【ビル管過去問】令和5年度 問題142|建築物清掃業の登録基準|人的要件・機械器具・研修・作業監督者を解説

出典:建築物衛生管理技術者試験令和5年度(2023年)|清掃第142問

問題

建築物衛生法施行規則に定められた建築物清掃業の登録基準の内容として、最も不適当なものは次のうちどれか。

(1) 清掃用機械器具として、真空掃除機、噴霧器を有すること。

(2) 清掃作業に従事するすべての者が、規則に規定する研修を修了したものであること。

(3) 清掃作業に従事する者の研修内容は、清掃用機械器具、資材の使用方法、清掃作業の安全・衛生に関するものであること。

(4) 清掃作業の監督を行う者は、厚生労働大臣の登録を受けた者が行う清掃作業監督者講習又は再講習の課程を修了して6年を経過していないこと。

(5) 清掃作業及び清掃用機械器具等の維持管理の方法が、厚生労働大臣が別に定める基準に適合していること。

ビル管過去問|建築物清掃業の登録基準|人的要件・機械器具・研修・作業監督者を解説

この問題は、建築物清掃業の登録基準について、機械器具の要件、作業監督者の要件、従事者研修の要件、維持管理方法の基準を正確に区別できるかを問う問題です。正しい知識としては、建築物衛生法施行規則第25条では、保有すべき機械器具は「真空掃除機」と「床みがき機」とされており、「噴霧器」は建築物清掃業の登録基準そのものには含まれていません。そのため、最も不適当なのは(1)です。一方で、従事者研修は清掃作業に従事する者のすべてが受講できるもので、内容は機械器具や資材の使用方法、安全・衛生に関する事項を含み、監督者は所定講習または再講習を修了して6年以内である必要があります。さらに、作業や機械器具等の維持管理方法も、厚生労働大臣が定める基準に適合していなければなりません。

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(1) 清掃用機械器具として、真空掃除機、噴霧器を有すること。

不適切です。その理由は、建築物清掃業の登録基準として施行規則第25条が明示している機械器具は、「真空掃除機」と「床みがき機」だからです。つまり、ここで問われているのは、現場で役立つ機器を幅広く知っているかではなく、登録基準として法令に列挙されている機械器具を正確に覚えているかです。噴霧器は消毒や薬剤散布など別の場面で使われることはありますが、この条文で建築物清掃業の登録基準として直接挙げられているものではありません。したがって、「真空掃除機、噴霧器」という組合せは条文と一致せず、誤りです。

(2) 清掃作業に従事するすべての者が、規則に規定する研修を修了したものであること。

適切です。その理由は、施行規則第25条では、清掃作業に従事する者が所定の要件を満たす研修を修了したものであることが登録基準とされているからです。ここで大切なのは、一部の代表者やベテランだけが受ければよいのではなく、清掃作業に従事する者全体を対象にした教育体制が求められている点です。清掃業務は、床材や洗剤、機械器具の扱い方を誤ると、建材の損傷、転倒事故、衛生事故につながるおそれがあります。そのため、業者として登録を受けるには、現場に入る作業従事者全体に一定水準の知識と安全意識が備わっていることが重要になります。

(3) 清掃作業に従事する者の研修内容は、清掃用機械器具、資材の使用方法、清掃作業の安全・衛生に関するものであること。

適切です。その理由は、施行規則第25条において、従事者研修の内容として、清掃用機械器具等や清掃作業に用いる資材の使用方法、さらに清掃作業の安全及び衛生に関する事項が定められているからです。これは単なる操作説明ではありません。たとえば、真空掃除機や床みがき機の誤使用は故障や事故の原因になりますし、洗剤や資材の不適切な使用は床面の変質や人体への悪影響を招くことがあります。さらに、安全衛生の知識が不足していると、感電、転倒、薬剤曝露、交差汚染などのリスクも高まります。したがって、このような内容を研修に含めるのは、登録業者として当然に必要な基準です。

(4) 清掃作業の監督を行う者は、厚生労働大臣の登録を受けた者が行う清掃作業監督者講習又は再講習の課程を修了して6年を経過していないこと。

適切です。その理由は、施行規則第25条では、清掃作業の監督を行う者について、ビルクリーニングに係る一定の資格または免状を有し、さらに登録を受けた機関が行う講習または再講習を修了して、その修了日から6年を経過していないことが求められているからです。ここでのポイントは、「一度受ければ永久に有効」ではないことです。清掃現場では、機械器具、資材、安全管理の考え方が更新されるため、監督者にも継続的な知識の更新が求められます。試験では「何年以内か」が狙われやすく、この問題では6年という期間を正確に押さえておく必要があります。

(5) 清掃作業及び清掃用機械器具等の維持管理の方法が、厚生労働大臣が別に定める基準に適合していること。

適切です。その理由は、施行規則第25条が、人的要件や機械器具の保有だけでなく、実際の清掃作業の方法や機械器具等の維持管理方法についても、厚生労働大臣が別に定める基準に適合することを求めているからです。つまり、登録基準は「物がある」「人がいる」だけでは足りず、その物をどう管理し、どのような手順で作業を行うかまで含めて評価されるということです。機械器具の点検や補修が不十分であれば、性能低下や事故につながりますし、作業方法が不適切なら清掃品質や衛生水準を保てません。登録制度は、建築物利用者の衛生と安全を守るために、運用面まで含めて一定水準を求めているのです。

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この問題で覚えるポイント

建築物清掃業の登録基準では、機械器具として法令上明示されているのは真空掃除機と床みがき機です。現場で使われる他の器具が有用であっても、登録基準として条文に書かれているものとは区別して覚える必要があります。人的要件としては、清掃作業の監督者に所定の資格と講習修了歴が必要であり、講習または再講習の修了後6年以内であることが重要です。従事者研修については、清掃作業に従事する者のすべてが受講できる形で、定期的に実施され、内容は機械器具等や資材の使用方法、安全衛生に関する事項を含まなければなりません。さらに、登録基準は人的要件や機械器具の有無だけで終わらず、清掃作業の方法や機械器具等の維持管理方法が、別に定められた基準に適合していることまで求めています。つまり、「設備」「人」「教育」「運用方法」の4つをセットで覚えると、同テーマの問題に対応しやすくなります。

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ひっかけポイント

この問題のひっかけは、「現場で使いそうな器具」と「法令上の登録基準として列挙されている器具」を混同させる点にあります。噴霧器は清掃や衛生管理の周辺業務で使われる場面があるため、実務感覚ではもっともらしく見えます。しかし、試験で問われているのは実務で見かける器具の一般論ではなく、施行規則の登録基準そのものです。また、研修についても「全員が受講できる」と「全員が修了している」をあいまいに読むと混乱しやすいですが、登録業者としては従事者に必要な研修を受けさせる体制が求められているため、条文の文言と制度趣旨の両方を押さえておくことが大切です。さらに、監督者講習の有効期間も、5年や7年など似た数字と混同しやすいため、「清掃作業監督者は6年」という形で数字ごと記憶しておくと失点を防ぎやすくなります。

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