【ビル管過去問】令和4年度 問題138|汚泥濃縮 含水率と体積計算を解説

出典:建築物衛生管理技術者試験令和4年度(2022年)|清掃第138問

問題

水分98.0%の汚泥15.0m3を水分97.0%に濃縮した場合、濃縮後の汚泥の容積として、最も適当なものは次のうちどれか。

(1) 3.0m3

(2) 5.0m3

(3) 7.5m3

(4) 10.0m3

(5) 12.5m3

ビル管過去問|汚泥濃縮 含水率と体積計算を解説

この問題は、汚泥中の固形分量は濃縮の前後で変わらないという基本原則を使って、濃縮後の体積を求める計算問題です。水分98.0%の汚泥は固形分2.0%、水分97.0%の汚泥は固形分3.0%です。最初の汚泥15.0m3に含まれる固形分量は15.0×0.02=0.30m3分です。この固形分量が濃縮後も一定なので、0.30÷0.03=10.0m3となります。したがって、正しい選択肢は(4)であり、汚泥濃縮では「水の量は減っても固形分量は変わらない」という考え方を押さえることが大切です。

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(1) 3.0m3

不適切です。これは濃縮後の固形分濃度が上がることだけに注目し、体積が極端に小さくなると早合点した場合に選びやすい数値です。しかし、もとの汚泥は15.0m3あり、そのうち固形分は2.0%で0.30m3分です。濃縮後はその0.30m3分の固形分が全体の3.0%を占める体積になるので、3.0m3では固形分割合が合いません。計算の基準を水分ではなく固形分に置くことが重要です。

(2) 5.0m3

不適切です。濃縮によって体積が減ることは正しい理解ですが、減り方を感覚で判断してしまうとこの数値を選びやすくなります。実際には、濃縮前の固形分量15.0×0.02=0.30m3分を、濃縮後の固形分率3.0%で割って求めます。計算すると0.30÷0.03=10.0m3であり、5.0m3ではありません。濃縮の計算では、見た目の印象ではなく、固形分量一定の式で処理することが必要です。

(3) 7.5m3

不適切です。これは15.0m3の半分なので、濃縮により体積も半減すると感覚的に考えたときに引っかかりやすい選択肢です。しかし、水分98.0%から97.0%への変化は、見た目にはわずか1%の差でも、固形分は2.0%から3.0%へ増えており、固形分濃度は1.5倍になっています。したがって体積は15.0÷1.5=10.0m3となります。単純に半分と考えるのは誤りです。

(4) 10.0m3

適切です。濃縮前の水分98.0%は、固形分2.0%を意味します。したがって、15.0m3の汚泥に含まれる固形分量は15.0×0.02=0.30m3分です。濃縮後の水分97.0%は固形分3.0%なので、この0.30m3分の固形分が全体の3.0%に相当する体積を求めればよく、0.30÷0.03=10.0m3となります。濃縮によって減るのは主に水分であり、固形分量は変わらないという原則どおりの計算結果です。

(5) 12.5m3

不適切です。これは、もとの15.0m3から少しだけ減ると考えてしまった場合に選びやすい数値です。しかし、水分98.0%から97.0%への変化は、固形分2.0%から3.0%への上昇を意味するため、体積はもっとはっきり減少します。固形分量一定で計算すると、濃縮後体積は10.0m3です。含水率の数字だけを見て変化が小さいと判断すると誤りやすいので注意が必要です。

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この問題で覚えるポイント

汚泥濃縮の計算では、濃縮の前後で固形分量は変わらないという原則を最優先で使います。含水率が示されたときは、まず100%から引いて固形分率に直して考えることが基本です。今回なら水分98.0%は固形分2.0%、水分97.0%は固形分3.0%です。体積を求めるときは、濃縮前体積×濃縮前固形分率=濃縮後体積×濃縮後固形分率、という関係式で整理すると確実です。含水率が1%しか変わらなくても、固形分率では2.0%から3.0%へ大きく変化しているため、見た目以上に体積が変わります。試験では、水分率と固形分率を取り違えないこと、濃縮で変わるのは水の量であって固形分量ではないこと、この2点を押さえると同じテーマの問題に対応しやすくなります。

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ひっかけポイント

この問題のひっかけは、水分98.0%から97.0%への変化を「たった1%しか変わらない」と見てしまい、体積も少ししか減らないと考えさせる点にあります。しかし、計算の基準にすべきなのは水分ではなく固形分です。水分の数字は大きく見えますが、実際に体積計算に直結するのは残りの固形分率です。さらに、濃縮という言葉から「何となく半分くらいになる」と感覚で判断すると誤答しやすくなります。このタイプの問題では、感覚を捨てて、まず固形分率へ変換し、固形分量一定の式に置き直すことが再現性のある対処法です。

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