【ビル管過去問】令和4年度 問題17|旅館業法 衛生措置・換気採光照明の基準を解説

出典:建築物衛生管理技術者試験令和4年度(2022年)|建築物衛生行政概論第17問

問題

旅館業法第4条に規定されている次の条文の(   )内に入る語句の組合せとして、正しいものはどれか。 営業者は、旅館業の施設について、( ア )、採光、( イ )、防湿及び清潔その他( ウ )の衛生に必要な措置を講じなければならない。

(1) ア:換気    イ:照明  ウ:客室

(2) ア:換気    イ:照明  ウ:宿泊者

(3) ア:換気    イ:防音  ウ:客室

(4) ア:空気調和  イ:照明  ウ:宿泊者

(5) ア:空気調和  イ:防音  ウ:客室

ビル管過去問|旅館業法 衛生措置・換気採光照明の基準を解説

この問題は、旅館業法第4条の条文を正確に覚えているかを問う問題です。条文は「換気、採光、照明、防湿及び清潔その他宿泊者の衛生に必要な措置」と定めており、正しい選択肢は(2)です。試験では、よく似た語句である「客室」「空気調和」「防音」などに置き換えて誤答を誘うことがあるため、条文の並びをそのまま押さえておくことが大切です。

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(1) ア:換気    イ:照明  ウ:客室

不適切です。アの「換気」とイの「照明」は条文どおりで正しいですが、ウの「客室」が誤りです。旅館業法第4条は、施設の一部である客室だけの衛生を問題にしているのではなく、宿泊する人そのものの衛生を守るために必要な措置を講じることを求めています。したがって、正しい文言は「宿泊者」です。施設や設備に目が向きやすい条文ですが、最終的な保護対象が誰なのかまで含めて読むことが重要です。

(2) ア:換気    イ:照明  ウ:宿泊者

適切です。旅館業法第4条は、「営業者は、旅館業の施設について、換気、採光、照明、防湿及び清潔その他宿泊者の衛生に必要な措置を講じなければならない」と定めています。したがって、アは「換気」、イは「照明」、ウは「宿泊者」の組合せが正解です。この条文は、旅館業における基本的な衛生管理義務を示したものであり、空気の入れ替え、明るさ、湿気対策、清潔保持などを通じて、宿泊者が安全かつ衛生的に利用できる環境を整えることを求めています。

(3) ア:換気    イ:防音  ウ:客室

不適切です。アの「換気」は正しいものの、イの「防音」とウの「客室」が誤りです。旅館業法第4条にあるのは「照明」であり、「防音」ではありません。また、衛生に必要な措置の対象として示されているのは「宿泊者」であって「客室」ではありません。防音は宿泊施設の快適性に関わる要素としては理解しやすいですが、この条文が扱っているのはあくまで衛生措置です。快適性に関する一般的なイメージで判断すると、法文の正確な語句を見失いやすくなります。

(4) ア:空気調和  イ:照明  ウ:宿泊者

不適切です。イの「照明」とウの「宿泊者」は正しいですが、アの「空気調和」が誤りです。条文上の語句は「換気」です。「空気調和」は建築設備やビル管理の分野ではよく使われる専門用語であり、受験者にとってなじみがあるため、つい正しいように感じてしまいます。しかし、旅館業法第4条が明示しているのは、空気を調整する高度な設備概念ではなく、基本的な衛生措置としての「換気」です。普段よく見る設備用語ほど、条文問題では慎重に区別する必要があります。

(5) ア:空気調和  イ:防音  ウ:客室

不適切です。アの「空気調和」、イの「防音」、ウの「客室」のいずれも条文とは一致しません。正しくは「換気、採光、照明、防湿及び清潔その他宿泊者の衛生に必要な措置」です。この選択肢は、宿泊施設にありそうな言葉を並べてもっともらしく見せていますが、実際の法文とはかなり離れています。試験では、このように日常的にはもっともに思える語句を混ぜて、条文を曖昧に覚えている受験者を狙うことがあります。法令問題では、意味の近さではなく、条文の正確さで判断する姿勢が大切です。

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この問題で覚えるポイント

旅館業法第4条の中心語句は、「換気、採光、照明、防湿及び清潔その他宿泊者の衛生に必要な措置」です。まず、「換気」「採光」「照明」「防湿」「清潔」という並びをそのまま覚えることが重要です。ここでは、設備の豪華さや快適性ではなく、衛生を守るための基本的な環境整備が求められています。また、最後の語句は「宿泊者」であり、「客室」ではありません。これは、施設そのものではなく、そこを利用する人の衛生確保が目的であることを示しています。さらに、第4条第2項では、これらの措置の具体的な基準は都道府県が条例で定めるとされているため、法律は大枠を示し、具体的運用は条例で補う構造になっています。試験対策としては、「法律で基本義務を定め、具体基準は条例で定める」という整理もあわせて押さえると得点しやすくなります。

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ひっかけポイント

この問題のひっかけは、受験者がビル管理や建築設備でよく目にする用語に引っ張られる点にあります。たとえば「空気調和」は実務では自然な言葉なので、「換気」よりこちらのほうが正式らしく見えてしまいます。また、宿泊施設の問題なので「客室」という語も直感的にはもっともらしく感じます。しかし、法文では設備用語としての高度さや施設の部位名が問われているのではなく、衛生措置の基本語句と、その保護対象が問われています。つまり、「よく知っている言葉だから正しそう」と考えること自体が罠です。法令問題では、意味が近い語句を自分の知識で補わず、条文の文言をそのまま再現できるかどうかが勝負になります。今回は特に、「客室の衛生」ではなく「宿泊者の衛生」である点を取り違えないようにすることが重要です。

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