問題
ローラ式の粘着クリーナを用いた調査結果に関する次の文章から、イエダニの密度及びその評価について正しいものはどれか。
太郎さんは、A事業所とB事業所の畳面上に生息するダニの密度を調査するために、ローラ式の粘着クリーナを用いた。粘着クリーナの幅は10cmとする。
A事業所では、粘着クリーナを転がした距離が5cmであり、粘着紙には、5匹のイエダニが付着していた。B事業所では、同クリーナを転がした距離が10cmであり、粘着紙には、20匹のイエダニが付着していた。
(1) A事業所のイエダニの密度は、500匹/m2である。
(2) A事業所のイエダニの密度は、2,500匹/m2である。
(3) B事業所のイエダニの密度は、1,000匹/m2である。
(4) B事業所のイエダニの密度は、2,000匹/m2である。
(5) イエダニの密度は、A事業所の方が高い。
ビル管過去問|粘着トラップ調査を解説
この問題は、ローラ式の粘着クリーナで採取したダニ数から、単位面積当たりの密度を計算できるかを問う問題です。ポイントは、粘着クリーナの幅と転がした距離から調査面積を求め、その面積当たりに何匹いたかを計算することです。A事業所は10cm×5cmで50cm2、B事業所は10cm×10cmで100cm2を調査しています。これをm2に換算して密度を求めると、A事業所は1,000匹/m2、B事業所は2,000匹/m2となります。したがって、正しい選択肢は(4)です。
(1) A事業所のイエダニの密度は、500匹/m2である。
不適切です。その理由は、A事業所で調査した面積は、粘着クリーナの幅10cmと転がした距離5cmを掛けて、50cm2となるためです。これをm2に直すと、50cm2は0.005m2です。この面積の中に5匹のイエダニがいたので、密度は5匹÷0.005m2=1,000匹/m2となります。したがって、500匹/m2という値は半分に誤って計算したものであり、正しくありません。
(2) A事業所のイエダニの密度は、2,500匹/m2である。
不適切です。その理由は、A事業所の密度は1,000匹/m2であり、2,500匹/m2にはならないためです。面積を求めるときは、粘着クリーナの幅と転がした距離の両方を使う必要があります。幅10cm、距離5cmなので調査面積は50cm2です。これを無視したり、面積換算を誤ったりすると2,500匹/m2のような誤答になりやすいです。面積当たりの密度を求める問題では、まず調査面積を正確に出すことが大切です。
(3) B事業所のイエダニの密度は、1,000匹/m2である。
不適切です。その理由は、B事業所の調査面積は10cm×10cm=100cm2であり、これをm2に直すと0.01m2だからです。この面積に20匹のイエダニが付着していたので、密度は20匹÷0.01m2=2,000匹/m2となります。したがって、1,000匹/m2という値は実際の半分であり、正しい計算結果ではありません。
(4) B事業所のイエダニの密度は、2,000匹/m2である。
適切です。その理由は、B事業所では粘着クリーナの幅10cm、転がした距離10cmなので、調査面積は100cm2となるためです。100cm2は0.01m2です。この範囲で20匹のイエダニが確認されているので、密度は20匹÷0.01m2=2,000匹/m2となります。面積をm2に換算してから、採取数を割るという基本手順で正しく求めることができます。
(5) イエダニの密度は、A事業所の方が高い。
不適切です。その理由は、A事業所の密度は1,000匹/m2、B事業所の密度は2,000匹/m2であり、B事業所の方が高いためです。単純に採れた匹数だけを見ると、B事業所の20匹の方が多いことは分かりますが、この問題では面積が異なるため、必ず密度に換算して比較しなければなりません。面積当たりの匹数で比較した結果、B事業所の方が高密度です。
この問題で覚えるポイント
ダニや昆虫の密度調査では、まず調査面積を求めることが基本です。ローラ式の粘着クリーナでは、幅×転がした距離で調査面積を出します。次に、その面積をm2に換算し、採取した匹数を面積で割ることで密度を求めます。匹数の多少だけで判断せず、必ず単位面積当たりの値に直して比較することが重要です。cm2からm2への換算では、1m2=10,000cm2であることも確実に押さえておきたいポイントです。
ひっかけポイント
採れた匹数だけを見て密度を判断してしまうと、誤答しやすいです。幅だけ、または転がした距離だけで面積を考えてしまうミスにも注意が必要です。cm2をm2へ換算する際に、100で割るのではなく10,000で割る点も典型的なひっかけです。A事業所とB事業所は調査面積が違うため、単純な匹数比較ではなく、必ず密度計算をしてから高低を判断することが大切です。
