【ビル管過去問】令和3年度 問題37|電磁波の種類と健康影響|紫外線・赤外線・レーザー・マイクロ波を解説

出典:建築物衛生管理技術者試験令和3年度(2021年)|建築物の環境衛生第37問

問題

電磁波に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。

(1) レーザー光線には可視光のレーザーの他、赤外線や紫外線のレーザーがある。

(2) 溶接作業で発生する電気性眼炎は紫外線による。

(3) 赤外線は白内障の原因となる。

(4) マイクロ波の主な用途の一つとして、家庭用電子レンジがある。

(5) 可視光線の波長は赤外線より長い。

解説

ビル管過去問|電磁波の種類と健康影響を解説

この問題は、電磁波の種類ごとの性質と、人体への代表的な影響を正しく整理できているかを問う問題です。レーザーには可視光だけでなく赤外線や紫外線の領域のものもあり、溶接作業でみられる電気性眼炎は紫外線によって起こります。赤外線は長時間・高強度の曝露で白内障の原因となることがあり、マイクロ波は電子レンジに利用されています。誤っているのは、可視光線の波長が赤外線より長いとする記述です。実際には、波長は紫外線より可視光線、可視光線より赤外線のほうが長くなります。

(1) レーザー光線には可視光のレーザーの他、赤外線や紫外線のレーザーがある。

適切です。レーザーは「可視光だけ」を指すものではなく、発振する波長によって可視光、赤外線、紫外線などさまざまな領域に存在します。したがって、レーザーという言葉だけで可視光線に限定してしまうのは誤りです。試験では、レーザーを「強い光」という印象だけで捉えず、電磁波の一種として波長の違いがあることを押さえておくことが大切です。

(2) 溶接作業で発生する電気性眼炎は紫外線による。

適切です。電気性眼炎は、溶接時などに発生する強い紫外線を眼に受けることで起こる障害です。角膜や結膜に炎症を生じ、強い痛み、異物感、流涙などを伴います。溶接作業では高温やまぶしさの印象が強いため赤外線や可視光線の影響と混同しやすいですが、電気性眼炎の主因は紫外線です。この知識は労働衛生分野でもよく問われます。

(3) 赤外線は白内障の原因となる。

適切です。赤外線は熱作用をもつ電磁波であり、強い曝露を受け続けると眼の水晶体に障害を与え、白内障の原因となることがあります。古くから高温作業に従事する作業者の眼障害との関連でも知られています。紫外線は主に角膜や皮膚への影響が強く、赤外線は熱による深部への影響が問題になるという違いを整理しておくと、電磁波ごとの健康影響を区別しやすくなります。

(4) マイクロ波の主な用途の一つとして、家庭用電子レンジがある。

適切です。マイクロ波は電磁波の一種で、代表的な利用例として家庭用電子レンジがあります。電子レンジでは、マイクロ波によって食品中の水分子を振動させ、熱を発生させて加熱します。したがって、この記述は正しいです。マイクロ波は通信分野などにも利用されますが、試験ではまず電子レンジとの結びつきを思い出せるようにしておくと確実です。

(5) 可視光線の波長は赤外線より長い。

不適切です。これは波長の長短関係が逆です。電磁波の波長は、短いほうからおおむね紫外線、可視光線、赤外線の順に長くなります。つまり、可視光線の波長は赤外線より短いのが正しい知識です。この問題では、電磁波の名称だけを知っているかではなく、波長の並びまで理解しているかが問われています。名称の並びと波長の長短をセットで覚えることが重要です。

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この問題で覚えるポイント

電磁波は波長の違いによって性質や人体影響が異なります。基本の並びは、波長が短い側から紫外線、可視光線、赤外線、マイクロ波の順です。可視光線は赤外線より短く、紫外線より長いという位置関係を確実に覚えることが正誤判断の土台になります。 紫外線は角膜や皮膚への影響が重要で、溶接作業による電気性眼炎の原因として頻出です。赤外線は熱作用が中心で、強い曝露では白内障などの原因となります。マイクロ波は加熱や通信に利用され、代表例として家庭用電子レンジを結びつけて覚えると整理しやすいです。 レーザーは特定の一種類の光ではなく、可視光、赤外線、紫外線などさまざまな波長域に存在します。そのため、「レーザー=可視光」と短絡的に覚えないことが大切です。試験では、電磁波の名称、波長の順序、代表的な健康影響、代表的な用途を対応させて整理しておくと、同テーマの問題に安定して対応できます。

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ひっかけポイント

この問題のひっかけは、電磁波の名前は知っていても、波長の長短関係まで正確に覚えていない受験者を狙っている点にあります。特に赤外線は「赤」の語が入っているため、可視光線の赤色に近いイメージから、可視光線より短いのか長いのかが曖昧になりやすいです。しかし実際には、赤外線は可視光線の外側にあり、波長は可視光線より長くなります。 また、眼障害についても、溶接作業では熱や強い光の印象が先に立つため、赤外線や可視光線が原因だと思い込みやすい罠があります。一方で、電気性眼炎の主因は紫外線です。このように、現場の印象と原因物質が一致しない場合があることを意識しておく必要があります。 さらに、レーザーという言葉に対して「特別な可視光」という先入観を持っていると、赤外線レーザーや紫外線レーザーの記述を誤りだと判断してしまいがちです。試験では、一部の印象的な知識だけでなく、分類全体を体系的に覚えているかが問われます。名前の印象で判断せず、波長、作用、用途をセットで整理することが再発防止につながります。

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