出典:建築物衛生管理技術者試験令和4年度(2022年)|清掃第155問
問題
ごみの処理に関する語句の組合せとして、最も不適当なものは次のうちどれか。
(1) 排出抑制 ――――― 収集袋の有料化
(2) 収集・運搬 ―――― 余熱利用
(3) 再生 ――――――― 集団回収
(4) 中間処理 ――――― 破砕・圧縮
(5) 最終処分 ――――― 残余容量
ビル管過去問|ごみ処理の流れ 排出抑制・収集運搬・中間処理・最終処分を解説
この問題は、ごみ処理の各段階に対応する代表的な用語を正しく結び付けられるかを問う問題です。ごみ処理は、発生を抑える段階、集めて運ぶ段階、資源として再生する段階、焼却や破砕などを行う段階、そして最終的に埋め立てる段階に分かれています。正しい対応は、排出抑制には収集袋の有料化、再生には集団回収、中間処理には破砕・圧縮、最終処分には残余容量です。一方、余熱利用は焼却などの中間処理に伴って生じる熱を利用する考え方であり、収集・運搬に対応する語句ではありません。したがって、最も不適当なのは(2)です。
(1) 排出抑制 ――――― 収集袋の有料化
適切です。排出抑制とは、ごみそのものの発生量を減らす取組を指します。収集袋を有料化すると、ごみを多く出すほど費用負担が増えるため、住民や事業者が不要なごみを減らそうと意識しやすくなります。つまり、処理の後工程で対応するのではなく、発生の入口でごみを減らす仕組みであるため、排出抑制に該当します。試験では、排出抑制と再資源化を混同しないことが大切です。排出抑制は、そもそもごみを出さない、少なくするという考え方です。
(2) 収集・運搬 ―――― 余熱利用
不適切です。収集・運搬とは、排出されたごみを集めて処理施設や中間処理施設へ運ぶ工程を指します。この段階の中心は、効率的かつ衛生的に回収し、適切な場所へ搬送することです。これに対して余熱利用は、ごみの焼却時などに発生する熱エネルギーを給湯、発電、暖房などに活用するものであり、中間処理に関連する考え方です。つまり、余熱利用は運ぶ段階ではなく、処理する段階で生じる副次的なエネルギー活用です。この対応関係がずれているため、この選択肢が誤りです。
(3) 再生 ――――――― 集団回収
適切です。再生とは、ごみや使用済み資源を回収し、原料や製品として再び活用することです。集団回収は、自治会や子ども会、地域団体などが新聞、雑誌、段ボール、アルミ缶などを分別して回収し、資源として再利用につなげる仕組みです。これは廃棄物を単に処分するのではなく、資源として循環させる取組であるため、再生に該当します。再生は、リサイクルに相当する概念として理解すると整理しやすいです。ごみ処理の流れの中で、資源として活かせるものを回す段階だと考えると判断しやすくなります。
(4) 中間処理 ――――― 破砕・圧縮
適切です。中間処理とは、ごみをそのまま最終処分するのではなく、焼却、破砕、圧縮、脱水などを行って、減量化、安定化、無害化を図る工程です。破砕は大きなごみを細かく砕いて扱いやすくする処理であり、圧縮は体積を小さくして運搬や処分をしやすくする処理です。いずれも最終処分の前に行われる代表的な中間処理です。ごみ処理では、最終処分場の負担を減らすことが重要であり、そのために中間処理で体積や性状を整えるという理解が大切です。
(5) 最終処分 ――――― 残余容量
適切です。最終処分とは、中間処理後に残った廃棄物を埋立処分などによって最終的に処理する段階です。残余容量は、最終処分場にあとどれだけ廃棄物を埋め立てられるかを示す重要な指標です。最終処分場は無限に使えるわけではないため、残余容量の把握は廃棄物行政や施設管理において非常に重要です。試験では、残余容量という言葉が出たら、焼却炉や収集車ではなく、埋立地や最終処分場と結び付けると正答しやすくなります。
この問題で覚えるポイント
ごみ処理の流れは、排出抑制、収集・運搬、再生、中間処理、最終処分の順に整理して覚えることが重要です。排出抑制は、ごみの発生そのものを減らす考え方であり、代表例として収集袋の有料化や過剰包装の抑制があります。収集・運搬は、排出されたごみを衛生的かつ効率的に回収して処理施設へ運ぶ段階です。再生は、資源ごみを回収して再利用する段階であり、集団回収のような地域回収もここに含まれます。中間処理は、焼却、破砕、圧縮、脱水などにより、ごみを減量化、安定化、無害化する工程です。余熱利用は、焼却に伴って発生する熱を有効活用するものであり、中間処理と関係します。最終処分は、処理後に残ったものを埋立処分する段階であり、残余容量は最終処分場の管理で重要な指標です。このように、各用語を処理のどの段階で使う言葉なのかで整理すると、同テーマの問題に対応しやすくなります。
ひっかけポイント
この問題のひっかけは、実際のごみ処理全体に関わる言葉を、何となく関連がありそうだという印象だけで結び付けてしまう点にあります。余熱利用はごみ処理に関係する言葉であるため、一見するとどこに入っていても不自然に見えにくいですが、実際には焼却などの処理工程で生じる熱を使う概念です。つまり、ごみ処理に関係があることと、その工程に直接属することは別です。この種の問題では、言葉の意味を広く知っているだけでは不十分で、処理フローのどの段階の話なのかまで正確に押さえる必要があります。日常感覚で何となく選ぶと誤りやすいため、各用語を発生抑制、搬送、資源化、処理、埋立という流れの中に位置付けて判断する癖をつけることが大切です。
