【ビル管過去問】令和3年度 問題42|空気感染する感染症|麻しん・ペスト・デング熱との違いを解説

出典:建築物衛生管理技術者試験令和3年度(2021年)|建築物の環境衛生第42問

問題

次の感染症のうち、主に空気を介して感染するものはどれか。

(1) デング熱

(2) B型肝炎

(3) ペスト

(4) 日本脳炎

(5) 麻しん

ビル管過去問|空気感染する感染症を解説

この問題は、感染症ごとの主な感染経路を正しく区別できるかを問う問題です。感染症は、空気感染、飛沫感染、接触感染、血液感染、媒介動物による感染などに分けて整理して覚えることが重要です。今回の正しい選択肢は麻しんです。麻しんは空気中に漂う微細な飛沫核を介して感染する代表的な感染症であり、感染力が非常に強いことで知られています。一方、デング熱や日本脳炎は蚊が媒介し、B型肝炎は主に血液や体液を介して感染します。ペストは歴史的に恐ろしい感染症として有名ですが、通常はノミを介した感染が中心であり、ここがひっかけになりやすいポイントです。

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(1) デング熱

不適切です。デング熱は、主に蚊を媒介して感染する感染症です。感染した人の血を吸った蚊が、別の人を刺すことでウイルスをうつします。そのため、空気中を漂う病原体を吸い込むことで感染するわけではありません。名称だけを見て呼吸器感染症のように感じる方もいるかもしれませんが、実際には蚊媒介感染症として整理するのが正確です。ビル管試験では、感染症を原因微生物だけでなく、どの経路で広がるかで整理することが大切です。

(2) B型肝炎

不適切です。B型肝炎は、B型肝炎ウイルスによって起こる感染症で、主に血液や体液を介して感染します。例えば、輸血、注射器の使い回し、性的接触、母子感染などが代表的な感染経路です。したがって、空気を介して人から人へ広がる感染症ではありません。肝炎という名称から感染力の強い病気という印象を受けることがありますが、感染経路は限定されており、空気感染とは明確に区別して覚える必要があります。

(3) ペスト

不適切です。ペストはペスト菌による感染症で、古くから大流行を起こした病気として知られています。主な感染経路は、感染したネズミに寄生するノミを介した感染です。そのため、基本的には空気感染症として整理しません。ただし、肺ペストのように肺に病変を起こした場合には、患者の咳などを通じて飛沫感染することがあります。この一部の性質だけを見て、空気感染と誤って判断しやすいのが注意点です。問題文は「主に」空気を介して感染するものを問うているため、主たる感染経路で判断する必要があります。

(4) 日本脳炎

不適切です。日本脳炎は、日本脳炎ウイルスによって起こる感染症で、主に蚊を媒介して感染します。ヒトからヒトへ空気を通じて感染する病気ではありません。日本脳炎という名称から脳の病気として重い印象がありますが、感染経路の観点ではデング熱と同様に蚊媒介感染症です。試験では、病名の重さや印象ではなく、感染経路を機械的に整理しておくことが得点につながります。

(5) 麻しん

適切です。麻しんは、麻しんウイルスによって起こる感染症で、主に空気感染します。患者の咳やくしゃみにより排出されたウイルスが、ごく小さな飛沫核となって空気中を漂い、それを吸い込むことで感染します。麻しんは感染力が非常に強く、同じ空間にいるだけでも感染するおそれがあるため、空気感染の代表例として重要です。試験対策では、結核、水痘、麻しんを空気感染する代表的な感染症としてまとめて覚えておくと整理しやすいです。

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この問題で覚えるポイント

感染症の問題では、病名そのものよりも感染経路で整理することが重要です。空気感染とは、病原体を含む非常に小さな粒子が空気中を長く漂い、それを吸い込むことで感染するものをいいます。代表例は麻しん、結核、水痘です。飛沫感染は、咳やくしゃみで飛び散った比較的大きな粒子が近距離で相手の粘膜に付着して感染するもので、空気感染とは区別されます。接触感染は、患者や汚染物に触れた手を介して感染するものです。さらに、蚊やノミなどの動物や昆虫が病原体を運ぶものは媒介動物による感染、血液や体液を通じてうつるものは血液・体液感染として整理します。試験では、麻しんは空気感染、デング熱と日本脳炎は蚊媒介、B型肝炎は血液・体液感染、ペストは主としてノミ媒介であることを正確に区別できるようにしておくことが大切です。また、「主に」という表現があるときは、例外的な感染経路ではなく、代表的な感染経路で判断することが重要です。

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ひっかけポイント

この問題のひっかけは、感染症の知名度や怖さに引っぱられて判断してしまう点にあります。特にペストは歴史的に大流行した有名な感染症なので、なんとなく空気で広がる病気のように感じて誤答しやすいです。しかし、試験では印象ではなく主たる感染経路で判断しなければなりません。また、麻しんは子どもの病気という日常的な印象が強く、感染症としての強い空気感染性が見落とされやすいです。さらに、デング熱や日本脳炎のように蚊が媒介する感染症と、B型肝炎のような血液・体液感染症を、呼吸器感染症と混同しないことも大切です。感染症分野では、病原体の種類よりも「何を介してうつるか」で整理する癖をつけると、同じパターンの問題に対応しやすくなります。

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