具の材質に応じて使う道具や洗剤を選ぶことが重要です。誤った清掃方法は、汚れを落とすどころか器具表面を傷つけたり、劣化を早めたりする原因になります。正解は(4)で、ほうろう鉄器製の衛生器具に金属タワシを使うのは不適切です。ほうろうは表面がガラス質でできているため、硬い金属でこすると表面が傷つき、そこから腐食や劣化が進みやすくなるためです。ほかの選択肢は、いずれも材質の性質を踏まえた適切な清掃方法です。

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(1) 陶器製の衛生器具に湯を使用する場合、熱湯を直接注ぐと割れることがある。

適切です。陶器製の衛生器具は硬くて耐久性がありますが、急激な温度変化には弱い性質があります。これを熱衝撃といい、冷えた陶器にいきなり熱湯をかけると、表面と内部で膨張の差が生じてひび割れや破損につながることがあります。特に冬場や冷えた環境では温度差が大きくなりやすいため注意が必要です。陶器製器具に湯を使う場合は、ぬるま湯程度から徐々に温度を上げることが基本です。

(2) プラスチック製の衛生器具は、水やぬるま湯に浸した柔らかい布を絞って拭く。

適切です。プラスチック製の衛生器具は軽く扱いやすい一方で、表面に傷がつきやすいという弱点があります。そのため、硬いブラシや研磨材を使うと細かな傷ができ、そこに汚れが入り込みやすくなります。水やぬるま湯に浸した柔らかい布でやさしく拭く方法は、表面を傷めにくく、日常清掃として適した方法です。材質の特性を踏まえた、基本的で安全な清掃方法といえます。

(3) ステンレス製の衛生器具に付いた脂汚れは、中性洗剤を付けたスポンジなどで洗い、洗剤分を完全に洗い落とす。

適切です。ステンレスは耐食性に優れた材料ですが、汚れや洗剤分が表面に残ると、本来の美観を損ねたり、場合によっては腐食のきっかけになることがあります。脂汚れには中性洗剤が適しており、スポンジなど柔らかい清掃用具で洗えば表面を傷つけにくくなります。さらに、洗浄後に洗剤分を十分に洗い落とすことが重要です。洗剤が残るとくもりや変色の原因になることがあるため、すすぎまで含めて適切な清掃です。

(4) ほうろう鉄器製の衛生器具に付いた水あかや鉄錆等の汚れは、金属タワシでこすりとる。

不適切です。ほうろう鉄器は、鉄の表面にガラス質のほうろうを焼き付けた材料です。表面はなめらかで耐水性や耐薬品性がありますが、強い衝撃や摩擦には注意が必要です。金属タワシのような硬い清掃道具でこすると、ほうろう表面に傷がついたり欠けたりして、内部の鉄素地が露出するおそれがあります。そうなると、かえって錆びやすくなり、器具の寿命を縮める原因になります。ほうろう製品の清掃では、柔らかいスポンジや布を用い、必要に応じて適切な洗剤でやさしく汚れを落とすことが基本です。

(5) 洗面所の鏡に付いた水分をそのままにしておくと表面に白い汚れが付きやすいので、乾いた布でこまめに拭き取る。

適切です。鏡に付着した水滴を放置すると、水の中に含まれるカルシウムやマグネシウムなどの成分が乾燥後に白い跡として残ることがあります。これは一般に水あかと呼ばれる汚れで、時間がたつほど落ちにくくなります。日常的に乾いた布で水分を拭き取ることは、こうした白い汚れの付着防止に有効です。鏡の美観を保つうえでも、簡単で効果的な管理方法です。

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この問題で覚えるポイント

衛生器具の清掃では、汚れの性質だけでなく材質ごとの弱点を押さえることが重要です。陶器は硬い反面、急激な温度変化で割れることがあるため、熱湯の直接使用には注意します。プラスチックは傷つきやすいため、柔らかい布やスポンジを用いてやさしく清掃するのが原則です。ステンレスは比較的丈夫ですが、洗剤分や汚れを残すと光沢低下や腐食の原因になりうるため、洗浄後のすすぎが大切です。ほうろう鉄器は金属の上にガラス質を焼き付けた構造であるため、見た目以上に表面損傷に注意が必要です。研磨性の強い器具や金属タワシは避け、傷をつけない清掃を心がけます。鏡は水分を放置すると水あかが残りやすいため、日常的な拭き取りが予防になります。試験では、材質ごとに適した清掃用具、避けるべき方法、劣化や損傷の原因をセットで覚えることが正誤判断に直結します。

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ひっかけポイント

この問題のひっかけは、汚れが強いなら硬い道具でこすればよいという日常感覚を利用している点にあります。たしかに水あかや錆は頑固な汚れに見えますが、試験では汚れの落としやすさよりも、材質を傷めない方法を選べるかが問われます。特にほうろうは見た目が硬く丈夫そうに見えるため、金属タワシでも問題ないと考えてしまいやすいですが、実際には表面がガラス質なので傷に弱いという点が落とし穴です。また、ほかの選択肢はどれも常識的で正しそうに見えるため、消去法で迷いやすい構成になっています。今後も、清掃問題では汚れの種類だけでなく、材質の性質と清掃用具の相性まで意識して判断することが大切です。

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