【ビル管過去問】令和7年度 問題164|建築物内廃棄物の搬出方式を解説

問題

建築物内廃棄物の貯留・搬出方式に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。

(1) コンバクタ・コンテナ方式は、容器方式より防災性に優れている。

(2) 真空収集方式は、容器方式より衛生性に優れている。

(3) 貯留・排出機方式は、真空収集方式より初期コストが少ない。

(4) コンパクタ・コンテナ方式は、小規模建築物に適している。

(5) コンバクタ・コンテナ方式は、容器方式よりランニングコストが小さい。

ビル管過去問|建築物内廃棄物の搬出方式を解説

この問題は、建築物内廃棄物の代表的な貯留・搬出方式の特徴を比較し、それぞれの適用場面やコスト、衛生性、防災性を理解しているかを問う問題です。方式ごとに「どの規模の建築物に向くか」「初期コストと維持管理費はどうか」「衛生面や防災面でどんな利点があるか」を整理して覚えておくことが大切です。正しい選択肢としては、(4)が最も不適当です。コンパクタ・コンテナ方式は、一般にある程度まとまった量の廃棄物が発生する中規模から大規模の建築物に適しており、小規模建築物向きとはいえないためです。

下に移動する

(1) コンバクタ・コンテナ方式は、容器方式より防災性に優れている。

適切です。コンバクタ・コンテナ方式は、廃棄物を機械で圧縮し、密閉性の高い状態で保管・搬出しやすい方式です。容器方式のように、ごみ袋や開放性のある容器を多数並べる方式に比べると、廃棄物の散乱が起こりにくく、可燃ごみが露出しにくいため、火気や延焼の危険を抑えやすいという利点があります。また、保管場所が整理されやすく、ごみの山ができにくいことも、防災性の向上につながります。そのため、防災性の面では容器方式より有利と考えられます。

(2) 真空収集方式は、容器方式より衛生性に優れている。

適切です。真空収集方式は、配管内を負圧にして廃棄物を収集地点まで搬送する方式です。ごみを建物内で人手により長距離搬送する必要が少なく、廃棄物が共用部や廊下などに長時間置かれにくくなります。その結果、臭気の発生や汚汁の漏れ、害虫・ねずみの発生リスクを低減しやすくなります。容器方式は単純で導入しやすい一方、ごみの仮置きや人力搬送が発生しやすいため、衛生管理では真空収集方式のほうが優れています。

(3) 貯留・排出機方式は、真空収集方式より初期コストが少ない。

適切です。真空収集方式は、専用配管、吸引設備、制御装置など大がかりな設備を必要とするため、初期投資が大きくなりやすい方式です。一方、貯留・排出機方式は、一定の機械設備は必要であるものの、真空収集方式ほど広範囲な配管網や大規模な中央設備を必要としないことが多く、一般に初期コストは真空収集方式より抑えやすいです。したがって、両者を比較した場合、貯留・排出機方式のほうが初期コストが少ないという理解は妥当です。

(4) コンパクタ・コンテナ方式は、小規模建築物に適している。

不適切です。コンパクタ・コンテナ方式は、廃棄物を圧縮して効率よく保管・搬出できる反面、機械設備や設置スペースが必要であり、導入コストも比較的大きい方式です。そのため、日常的に相当量の廃棄物が発生する建築物でこそ効果を発揮します。たとえば、商業施設、オフィスビル、病院、ホテルなどのように、ごみ発生量が多い建築物では、搬出回数の削減や保管効率の向上という利点が大きくなります。逆に、小規模建築物では設備規模に対して費用対効果が見合いにくく、容器方式などの簡便な方式のほうが適していることが多いです。したがって、「小規模建築物に適している」という記述は誤りです。

(5) コンバクタ・コンテナ方式は、容器方式よりランニングコストが小さい。

適切です。コンバクタ・コンテナ方式では、廃棄物を圧縮することで保管効率が高まり、搬出回数や収集運搬の手間を減らせる場合があります。人手による運搬作業の負担も軽減しやすく、廃棄物処理の作業効率が向上します。もちろん、機械の電力費や保守費は必要ですが、建築物の規模やごみ発生量が多い場合には、搬出回数の削減や作業の省力化によって、全体として容器方式よりランニングコストを抑えられることがあります。そのため、この記述は一般的な比較として適切です。

下に移動する

この問題で覚えるポイント

建築物内廃棄物の搬出方式は、衛生性、防災性、初期コスト、維持管理費、そして建築物の規模との適合性で整理すると理解しやすいです。容器方式は簡便で小規模建築物に向きますが、衛生性や防災性では不利になりやすいです。真空収集方式は衛生性に優れますが、初期コストが高くなりやすいです。コンパクタ・コンテナ方式は廃棄物を圧縮して効率的に保管・搬出できるため、中規模から大規模建築物で有効です。方式ごとの「向いている建築物の規模」を押さえることが得点のカギになります。

ひっかけポイント

「機械化されている方式は何でも小規模建築物に向く」と思い込むと誤りやすいです。実際には、設備が大きく高価な方式ほど、ある程度のごみ発生量がある建築物でないと効果を発揮しにくいです。また、衛生性が高い方式と初期コストが低い方式は一致しないことが多いため、衛生面と経済面を混同しないことが重要です。さらに、防災性や衛生性の優劣は、廃棄物が露出しにくいか、散乱しにくいか、人手搬送が少ないかという視点で判断すると整理しやすいです。

次の問題へ