【ビル管過去問】令和3年度 問題19|環境基本法の環境基準|大気・水質・騒音・土壌汚染を解説

出典:建築物衛生管理技術者試験令和3年度(2021年)|建築物衛生行政概論第19問

問題

環境基本法において、環境基準に定められていないものは次のうちどれか。

(1) 大気の汚染

(2) 振動

(3) 土壌の汚染

(4) 騒音

(5) 水質の汚濁

ビル管過去問|環境基本法の環境基準|大気・水質・騒音・土壌汚染を解説

この問題は、環境基本法における「環境基準」の対象を正確に覚えているかを問う問題です。環境基本法第16条では、環境基準の対象として、大気の汚染、水質の汚濁、土壌の汚染、騒音が定められています。一方で、振動は公害に含まれる概念ではありますが、この条文の環境基準には挙げられていません。したがって、正しい選択肢は「振動」です。

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(1) 大気の汚染

適切です。環境基本法第16条では、政府が環境基準を定める対象として「大気の汚染」が明記されています。大気汚染は人の健康に直接影響しやすく、呼吸器疾患などにも関わるため、代表的な環境基準の対象です。試験では、大気、水質、土壌、騒音の4つをひとまとまりで覚えることが重要です。

(2) 振動

不適切です。これが正答です。振動は環境問題や公害対策の対象にはなりますが、環境基本法第16条における環境基準の対象には含まれていません。ここがこの問題の最重要ポイントです。「公害に含まれること」と「環境基準が定められていること」は同じではありません。振動については、別に振動規制法などの枠組みで規制されるため、環境基本法上の環境基準の列挙には入っていないと理解すると整理しやすいです。

(3) 土壌の汚染

適切です。土壌の汚染は、環境基本法第16条で環境基準の対象として明記されています。土壌汚染は目に見えにくい一方で、地下水汚染や農作物への影響など、長期的な健康被害や生活環境への支障につながるおそれがあります。そのため、環境基準の対象として位置づけられています。

(4) 騒音

適切です。騒音は環境基本法第16条において、環境基準の対象として明示されています。実際に環境省でも騒音に係る環境基準が定められており、地域や道路に面する状況などに応じて基準が示されています。騒音は振動と混同しやすいですが、環境基準があるのは騒音であり、振動ではないという違いを明確にしておくことが得点につながります。

(5) 水質の汚濁

適切です。水質の汚濁も、環境基本法第16条で環境基準の対象に含まれています。河川、湖沼、海域などの水環境は、人の健康だけでなく生活環境の保全にも深く関わるため、環境基準の重要な柱の一つです。大気と並んで頻出の項目ですので、土壌や騒音とあわせて4項目を確実に覚えておきたいところです。

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この問題で覚えるポイント

環境基本法第16条の環境基準は、大気の汚染、水質の汚濁、土壌の汚染、騒音の4つです。まずはこの4項目を条文どおりに正確に暗記することが基本になります。試験では、振動や悪臭のように、公害や環境保全の対象ではあるものの、環境基準の対象としては列挙されていないものを混ぜて問う形がよくあります。ここで大切なのは、「公害の種類」と「環境基準が設定される項目」を分けて理解することです。公害概念の広さと、条文上の環境基準の列挙は一致しません。したがって、似た言葉を広く覚えるのではなく、「環境基準は4つ」と絞って覚えるのが実戦的です。騒音には環境基準がありますが、振動にはこの条文上の環境基準はありません。この差をはっきり言えるようにしておくと、同テーマの問題に対応しやすくなります。

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ひっかけポイント

この問題のひっかけは、「振動も環境問題なのだから、環境基準がありそうだ」と受験者に思わせる点にあります。日常感覚では、騒音と振動はどちらも迷惑な公害として並んで語られるため、同じ扱いだと感じやすいです。しかし、試験ではその感覚的な理解ではなく、環境基本法第16条に何が列挙されているかという条文知識が問われています。つまり、「実際に困る公害かどうか」と「環境基準として定められているかどうか」を混同すると誤答しやすくなります。特に、正しい項目が4つ並んでいる中に、よく似た1項目だけを紛れ込ませるのは典型的な出題パターンです。今後も、似た概念のうち「条文に書かれているものだけを選ぶ」問題では、印象ではなく列挙内容をそのまま思い出すことが大切です。

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