【ビル管過去問】令和7年度 問題158|リサイクル関連法と建築物廃棄物を解説

出典:建築物衛生管理技術者試験令和7年度(2025年)|清掃第158問

問題

リサイクルを促進するための個別法と建築物内廃棄物の管理に関する次の記述のうち、法律的に最も不適当なものはどれか。

(1) 建築物内のテナントが家庭用エアコンを買い換える際に、テナントの業者が小売業者にリサイクル料金を支払って当該廃家電製品を引き取ってもらった。

(2) 建築物内のテナントが事業活動から生じたベットボトルを廃棄する際に、容器包装リサイクル法に基づいて、容器包装廃棄物として自治体の資源回収に出した。

(3) 建築物内のテナントが携帯電話を廃棄する際に、産業廃棄物として委託処理を行った。

(4) 建築物内のテナントがデジタルカメラを廃棄する際に、テナントの業者が、主務大臣の認定を受けた事業者に引き渡してリサイクルした。

(5) 建築物内のテナントがテレビを買い換えることなく廃棄する際に、そのテレビを購入した小売業者に依頼してリサイクル料金を支払い、引き取ってもらった。

 

 

 

ビル管過去問|リサイクル関連法と建築物廃棄物を解説

この問題は、建築物内のテナントから出る廃棄物について、家電リサイクル法、容器包装リサイクル法、小型家電リサイクル法、廃棄物処理法などの適用関係を問う問題です。不適切な選択肢は(2)です。ポイントは、事業活動に伴って出た廃棄物を、家庭から出る一般的な資源ごみと同じように自治体回収へ出してよいとは限らない点です。

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(1) 建築物内のテナントが家庭用エアコンを買い換える際に、テナントの業者が小売業者にリサイクル料金を支払って当該廃家電製品を引き取ってもらった。

適切です。家庭用エアコンは、家電リサイクル法の対象品目です。家電リサイクル法では、エアコン、テレビ、冷蔵庫・冷凍庫、洗濯機・衣類乾燥機が対象となります。買い換えの際には、新しい製品を販売する小売業者などが古い対象家電を引き取り、排出者はリサイクル料金などを負担します。建築物内のテナントで使用していたものであっても、対象となる家庭用エアコンであれば、家電リサイクル法に基づく引取りの流れに乗せることができます。

(2) 建築物内のテナントが事業活動から生じたベットボトルを廃棄する際に、容器包装リサイクル法に基づいて、容器包装廃棄物として自治体の資源回収に出した。

不適切です。容器包装リサイクル法で市町村が分別収集の対象とする容器包装廃棄物は、基本的に家庭から排出される一般廃棄物を対象としています。一方、建築物内のテナントが事業活動に伴って排出したペットボトルは、事業系廃棄物として扱われます。事業者は、自らの責任で適正に処理する必要があり、家庭ごみと同じ感覚で自治体の資源回収に出すことは法律的に適切とはいえません。ここでは「事業活動から生じた」という条件が重要です。

(3) 建築物内のテナントが携帯電話を廃棄する際に、産業廃棄物として委託処理を行った。

適切です。事業活動に伴って排出される携帯電話は、金属くず、廃プラスチック類などを含む廃棄物として、産業廃棄物に該当する場合があります。そのため、産業廃棄物処理業の許可を受けた業者に委託し、適正に処理することは妥当です。携帯電話は小型家電リサイクルの対象にもなり得ますが、事業者が産業廃棄物として適正な委託処理を行うこと自体は不適切ではありません。

(4) 建築物内のテナントがデジタルカメラを廃棄する際に、テナントの業者が、主務大臣の認定を受けた事業者に引き渡してリサイクルした。

適切です。デジタルカメラは、小型家電リサイクル法の対象となる小型電子機器等に含まれます。小型家電リサイクル法では、有用金属などの再資源化を促進するため、主務大臣の認定を受けた認定事業者による回収・再資源化の仕組みが設けられています。そのため、デジタルカメラを認定事業者に引き渡してリサイクルすることは、法律の趣旨に沿った適切な処理です。

(5) 建築物内のテナントがテレビを買い換えることなく廃棄する際に、そのテレビを購入した小売業者に依頼してリサイクル料金を支払い、引き取ってもらった。

適切です。テレビは家電リサイクル法の対象品目です。買い換えを伴わない廃棄であっても、そのテレビを購入した小売業者には引取り義務があります。排出者はリサイクル料金などを支払い、小売業者に引き取ってもらうことができます。したがって、買い換えではないから不適切と判断するのではなく、「購入した小売業者に依頼しているか」という点を見ることが大切です。

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この問題で覚えるポイント

リサイクル関連法では、対象となる品目と排出者の区分を正確に押さえることが重要です。家電リサイクル法の対象は、エアコン、テレビ、冷蔵庫・冷凍庫、洗濯機・衣類乾燥機です。これらは小売業者による引取りと製造業者等による再商品化の仕組みで処理され、排出者はリサイクル料金を負担します。買い換えの場合は新しく販売する小売業者、買い換えでない場合は過去に販売した小売業者が引取りに関係します。

容器包装リサイクル法は、ペットボトルやびん、缶、プラスチック製容器包装などの再商品化に関係しますが、市町村による分別収集の中心は家庭から出る容器包装廃棄物です。事業活動に伴って排出されたものは、事業者の責任で処理する必要があります。建築物内のテナントから出る廃棄物は、家庭ごみではなく事業系廃棄物として考えるのが原則です。

小型家電リサイクル法では、携帯電話、デジタルカメラ、ゲーム機、電子辞書などの小型電子機器に含まれる有用金属の再資源化が目的とされています。主務大臣の認定を受けた認定事業者に引き渡す処理は、法律に沿ったリサイクル方法です。ただし、事業活動に伴って排出される場合には、産業廃棄物として適正に委託処理する考え方も重要です。

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ひっかけポイント

この問題のひっかけは、「リサイクルできるものなら自治体の資源回収に出せる」と考えてしまう点です。ペットボトルという日常的な資源ごみのイメージに引っ張られると、事業活動から出たものまで家庭ごみと同じ扱いにしてしまいます。しかし、試験では「何を捨てるか」だけでなく、「誰が、どのような活動から排出したか」が正誤判断に直結します。

また、家電リサイクル法では、買い換えの有無に注意が向きがちですが、買い換えでない場合でも、購入した小売業者に引取りを依頼できる点が重要です。小型家電についても、家電リサイクル法の対象品目と混同しないことが大切です。大きな家電は家電リサイクル法、小型電子機器は小型家電リサイクル法、事業活動から出る廃棄物は事業者責任というように、法律ごとの役割を整理して覚えると安定して正答できます。

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