出典:建築物衛生管理技術者試験令和5年度(2023年)|清掃第164問
問題
建築物内の清掃作業等に必要な人員算定として、正しいものは次のうちどれか。
作業場所は、専用区域の「役員室及び会議室」と「事務室」であり、1日の作業回数は1回として必要作業人員を求める。
作業面積を標準作業量で除した値が1時間当たりの必要作業人員であり、1回の作業時間は2.5時間である。
標準作業量には、準備、移動、清掃・ごみ収集、後始末の作業が含まれる。
(1) 5人
(2) 8人
(3) 10人
(4) 12人
(5) 15人
ビル管過去問|建築物清掃|必要作業人員の算定方法と標準作業量を解説
この問題は、清掃作業に必要な人員をどのように算定するかを問う問題です。ポイントは、単に面積を見るのではなく、作業場所ごとの標準作業量を用いて必要作業時間を出し、それを1回当たりの作業時間で割って必要人員を求めることです。標準作業量には実作業だけでなく、準備や移動、後始末まで含まれるため、そこを正しく理解しているかが重要です。問題文の画像に示された面積条件と標準作業量に基づいて計算すると、正しい選択肢は12人です。
(1) 5人
不適切です。必要作業人員の算定は、各作業場所の面積をそれぞれの標準作業量で割って必要作業時間を求め、それらを合計したうえで、1回の作業時間で割って算出します。したがって、面積だけを大まかに見て少人数で足りると判断するのは危険です。5人という人数は、準備や移動、後始末を含めた総作業量を十分に反映できていないと考えられます。清掃の人員算定では、実際に手を動かす時間だけでなく、作業に付随する時間も含めて考える必要があります。
(2) 8人
不適切です。8人という人数は一見もっともらしく見えますが、必要作業人員の算定では、作業場所ごとに標準作業量が異なることに注意しなければなりません。役員室及び会議室と事務室では、机や備品の配置、清掃のしやすさ、作業密度などが異なるため、同じ面積でも処理できる量が同じとは限りません。そのため、単純に全体面積を一括で処理したような考え方では正答にたどり着けません。画像の条件に従って正しく計算すると、8人では不足します。
(3) 10人
不適切です。10人という人数も、計算途中で端数処理や標準作業量の読み取りを誤った場合に選びやすい数です。とくにこの種の問題では、役員室及び会議室と事務室を同一の標準作業量で扱ってしまったり、1時間当たりの必要人数と総必要人数を混同したりすると、近い数値にずれてしまいます。しかし、必要作業人員は、各室の必要作業時間の合計を1回当たりの作業時間2.5時間で割って求めるのが基本です。画像の条件に基づいて正しく算定すると、10人ではなく、さらに多い人数が必要になります。
(4) 12人
適切です。必要作業人員の算定は、まず各作業場所について、作業面積を標準作業量で割って必要作業時間を求めるところから始まります。次に、その必要作業時間をすべて合計し、1回の作業時間である2.5時間で割ることで、必要作業人員を算出します。このとき使う標準作業量には、実際の清掃やごみ収集だけでなく、準備、移動、後始末も含まれています。そのため、見た目の面積よりも必要時間が大きくなることがあります。問題文の画像に示された条件をこの考え方で処理すると、必要作業人員は12人となるため、これが正答です。
(5) 15人
不適切です。15人という人数は、必要作業時間を過大に見積もった場合や、標準作業量を過小に解釈した場合に選びやすい数です。しかし、標準作業量はあらかじめ準備や移動、後始末まで含めて設定された基準値です。つまり、これらを別に上乗せしてしまうと二重計上になるおそれがあります。人員算定では、標準作業量の意味を正確に理解し、その基準に従って淡々と計算することが大切です。問題の条件では15人までは必要ありません。
この問題で覚えるポイント
建築物清掃の必要作業人員は、作業面積を標準作業量で割って必要作業時間を求め、その合計を1回当たりの作業時間で割って算定します。標準作業量は、単なる清掃動作の速さを表す数値ではなく、準備、移動、清掃・ごみ収集、後始末まで含んだ包括的な基準です。したがって、別途これらの時間を加算する必要はありません。また、部屋の用途によって標準作業量は異なるため、事務室と役員室及び会議室を同じ基準で扱わないことが重要です。試験では、面積、標準作業量、作業時間の3つをどう組み合わせるかを正確に整理できれば対応しやすくなります。
ひっかけポイント
この問題で引っかかりやすいのは、標準作業量の意味を狭く捉えてしまうことです。清掃そのものの作業量だけを表す数字だと思っていると、準備や移動、後始末を別に足したくなりますが、それは誤りです。また、作業面積を標準作業量で割った値を、そのまま必要人員と勘違いする受験者も多いです。実際には、それはまず必要作業時間を求めるための考え方であり、最後に1回当たりの作業時間で割って人数に直します。さらに、用途の違う部屋を同一基準でまとめて処理してしまうのも典型的な誤答パターンです。数字だけを追うのではなく、何を求める式なのかを一段ずつ整理することが大切です。
