【ビル管過去問】令和7年度 問題153|床維持剤ドライメンテナンスを解説

問題

床維持剤のドライメンテナンス法に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。

(1) ウェットメンテナンス法に比べて部分補修がしやすい。

(2) 前方に進む作業が主体となり、作業上の安全性が高い。

(3) 一定期間を通しての平均的美観度は高い。

(4) ドライバフ法で用いる床磨き機は、回転数が高いとフロアポリッシュの皮膜を傷めるので、低速で使用する。

(5) スプレーバフ法は、艶出し作用を持つ液を噴霧しながら、専用パッドを装着した超高速床磨き機により床を研磨する方法である。

ビル管過去問|床維持剤ドライメンテナンスを解説

この問題は、床維持剤を用いたドライメンテナンス法の特徴と、各作業方法の機械条件を正しく理解しているかを問うものです。ドライメンテナンスは、水を多く使わずに光沢回復や部分補修を行いやすく、美観維持に優れる方法として用いられます。一方で、使用する床磨き機の回転数や作業方法の特徴を取り違えると誤答しやすい分野です。正しい選択肢を見抜くポイントは、ドライバフ法やスプレーバフ法では一般に高速または超高速の床磨き機を使う、という基本を押さえることです。したがって、最も不適当なのは(4)です。高回転だと皮膜を傷めるから低速で使う、という説明はドライバフ法の理解として誤っています。

下に移動する

(1) ウェットメンテナンス法に比べて部分補修がしやすい。

適切です。その理由は、ドライメンテナンス法は床全面を洗浄して塗り直すというよりも、汚れた部分や艶が落ちた部分を重点的に補修しながら美観を維持する考え方だからです。ウェットメンテナンス法では、はく離や洗浄、乾燥など比較的大がかりな作業が必要になりやすく、部分的な処置だけで済ませにくい場合があります。これに対し、ドライメンテナンスでは、バフィングやスプレーバフによって必要な箇所を中心に光沢を回復させやすいため、部分補修に向いています。日常的に床の見た目を整えたい場面では、この特徴が大きな利点になります。

(2) 前方に進む作業が主体となり、作業上の安全性が高い。

適切です。その理由は、ドライメンテナンスでは床面に大量の水や洗剤をまかず、比較的乾いた状態で前進しながら作業することが多いためです。ウェットメンテナンスでは、床が濡れて滑りやすくなり、作業者自身や通行者が転倒する危険が高まります。これに対してドライメンテナンスは、濡れた床面を広くつくらずに作業できるため、滑り事故のリスクを抑えやすい方法です。もちろん機械操作そのものの注意は必要ですが、作業全体としては安全性が高いといえます。

(3) 一定期間を通しての平均的美観度は高い。

適切です。その理由は、ドライメンテナンスが床表面の光沢維持をこまめに行う管理方法だからです。ウェットメンテナンスでは、洗浄や再塗布の直後は非常にきれいでも、次第に艶が落ち、次の大きな作業まで美観にばらつきが出ることがあります。一方、ドライメンテナンスは日常的または定期的にバフ作業を行って光沢を回復させるため、極端に見た目が悪化しにくく、一定期間を通じた平均的な美観を高く保ちやすいです。利用者の印象を安定させたい建物では、この性質が重要です。

(4) ドライバフ法で用いる床磨き機は、回転数が高いとフロアポリッシュの皮膜を傷めるので、低速で使用する。

不適切です。その理由は、ドライバフ法は一般に高速または超高速の床磨き機を用いて、床維持剤の皮膜表面を摩擦熱などで平滑化し、光沢を回復させる方法だからです。ドライバフ法の本質は、適切なパッドと高い回転数を活用して艶を出す点にあります。そのため、「高回転だと皮膜を傷めるので低速で使用する」という説明は、ドライバフ法の基本と逆になっています。もちろん、床材や皮膜の状態に合わない過度な作業は損傷につながることがありますが、方法そのものとしては低速使用が原則ではありません。この選択肢は、ドライバフ法の特徴を誤って述べているため、最も不適当です。

(5) スプレーバフ法は、艶出し作用を持つ液を噴霧しながら、専用パッドを装着した超高速床磨き機により床を研磨する方法である。

適切です。その理由は、スプレーバフ法が、専用のバフ剤やクリーナーを床面に噴霧しながら、パッドを装着した床磨き機で光沢回復と軽い汚れ除去を同時に行う方法だからです。特にドライメンテナンスでは、超高速床磨き機を使って効率よく艶を出す方法として広く用いられます。液をまったく使わない純粋なドライバフ法と異なり、スプレーバフ法では噴霧した液の作用も利用して仕上がりを向上させます。この説明は、スプレーバフ法の代表的な作業内容を適切に表しています。

下に移動する

この問題で覚えるポイント

ドライメンテナンスは、部分補修がしやすく、床を濡らしにくいため安全性が高い方法です。床の光沢をこまめに回復できるので、一定期間を通じた平均的美観度を高く保ちやすいことも重要です。ドライバフ法やスプレーバフ法では、高速または超高速の床磨き機を用いるのが基本です。ドライバフ法は主に摩擦による光沢回復、スプレーバフ法は液剤を噴霧しながら光沢回復と汚れ除去を行う方法として整理して覚えると得点しやすくなります。

ひっかけポイント

低速機と高速機の使い分けを逆に覚えてしまうと間違えやすいです。ドライメンテナンスは乾いた作業だから機械の回転数も低い、と連想してしまうのが典型的なひっかけです。また、ドライバフ法とスプレーバフ法の違いがあいまいだと、液剤を使うかどうか、どの程度の光沢回復を狙うかで混乱しやすくなります。ウェットメンテナンスと比べたときの、部分補修のしやすさと平均美観度の高さも頻出ポイントです。

次の問題へ