【ビル管過去問】令和3年度 問題2|WHO憲章の健康の定義|世界保健機関WHO前文の重要語句を解説

出典:建築物衛生管理技術者試験令和3年度(2021年)|建築物衛生行政概論第2問

問題

世界保健機関(WHO)憲章の前文に述べられている健康の定義に関する次の文章の(   )内に入る語句の組合せとして、最も適当なものはどれか。 健康とは完全な肉体的、( ア )及び社会的福祉の状態にあり、単に疾病又は病弱の存在しないことではない。 到達しうる最高水準の健康を享有することは、( イ )、宗教、政治的信念又は経済的若しくは社会的条件の差別なしに万人の有する基本的権利の一つである。

(1) ア:経済的   イ:人種

(2) ア:文化的   イ:性別

(3) ア:文化的   イ:人種

(4) ア:精神的   イ:性別

(5) ア:精神的   イ:人種

ビル管過去問|WHO憲章の健康の定義を解説

この問題は、WHO憲章前文にある健康の定義の正確な語句を問う問題です。健康の定義は、単に病気がない状態ではなく、肉体的、精神的、社会的に良好な状態を指すという点が重要です。また、健康を享有する権利は、人種、宗教、政治的信念、経済的又は社会的条件などによる差別なく認められる基本的権利であることも押さえる必要があります。したがって、アには「精神的」、イには「人種」が入るものが正解であり、正しい選択肢は(5)です。語句をなんとなく覚えるのではなく、WHOが健康をどのように広く捉えているかを理解しておくと、関連問題にも対応しやすくなります。

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(1) ア:経済的   イ:人種

不適切です。イの「人種」はWHO憲章前文の内容と一致していますが、アの「経済的」が誤りです。WHOの健康の定義では、健康とは「完全な肉体的、精神的及び社会的福祉の状態」とされています。ここでいう健康は、身体面だけでなく心の状態や社会生活の充実も含めた広い概念です。「経済的」は生活に大きな影響を与える要素ではありますが、定義本文に直接入る語ではありません。本文の一部だけを知っていても、正確な語句まで押さえていないと誤答しやすい選択肢です。

(2) ア:文化的   イ:性別

不適切です。アもイも誤りです。まずアについて、WHO憲章前文の健康の定義は「肉体的、精神的及び社会的福祉」であり、「文化的」は入りません。次にイについて、健康を享有する権利は差別なく万人に認められるものですが、前文の語句としては「人種、宗教、政治的信念又は経済的若しくは社会的条件」が示されており、この問題で求められている語句は「性別」ではありません。現代的な人権感覚から見ると違和感のない語が含まれているため、本文の厳密な暗記が不十分だと選びやすい選択肢です。

(3) ア:文化的   イ:人種

不適切です。イの「人種」は正しいものの、アの「文化的」が誤りです。健康の定義では、身体面と並んで重視されるのは「精神的」な側面です。WHOは健康を単なる病気の有無ではなく、身体、精神、社会の三つの側面から総合的に捉えています。そのため、「文化的」という言葉は健康に関連しそうに見えても、定義の正式な文言ではありません。このように一方だけ正しい語を混ぜることで、受験者の記憶のあいまいさを突く典型的な問題です。

(4) ア:精神的   イ:性別

不適切です。アの「精神的」は正しいですが、イの「性別」が誤りです。WHO憲章前文では、到達しうる最高水準の健康を享有することは、「人種、宗教、政治的信念又は経済的若しくは社会的条件」の差別なしに認められる基本的権利とされています。この選択肢は健康の定義前半は正しく、後半だけをすり替えたものです。そのため、前半が合っていることで安心してしまうと、後半の語句確認が甘くなり、誤って選んでしまいやすいです。

(5) ア:精神的   イ:人種

適切です。WHO憲章前文では、健康とは「完全な肉体的、精神的及び社会的福祉の状態」であり、単に病気や虚弱でないことではないとされています。さらに、到達しうる最高水準の健康を享有することは、「人種、宗教、政治的信念又は経済的若しくは社会的条件」による差別なく、万人の有する基本的権利の一つとされています。この選択肢は、前文の重要語句を正確に再現しています。ビル管試験では、このような基本法令や国際機関の定義を正確に覚えているかが問われるため、意味だけでなく文言レベルで確認しておくことが大切です。

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この問題で覚えるポイント

WHO憲章前文における健康の定義は、「完全な肉体的、精神的及び社会的福祉の状態」であり、「単に疾病又は病弱の存在しないことではない」という後半まで含めて覚えることが重要です。つまり、健康は病気がないことだけを意味せず、心の安定や社会の中で良好に生活できている状態まで含む広い概念です。この三つの側面は、肉体的、精神的、社会的であり、経済的や文化的ではない点がよく問われます。 また、健康を享有することは基本的権利であり、その権利は人種、宗教、政治的信念、経済的又は社会的条件によって差別されません。試験では、このような条文や定義の中から一語だけ差し替えて出題されることが多いため、意味の理解に加えて正式な表現を正確に押さえることが大切です。特に「精神的」と「社会的」の組合せは頻出であり、健康概念を広く捉えるWHOの考え方を理解しておくと、類似問題にも対応しやすくなります。

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ひっかけポイント

この問題のひっかけは、健康に関係がありそうな言葉をあえて混ぜて、受験者のあいまいな記憶を誘うところにあります。「経済的」や「文化的」は、日常的には健康や生活の質と深く関係しているため、もっともらしく見えてしまいます。しかし、WHO憲章前文の正式な定義に入るのは「精神的」であり、ここを正確に覚えていないと迷いやすくなります。 また、後半の権利に関する語句でも、「性別」のように現代では当然に重要と思える語を入れて、本文を厳密に記憶していない受験者を惑わせています。つまり、この問題は常識で考えると選びたくなる語と、原文に書かれている語を区別できるかを試しています。ビル管試験では、このように「意味としては自然だが条文上は誤り」というパターンがよくあるため、法令や定義問題では自分の常識ではなく、原文の表現そのものを基準に判断する姿勢が大切です。

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