【ビル管過去問】令和4年度 問題107|給水・排水設備における機器・用語の機能と用途の理解を解説

出典:建築物衛生管理技術者試験令和4年度(2022年)|給水および排水の管理第107問

問題

給水及び排水の管理に関する用語とその説明との組合せとして、最も不適当なものは次のうちどれか。

(1) ボールタップ ——————— 受水槽の水位調節

(2) 専用洗浄弁式 ——————— 小便器の給水方式

(3) 酸化保護被膜 ——————— 酸化によってできる金属表面の薄い被膜

(4) スクリーン ——————— 夾雑物の除去

(5) フロートスイッチ ——————- 汚水槽の水位センサ

ビル管過去問|給水・排水設備における機器・用語の機能と用途の理解を解説

この問題は、給水設備や排水設備で使われる基本用語について、名称と機能・用途が正しく対応しているかを問う問題です。設備管理の分野では、名称を見てすぐに役割を思い浮かべられることが大切です。今回は、ボールタップ、洗浄弁、酸化保護被膜、スクリーン、フロートスイッチという実務でもよく出る用語が並んでいます。この中で不適当なのは、専用洗浄弁式を小便器の給水方式としているものです。専用洗浄弁式は主として大便器で用いられる方式であり、小便器の代表的な給水方式として整理するのは不適切です。他の選択肢は、それぞれの機器や用語の説明として適切です。

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(1) ボールタップ ——————— 受水槽の水位調節

適切です。ボールタップは、受水槽や高置水槽などで水位を一定に保つために用いられる代表的な給水制御機器です。浮き球の上下によって弁の開閉を行い、水位が下がれば給水し、水位が上がれば給水を止める仕組みです。構造が比較的わかりやすく、給水設備の基礎としてよく問われます。受水槽の水位調節という説明は、ボールタップの用途そのものを表しており正しいです。

(2) 専用洗浄弁式 ——————— 小便器の給水方式

不適切です。専用洗浄弁式は、洗浄弁を操作して便器を洗浄する方式で、主として大便器で用いられる給水方式として理解するのが基本です。小便器にも洗浄の仕組みはありますが、試験対策上は、小便器の給水方式として専用洗浄弁式をそのまま対応させる整理は誤りとして扱われます。こうした問題では、機器や方式の名称を見たときに、どの衛生器具に代表的に使われるかを正確に結び付けることが重要です。名称に引っ張られて、便器全般に使えるものと大まかに覚えていると誤答しやすくなります。

(3) 酸化保護被膜 ——————— 酸化によってできる金属表面の薄い被膜

適切です。酸化保護被膜とは、金属表面が酸化することで生じる薄い被膜のうち、内部の金属をそれ以上腐食しにくくする働きをもつものをいいます。たとえばアルミニウムなどでは、この被膜が表面を保護し、腐食の進行を抑える役割を果たします。腐食に関する問題では、単に酸化することが悪いのではなく、酸化によって保護性のある被膜ができる場合があることを理解しておくことが大切です。この説明は用語の内容を適切に表しています。

(4) スクリーン ——————— 夾雑物の除去

適切です。スクリーンは、排水中に含まれる大きなごみや固形物、つまり夾雑物を取り除くための装置です。排水処理設備の前段で設置されることが多く、その後のポンプや処理設備の故障や閉塞を防ぐ重要な役割があります。排水管理では、最初に物理的に大きな異物を除去する工程が重要であり、その代表がスクリーンです。したがって、夾雑物の除去という説明は正しいです。

(5) フロートスイッチ ——————- 汚水槽の水位センサ

適切です。フロートスイッチは、液面の上下に応じて接点を入切する水位検出機器であり、汚水槽や雑排水槽、湧水槽などで広く用いられています。水位が一定以上になるとポンプを起動し、一定以下になると停止させるといった自動制御に利用されます。汚水槽の水位を検知する水位センサとしての説明はまさにその用途を示しており、適切です。設備管理では、フロートスイッチが単なる浮きではなく、ポンプ制御と結び付いた重要機器であることを押さえておくと理解しやすいです。

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この問題で覚えるポイント

給水・排水設備の問題では、機器の名称と役割を一対で覚えることが基本です。ボールタップは水槽の水位調節に用いられ、フロートスイッチは槽内の水位検出とポンプ制御に用いられます。どちらも浮力を利用しますが、ボールタップは給水弁の開閉を行う機械的な水位調整機器であり、フロートスイッチは電気的な信号を出して機器を動かす水位検出機器という違いがあります。 排水設備のスクリーンは、夾雑物の除去が目的です。ここでは、スクリーンが水をきれいにする主処理装置ではなく、まず大きな異物を取り除いて後段設備を守る前処理装置であることを理解しておくと、関連問題にも対応しやすくなります。 腐食分野では、酸化と腐食を一括りにせず、酸化によってできた被膜が保護的に働く場合があることを覚えることが重要です。酸化保護被膜はその代表で、金属の種類によっては腐食の進行を抑えます。腐食速度や防食法の問題とあわせて整理しておくと得点しやすくなります。 衛生器具の給水方式は、便器の種類ごとに代表的な方式を区別して覚えることが重要です。大便器と小便器では、用いられる洗浄方式や関連機器の整理が異なります。名称だけで広く当てはめず、どの器具に典型的に使われるかまで意識して覚えると、正誤判断が安定します。

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ひっかけポイント

この問題のひっかけは、どの選択肢も一見もっともらしく見える点にあります。特に洗浄弁という言葉は便器全般に関係しそうに感じるため、細かな適用対象を曖昧に覚えていると誤答しやすくなります。試験では、このように日常語として意味が通じそうな表現を使いながら、実際には設備上の分類がずれているものが狙われます。 また、浮きを使う機器としてボールタップとフロートスイッチを混同しやすい点も注意が必要です。どちらも水位と関係しますが、前者は給水弁を直接制御する機械的装置、後者は水位検出によってポンプなどを電気的に制御するセンサです。見た目や動作原理の一部が似ていても、役割まで同じだと考えるのが思考の罠です。 さらに、酸化という語からすぐに腐食や劣化を連想してしまうのも典型的な誤りです。試験では、酸化が必ずしも悪い方向に働くとは限らず、保護被膜として機能する場合があることを理解しているかが問われます。用語の表面的な印象ではなく、実際の機能まで踏み込んで覚えることが大切です。

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