【ビル管過去問】令和6年度 問題156|循環型社会 3R(リデュースリユースリサイクル)を解説

出典:建築物衛生管理技術者試験令和6年度(2024年)|清掃第156問

問題

循環型社会の形成に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。

(1) 生産において、積極的にマテリアルリサイクルを行う。

(2) 生産において、積極的にリユースを行う。

(3) 消費使用において、積極的にリデュースを行う。

(4) 焼却処理において、積極的にサーマルリサイクルを行う。

(5) 最終処分において、積極的に天然資源を投入する。

ビル管過去問|循環型社会 3R(リデュースリユースリサイクル)を解説

この問題は、循環型社会の基本的な考え方と、3Rのそれぞれがどの段階でどのように位置付けられるかを問う問題です。循環型社会では、できるだけ廃棄物の発生を抑え、再使用し、再資源化し、それでも残ったものだけを適正に処分するという流れが原則です。したがって、最終処分の段階で天然資源を新たに投入するという考え方は、循環型社会の理念に反するため不適当です。正しい理解のためには、リデュース、リユース、リサイクル、サーマルリサイクル、最終処分の位置づけを整理して覚えることが大切です。

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(1) 生産において、積極的にマテリアルリサイクルを行う。

適切です。マテリアルリサイクルとは、使用済み製品や廃棄物を原料として再び材料化し、新たな製品の材料として利用することです。例えば、使用済みの紙を再生紙にしたり、金属くずを溶かして再び金属製品の原料にしたりする方法がこれに当たります。循環型社会では、天然資源の新規投入を減らすことが重要ですので、生産段階で再生資源を積極的に使うことは基本的な考え方に合っています。

(2) 生産において、積極的にリユースを行う。

適切です。リユースとは、いったん使用した製品や部品を、できるだけそのままの形で繰り返し使うことです。生産の場面でも、部品の再使用、容器の繰り返し利用、機器の再整備利用などが行われます。これは、製品をすぐに廃棄せず、製造に必要な資源やエネルギーの消費を抑えることにつながります。循環型社会では、単に廃棄物を処理するのではなく、そもそも物を長く使うことが重視されるため、この記述は適切です。

(3) 消費使用において、積極的にリデュースを行う。

適切です。リデュースとは、廃棄物そのものの発生を減らすことです。例えば、過剰包装を避ける、使い捨て製品の使用を減らす、必要以上に物を買わないといった行動が該当します。3Rの中でも最も優先順位が高いのがリデュースです。なぜなら、廃棄物が発生しなければ、その後の再使用や再資源化、処分の負担も減るからです。消費使用段階でリデュースを進めることは、循環型社会の形成において非常に重要です。

(4) 焼却処理において、積極的にサーマルリサイクルを行う。

適切です。サーマルリサイクルとは、廃棄物を焼却する際に発生する熱エネルギーを回収し、発電や給湯などに利用することです。物として再利用するマテリアルリサイクルとは異なりますが、廃棄物が持つエネルギーを有効活用するという点で、資源循環の一形態として位置付けられています。もちろん、優先順位としてはリデュースやリユース、マテリアルリサイクルのほうが上ですが、焼却処理が必要な場合に熱回収を行うこと自体は循環型社会の考え方に沿っています。

(5) 最終処分において、積極的に天然資源を投入する。

不適切です。最終処分とは、再使用や再資源化ができず、焼却や中間処理を経てもなお残った廃棄物を、埋立てなどにより最終的に処分する段階です。ここで求められるのは、処分量をできるだけ少なくすることや、環境への負荷を最小限に抑えることです。天然資源の投入を積極的に行うという考え方は、資源循環の促進とは逆方向です。循環型社会では、天然資源の消費を抑え、再生資源の利用を進め、最終処分量を減らすことが基本です。そのため、この記述が最も不適当です。

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この問題で覚えるポイント

循環型社会では、資源を大量に使って大量に捨てるのではなく、できるだけ廃棄物を出さず、出たものも再使用や再資源化して、最終処分量を減らすことが原則です。試験では、この流れを正しく理解しているかがよく問われます。 まず3Rの意味を整理することが重要です。リデュースは発生抑制であり、廃棄物をそもそも出さない考え方です。リユースは再使用であり、製品や部品をそのまま繰り返し使います。リサイクルは再生利用であり、原材料や資源として再び使うことです。リサイクルの中には、材料として再利用するマテリアルリサイクルと、熱エネルギーとして回収するサーマルリサイクルがあります。 優先順位も大切です。一般に、リデュース、リユース、リサイクル、熱回収、最終処分の順に優先されます。つまり、最終処分は最後の手段です。試験では、この優先順位を逆転させた記述や、最終処分を積極的な資源活用のように見せる記述がよく出ます。 また、マテリアルリサイクルとサーマルリサイクルの違いも頻出です。前者は物質として再利用する方法であり、後者は焼却熱をエネルギーとして利用する方法です。どちらも循環利用に含まれますが、性質は異なります。さらに、リユースは形を変えずに再使用する点で、いったん原料化するリサイクルとは違います。この違いを正確に押さえておくと、選択肢の正誤判断がしやすくなります。

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ひっかけポイント

この問題のひっかけは、循環型社会に関する用語がどれももっともらしく見える点にあります。特に、マテリアルリサイクル、リユース、リデュース、サーマルリサイクルはいずれも実際に使われる概念なので、受験者は前半の流れに引っ張られて最後の選択肢まで正しいように感じやすいです。 もう一つの罠は、「積極的に」という表現です。この言葉が入ると、一見して望ましい取り組みのように見えます。しかし、何をどの段階で積極的に行うべきかは、循環型社会の原則に照らして判断しなければなりません。最終処分は本来、減らすべきものであって、そこに天然資源を投入するというのは発想自体が逆です。 さらに、リサイクル関連の言葉に慣れていると、「資源」「再利用」「処理」といった用語だけで正しそうに読んでしまうことがあります。試験では、このように一部だけ正しそうな言葉を並べて、全体としては誤っている選択肢を作ることがよくあります。今後も、用語単体ではなく、その行為が循環のどの段階にあり、資源消費の抑制に向かっているかどうかで判断する癖をつけることが大切です。

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