【ビル管過去問】令和6年度 問題161|建築物内廃棄物の発生量原単位の計算方法を解説

出典:建築物衛生管理技術者試験令和6年度(2024年)|清掃第161問

問題

建築物内の廃棄物発生量に関する原単位の計算値等に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。 この建築物の事務所部分の床面積の合計は、10,000m2である。 廃棄物発生量原単位は、0.04kg/(m2日)又は、0.1L/(m2日)である。 1か月の事務所建築物の稼働日は、20日である。 この事務所建築物の廃棄物の再利用率(リサイクル率)は、60%である。 この事務所建築物の廃棄物のうち、生ごみの発生量比率は、20%である。

(1) 利用を考慮しない時の1日の廃棄物発生量は、400kgである。

(2) 再利用を考慮しない時の1か月の廃棄物発生量は、8,000kgである。

(3) この事務所建築物のごみの単位容積質量値は、0.4kg/Lである。

(4) 再利用を考慮した時の1日の廃棄物発生量は、240kgである。

(5) 再利用を考慮しない時の1日の生ごみ発生量は、80kgである。

ビル管過去問|建築物内廃棄物の発生量原単位の計算方法を解説

この問題は、廃棄物発生量原単位から1日当たり、1か月当たりの発生量を計算できるか、さらに再利用率や生ごみ比率を使って数量を正しく求められるかを問う問題です。落ち着いて整理すれば難しくありません。まず、床面積に原単位を掛けて1日量を出し、次に稼働日数を掛けて1か月量を出します。そのうえで、再利用率は「再利用された割合」、生ごみ比率は「全体に占める割合」として考えるのが基本です。したがって、最も不適当なのは「再利用を考慮した時の1日の廃棄物発生量は、240kgである。」です。

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(1) 利用を考慮しない時の1日の廃棄物発生量は、400kgである。

利用を考慮しない時の1日の廃棄物発生量は、400kgである。 適切です。その理由は、廃棄物発生量原単位が0.04kg/(m2日)であり、事務所部分の床面積が10,000m2だからです。計算式は、10,000m2×0.04kg/(m2日)=400kg/日となります。原単位の問題では、まず床面積にkgベースの原単位を掛けて1日当たりの総発生量を出すのが基本です。この数量は、まだ再利用や分別を考慮していない、発生した全体量として理解すると整理しやすいです。

(2) 再利用を考慮しない時の1か月の廃棄物発生量は、8,000kgである。

再利用を考慮しない時の1か月の廃棄物発生量は、8,000kgである。 適切です。その理由は、再利用を考慮しない1日当たりの廃棄物発生量が400kgであり、1か月の稼働日が20日だからです。したがって、400kg/日×20日=8,000kg/月となります。ここで注意したいのは、月の日数ではなく「稼働日数」が与えられている点です。建築物内廃棄物の発生量は、実際の利用日数や稼働日数を前提に算定するため、30日や31日で機械的に計算しないことが大切です。

(3) この事務所建築物のごみの単位容積質量値は、0.4kg/Lである。

この事務所建築物のごみの単位容積質量値は、0.4kg/Lである。 適切です。その理由は、重量の原単位と容量の原単位の両方が示されているため、それらの比から単位容積質量値を求められるからです。計算式は、0.04kg/(m2日)÷0.1L/(m2日)=0.4kg/Lです。分母と分子のm2日が打ち消されるため、最終的にkg/Lだけが残ります。単位容積質量値は、ごみの密度のようなイメージで考えると理解しやすいです。廃棄物保管容器の容量設計や収集計画を考える際にも重要な値です。

(4) 再利用を考慮した時の1日の廃棄物発生量は、240kgである。

再利用を考慮した時の1日の廃棄物発生量は、240kgである。 不適切です。その理由は、再利用率が60%である以上、発生した廃棄物のうち60%は再利用され、残る40%が再利用を考慮した後の廃棄物量になるからです。再利用を考慮しない1日当たりの発生量は400kgですので、再利用を考慮した後の量は、400kg×(1-0.60)=160kgとなります。240kgという数字は、400kgに60%を掛けた値であり、これは「再利用された量」です。つまり、この選択肢は再利用後に残る量と、再利用された量を取り違えています。この種の問題では非常によくある誤りです。

(5) 再利用を考慮しない時の1日の生ごみ発生量は、80kgである。

再利用を考慮しない時の1日の生ごみ発生量は、80kgである。 適切です。その理由は、生ごみの発生量比率が20%であり、再利用を考慮しない1日当たりの総発生量が400kgだからです。したがって、400kg×0.20=80kgとなります。比率問題では、何に対する割合なのかを意識することが重要です。この場合は、再利用を考慮しない全発生量に対する生ごみの割合として計算しています。問題文の条件を素直に当てはめれば求められるため、基本問題として確実に得点したいところです。

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この問題で覚えるポイント

建築物内廃棄物の発生量原単位の計算では、まず床面積×原単位で1日当たり発生量を求めます。月間発生量は、その1日量に稼働日数を掛けて計算します。重量原単位がkg/(m2日)、容量原単位がL/(m2日)で示されている場合は、重量原単位÷容量原単位で単位容積質量値を求められます。 再利用率は、「発生量のうち再利用される割合」です。そのため、再利用後に残る廃棄物量を求めるときは、全体量×(1-再利用率)で計算します。逆に、全体量×再利用率で出るのは再利用された量です。ここを混同しないことが重要です。 発生量比率は、全体量に対して各廃棄物がどの程度を占めるかを示す割合です。生ごみ比率が20%なら、全体量×0.20で生ごみ量を求めます。試験では、再利用率、発生量比率、稼働日数、原単位が同時に出されることが多いため、どの値が何を意味するのかを一つずつ整理して計算することが正答への近道です。 よく出る比較としては、「再利用率」と「残存率」の違いがあります。再利用率が60%なら、残存率は40%です。数字そのものは単純でも、問われているのが再利用された量なのか、再利用後に残る量なのかで答えが変わります。ここは頻出の論点です。

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ひっかけポイント

この問題の最大のひっかけは、再利用率60%を見たときに、そのまま400kg×0.60=240kgと計算して、それを「再利用を考慮した後の量」だと思い込んでしまうことです。実際には240kgは再利用された量であり、残る量ではありません。問題作成者は、受験者が「率を掛けた数字」を無条件に答えにしてしまう癖を狙っています。 また、原単位の問題では、1日量と1か月量、重量原単位と容量原単位、再利用前と再利用後の数量が混在するため、頭の中だけで処理すると混乱しやすいです。一部だけ正しい計算をしていても、何の数量を求めているかを取り違えると誤答になります。日常感覚では「60%ならかなり減る」という印象だけで判断しがちですが、試験では必ず「全体量」「再利用量」「残存量」を分けて考える必要があります。 今後も同じパターンに対応するには、まず全体量を出す、次に割合の意味を確認する、最後に求める数量が何かを日本語で言い換える、この3段階で整理する癖をつけることが大切です。これだけで、計算問題の取り違えはかなり防げます。

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