出典:建築物衛生管理技術者試験令和4年度(2022年)|建築物の環境衛生第37問
問題
情報機器作業に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
(1) 情報機器にはタブレット端末が含まれる。
(2) 照明及び採光は、できるだけ明暗の対照が著しくないようにする。
(3) ディスプレイに関しては、画面の上端が眼の高さよりやや上になる高さにすることが望ましい。
(4) 情報機器作業とは、パソコンなどの情報機器を使用してデータの入力や文章・画像等の作成を行う作業である。
(5) 情報機器作業者に対する健康診断では、眼の症状、筋骨格系の症状、ストレスに関する症状をチェックする。
ビル管過去問|情報機器作業 VDT作業の作業環境と健康管理を解説
この問題は、情報機器作業に関する基本的なガイドラインを正しく理解しているかを問う問題です。特に、情報機器の範囲、照明環境、ディスプレイの適切な位置、作業の定義、健康診断で確認する症状が重要です。正しい知識を整理すると、情報機器にはタブレット端末も含まれ、照明は明暗差が強すぎないように配慮し、健康診断では眼、筋骨格系、ストレスに関する症状を確認します。一方で、ディスプレイの上端は眼の高さよりやや上ではなく、眼の高さとほぼ同じか、やや下が望ましいため、最も不適当なのは(3)です。
(1) 情報機器にはタブレット端末が含まれる。
適切です。情報機器作業のガイドラインでは、対象となる情報機器としてデスクトップ型、ノート型、タブレット型、携帯情報端末などが示されています。そのため、情報機器という言葉をパソコン本体だけに限定して覚えていると誤りやすいですが、画面を備え、入力や閲覧、作成などの作業に用いる機器は広く含まれると理解しておくことが大切です。試験では、機器の種類を狭く捉えていないかが問われやすいので注意してください。
(2) 照明及び採光は、できるだけ明暗の対照が著しくないようにする。
適切です。情報機器作業では、周囲が明るすぎたり暗すぎたりして画面との明るさの差が大きいと、眼の疲労や見づらさの原因になります。そのため、照明や採光は、作業面やディスプレイ周辺で明暗の対照が著しくならないように整えることが重要です。単に明るければよいのではなく、画面の見やすさと眼への負担軽減の両方を意識して環境を整える必要があります。
(3) ディスプレイに関しては、画面の上端が眼の高さよりやや上になる高さにすることが望ましい。
不適切です。ガイドラインでは、ディスプレイの上端は眼の高さとほぼ同じか、やや下になる高さが望ましいとされています。画面が高すぎると、無意識にあごが上がり、首や肩への負担が増えやすくなります。また、視線が上向きになることで眼の表面が乾きやすくなり、疲れ目の原因にもなります。選択肢では「やや上」としている点が誤りであり、ここが正誤判断の決め手です。
(4) 情報機器作業とは、パソコンなどの情報機器を使用してデータの入力や文章・画像等の作成を行う作業である。
適切です。情報機器作業とは、パソコンやタブレット端末などを使って、データの入力、検索、照合、文書や画像の作成、編集、修正、プログラミング、監視などを行う作業を指します。この選択肢の表現は代表例を挙げたものであり、情報機器作業の基本的な理解として妥当です。試験では、定義を厳密に覚えるというより、情報機器を用いる事務的・編集的・監視的作業全般を含むことを押さえておくと対応しやすくなります。
(5) 情報機器作業者に対する健康診断では、眼の症状、筋骨格系の症状、ストレスに関する症状をチェックする。
適切です。情報機器作業に係る健康診断では、自覚症状の把握として、眼疲労を中心とする眼の症状、上肢や頚肩腕部、腰背部などの筋骨格系の症状、さらにストレスに関する症状を確認します。これは、情報機器作業が単に目だけに負担をかけるのではなく、同じ姿勢の継続や精神的緊張によって身体面と心理面の両方に影響を及ぼすためです。健康管理の対象を広く捉えることが重要です。
この問題で覚えるポイント
情報機器作業とは、パソコンだけでなくタブレット端末や携帯情報端末なども含む広い概念です。したがって、機器の種類を限定して覚えないことが大切です。作業環境では、照明や採光による明暗差を強くしすぎないこと、画面への映り込みやまぶしさを防ぐことが基本になります。ディスプレイの位置については、上端が眼の高さとほぼ同じか、やや下が原則であり、やや上は誤りです。さらに、健康診断では眼の異常だけでなく、首肩腕や腰背部などの筋骨格系症状、ストレス症状も確認対象になります。このように、情報機器作業の問題では、機器の範囲、作業環境、姿勢、健康管理の4つをセットで整理して覚えると、同テーマの問題に対応しやすくなります。
ひっかけポイント
この問題のひっかけは、日常感覚では「画面は少し高い方が見やすそうだ」と感じやすい点にあります。しかし、実際のガイドラインでは首や肩、眼への負担を減らすため、画面上端は眼の高さとほぼ同じか、やや下が望ましいとされています。つまり、感覚的に自然そうな表現をわざと混ぜて誤答を誘っています。また、情報機器という言葉からデスクトップやノートパソコンだけを連想させ、タブレット端末を除外したくなる受験者心理も狙われやすいところです。さらに、健康診断についても「眼だけを見るもの」と思い込むと、筋骨格系やストレス症状の確認を見落とします。このように、一部だけもっともらしい文章に注意し、ガイドラインの表現を正確に押さえることが得点につながります。
