【ビル管過去問】令和3年度 問題35|光の知覚と視覚機能|視力・明視条件・暗順応・色覚を解説

出典:建築物衛生管理技術者試験令和3年度(2021年)|建築物の環境衛生第35問

問題

光の知覚に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。

(1) 目が視対象物の細部を見分ける能力を視力という。

(2) 視対象を正確に認識することを明視といい、この条件は、大きさ、対比、時間、明るさである。

(3) 視細胞は角膜に存在する。

(4) 暗順応に要する時間は明順応よりも長い。

(5) 錐体細胞には、赤、青、緑の光にそれぞれ反応する3種があり、反応の組合せで色を感じる。

ビル管過去問|光の知覚と視覚機能を解説

この問題は、視力、明視条件、視細胞の存在部位、順応、色覚といった視覚の基本事項を整理して理解しているかを問う問題です。正しい知識を一つずつ押さえていけば判断しやすい問題ですが、眼の構造に関する語句の混同があると誤りやすくなります。最も不適当なのは、視細胞が角膜に存在するとする記述です。視細胞は網膜に存在し、そこで光刺激を電気信号に変えて視覚情報として脳へ送ります。

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(1) 目が視対象物の細部を見分ける能力を視力という。

適切です。視力とは、物の細かい部分や二点の間隔などをどれだけ識別できるかを表す能力です。単に見えるか見えないかではなく、どの程度細部を判別できるかという点が重要です。試験では、視力を「細部を見分ける能力」として押さえておくと判断しやすいです。

(2) 視対象を正確に認識することを明視といい、この条件は、大きさ、対比、時間、明るさである。

適切です。明視とは、対象をはっきり正確に見ることをいいます。そのためには、対象の大きさが十分であること、背景との対比があること、見るための時間が確保されていること、そして適切な明るさがあることが必要です。照明計画でも、このような明視条件は重要であり、単に照度が高ければよいわけではない点も理解しておくとよいです。

(3) 視細胞は角膜に存在する。

不適切です。視細胞が存在するのは角膜ではなく網膜です。角膜は眼球の前面にある透明な組織で、主に光を通し、屈折させる役割を担っています。一方、視細胞には杆体細胞と錐体細胞があり、いずれも網膜に存在して光を受容します。角膜と網膜はどちらも眼の重要な構造ですが、役割がまったく異なるため、ここを取り違えないことが大切です。

(4) 暗順応に要する時間は明順応よりも長い。

適切です。暗順応とは、明るい場所から暗い場所へ移ったときに、目が暗さに慣れて見えるようになる過程です。これは主に杆体細胞の働きが関係し、十分に順応するまで比較的長い時間がかかります。これに対して、暗い場所から明るい場所へ移ったときの明順応は比較的短時間で進みます。この差は試験でもよく問われるため、暗順応のほうが長いと覚えておくと便利です。

(5) 錐体細胞には、赤、青、緑の光にそれぞれ反応する3種があり、反応の組合せで色を感じる。

適切です。錐体細胞は色の識別に関与する視細胞で、長波長、中波長、短波長にそれぞれ感度の高い3種類があります。一般には赤、緑、青に対応するものとして理解されます。人はこれらの反応の組み合わせによってさまざまな色を感じています。色覚は錐体細胞、暗所での視覚は主に杆体細胞が担うという対比も重要です。

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この問題で覚えるポイント

視力とは、視対象物の細部を識別する能力です。明視とは対象を正確に認識することであり、その条件として大きさ、対比、時間、明るさが重要です。眼の構造では、角膜は光を通して屈折させる部分、網膜は光を感じ取る部分という違いを明確に区別する必要があります。視細胞は網膜に存在し、杆体細胞は暗い場所での視覚に関わり、錐体細胞は明るい場所での視覚や色覚に関わります。順応では、暗い場所に慣れる暗順応のほうが、明るい場所に慣れる明順応より時間がかかることが重要です。色覚は3種類の錐体細胞の反応の組合せで成立するため、杆体細胞と錐体細胞の役割の違いは必ず整理して覚えておきたいところです。

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ひっかけポイント

この問題の典型的な罠は、眼の構造名とその役割をあいまいに覚えている受験者を狙っている点です。角膜は眼の前面にあり、光に最初に関わるため、光を感じる場所だと錯覚しやすいですが、実際に光を受容するのは網膜です。また、色覚と暗所視の担当も混同しやすく、色は錐体、暗所は杆体という基本を曖昧にしていると誤答につながります。さらに、順応についても、明るさに慣れるほうが時間がかかりそうだという日常感覚で判断すると逆になります。試験では、何となくそれらしく見える文章に流されず、眼の各部位の名称と機能を対応させて機械的に判定することが大切です。

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