問題
作業改善を進める上で有効な改善手法のーつである問題解決の手順(QCストーリー)について、最も不適当なものは次のうちどれか。
(1) 現状の把握
(2) 目標の設定
(3) 活動計画の作成
(4) 要因の解析
(5) 仕様変更の要望
ビル管過去問|清掃作業管理を解説
この問題は、清掃作業管理における改善活動の基本であるQCストーリーの手順を問う問題です。QCストーリーは、現場で起きている問題を整理し、原因を分析し、対策を立てて再発防止につなげるための代表的な問題解決手法です。正しい選択肢ではなく、最も不適当なものを選ぶ問題であり、正解は(5)仕様変更の要望です。これはQCストーリーの標準的な手順には含まれないためです。一方で、現状把握、目標設定、活動計画の作成、要因解析は、いずれも改善活動を進める上で重要な流れに含まれます。
(1) 現状の把握
適切です。QCストーリーでは、まず現場で何が起きているのかを正しく把握することが出発点になります。たとえば、清掃品質にばらつきがある、作業時間が予定より長い、クレームが増えているといった問題があった場合、感覚だけで判断するのではなく、発生件数、発生場所、時間帯、頻度などを具体的に確認する必要があります。現状を正確に捉えなければ、その後の分析や対策も的外れになってしまうため、現状の把握は問題解決の基本です。
(2) 目標の設定
適切です。現状を把握した後は、どのような状態を目指すのかを明確にする必要があります。QCストーリーでは、改善活動の目的を曖昧にしないために、数値や期限を含めた具体的な目標設定が重要です。たとえば、苦情件数を月5件から2件以下に減らす、定期清掃の作業時間を10%短縮する、清掃品質の点検合格率を95%以上にする、といった形で設定します。目標が明確であるほど、対策の効果判定もしやすくなります。
(3) 活動計画の作成
適切です。QCストーリーでは、問題解決を思いつきで進めるのではなく、誰が、いつまでに、何を行うのかを整理して進めることが大切です。そのため、活動計画の作成は有効な手順の一つです。改善活動では、原因調査、対策立案、試行、評価、標準化など複数の段階があるため、計画が不十分だと作業が途中で止まったり、担当が曖昧になったりします。現場改善を着実に進めるために、活動計画は重要な要素です。
(4) 要因の解析
適切です。問題の表面だけを見て対策すると、根本原因が解消されず、同じ問題が繰り返されることがあります。そのためQCストーリーでは、なぜその問題が起きたのかを分析する要因解析が重要です。たとえば、清掃不良が発生した場合でも、原因は作業手順の不備、教育不足、資機材の不適合、作業時間の不足、巡回点検の不足などさまざまです。特性要因図やなぜなぜ分析などを使って真の原因を探ることが、適切な改善につながります。
(5) 仕様変更の要望
不適切です。仕様変更の要望は、場合によっては改善提案の一つになり得ますが、QCストーリーそのものの標準的な手順ではありません。QCストーリーは一般に、テーマ選定、現状把握、目標設定、要因解析、対策立案、対策実施、効果確認、標準化・管理の定着といった流れで進めます。仕様変更を要望することは、対策案の一部として出ることはあっても、問題解決手順そのものとして位置づけられているわけではありません。そのため、この選択肢が最も不適当です。
この問題で覚えるポイント
QCストーリーは、問題を見つけて終わりではなく、現状を把握し、目標を定め、原因を分析し、対策を行い、その効果を確認して再発防止までつなげる一連の流れとして理解することが大切です。現場改善では、思いつきではなく、順序立てて進めることが重要です。特に、現状把握と要因解析は土台になる部分であり、ここが曖昧だと後の対策が機能しません。また、QCストーリーの手順そのものと、対策の具体例を混同しないことも重要です。
ひっかけポイント
QCストーリーに関する問題では、改善活動の中で実際に行いそうな内容が、あたかも正式な手順であるかのように出題されることがあります。仕様変更の要望のように、現場ではあり得る行動でも、標準的な手順そのものではないものは要注意です。目標設定、現状把握、要因解析などは手順の中核ですが、個別の要望や具体的な依頼事項は手順ではなく対策の一部にすぎない場合があります。手順と具体策を分けて覚えることが得点のポイントです。
