【第二種衛生管理者過去問】2023年10月公表問題|問14|健康診断項目の基礎知識|HbA1c・γ-GTP・中性脂肪の意味|労働衛生を解説

出典:第二種衛生管理者2023年(令和5年度)10月公表問題|労働衛生第14問

問題

健康診断における検査項目に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

(1) HDLコレステロールは、善玉コレステロールとも呼ばれ、低値であることは動脈硬化の危険因子となる。

(2) γ−GTPは、正常な肝細胞に含まれている酵素で、肝細胞が障害を受けると血液中に流れ出し、特にアルコールの摂取で高値を示す特徴がある。

(3) ヘモグロビンA1cは、血液1µL中に含まれるヘモグロビンの数を表す値であり、貧血の有無を調べるために利用される。

(4) 尿素窒素(BUN)は、腎臓から排泄(せつ)される老廃物の一種で、腎臓の働きが低下すると尿中に排泄されず、血液中の値が高くなる。

(5) 血清トリグリセライド(中性脂肪)は、食後に値が上昇する脂質で、内臓脂肪が蓄積している者において、空腹時にも高値が持続することは動脈硬化の危険因子となる。

第二種衛生管理者|健康診断項目の基礎知識|HbA1c・γ-GTP・中性脂肪の意味を解説

健康診断の検査項目は、名前が似ていたり、血液検査でまとめて扱われたりするため、何を調べる検査なのかを整理して覚えることが大切です。答えは(3)です。ヘモグロビンA1cは、血液中のヘモグロビンの数を表す値ではなく、赤血球中のヘモグロビンにブドウ糖が結合した割合を示す検査項目です。過去1〜2か月程度の血糖状態を反映するため、糖尿病の診断や血糖コントロールの評価に用いられます。貧血の有無を調べる代表的な項目は、ヘモグロビン量、赤血球数、ヘマトクリット値などです。

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(1) HDLコレステロールは、善玉コレステロールとも呼ばれ、低値であることは動脈硬化の危険因子となる。

適切です。HDLコレステロールは、血管壁などにたまった余分なコレステロールを回収し、肝臓へ運ぶ働きを持つため、一般に善玉コレステロールと呼ばれます。HDLコレステロールが低いと、余分なコレステロールを回収する働きが弱くなり、動脈硬化が進みやすくなります。試験では、LDLコレステロールは悪玉、HDLコレステロールは善玉、HDLは低いことが問題になる、という対応関係を押さえておくと判断しやすくなります。

(2) γ−GTPは、正常な肝細胞に含まれている酵素で、肝細胞が障害を受けると血液中に流れ出し、特にアルコールの摂取で高値を示す特徴がある。

適切です。γ−GTPは肝臓や胆道系の状態をみる検査項目の一つです。肝細胞や胆道に障害があると血液中の値が上昇しやすく、特に飲酒習慣の影響を受けやすいことが特徴です。肝機能に関する検査では、AST、ALT、γ−GTPなどが出題されますが、γ−GTPはアルコールとの関連が問われやすい項目です。

(3) ヘモグロビンA1cは、血液1µL中に含まれるヘモグロビンの数を表す値であり、貧血の有無を調べるために利用される。

不適切です。ヘモグロビンA1cは、血液中のヘモグロビンの数を表す値ではありません。ヘモグロビンにブドウ糖が結合したものの割合を示す検査項目で、過去1〜2か月程度の平均的な血糖状態を反映します。そのため、糖尿病の診断や血糖管理の評価に用いられます。貧血の有無を調べる場合は、ヘモグロビン量、赤血球数、ヘマトクリット値などを確認します。ヘモグロビンという言葉が入っているため貧血と結び付けたくなりますが、A1cは血糖の指標です。

(4) 尿素窒素(BUN)は、腎臓から排泄(せつ)される老廃物の一種で、腎臓の働きが低下すると尿中に排泄されず、血液中の値が高くなる。

適切です。尿素窒素は、たんぱく質が体内で分解された結果生じる老廃物に関係する検査項目です。通常は腎臓から尿中へ排泄されますが、腎機能が低下すると十分に排泄できなくなり、血液中のBUNの値が高くなります。腎臓の働きをみる代表的な検査として、BUNやクレアチニンが出題されやすいです。

(5) 血清トリグリセライド(中性脂肪)は、食後に値が上昇する脂質で、内臓脂肪が蓄積している者において、空腹時にも高値が持続することは動脈硬化の危険因子となる。

適切です。血清トリグリセライドは中性脂肪のことで、食事の影響を受けて食後に上昇しやすい脂質です。内臓脂肪が蓄積している人では、空腹時でも中性脂肪が高い状態が続くことがあり、脂質異常症や動脈硬化の危険因子となります。HDLコレステロール、LDLコレステロール、中性脂肪は、いずれも動脈硬化との関係で整理して覚えると効果的です。

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この問題で覚えるポイント

健康診断の検査項目は、何の異常をみる検査なのかを対応させて覚えることが重要です。HDLコレステロールは善玉コレステロールで、低値が動脈硬化の危険因子になります。LDLコレステロールは悪玉コレステロールで、高値が動脈硬化の危険因子になります。血清トリグリセライドは中性脂肪で、空腹時にも高値が続く場合は動脈硬化と関連します。γ−GTPは肝機能や胆道系の異常をみる検査で、特に飲酒の影響で高値になりやすい項目です。尿素窒素(BUN)は腎機能、ヘモグロビンA1cは血糖状態をみる検査です。貧血の確認には、ヘモグロビン量、赤血球数、ヘマトクリット値などが関係します。

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ひっかけポイント

この問題の大きなひっかけは、ヘモグロビンA1cという名称にヘモグロビンが含まれているため、貧血の検査だと誤認しやすい点です。ヘモグロビン量は貧血に関係しますが、ヘモグロビンA1cは血糖状態に関係します。名称の一部だけを見て判断すると誤答につながります。また、HDLコレステロールは善玉なので高いほど危険と考えるのではなく、低いことが動脈硬化の危険因子になる点も注意が必要です。検査項目は、名前の印象ではなく、肝機能、腎機能、脂質、血糖、貧血のどれをみるものかで分類して覚えると、選択肢の誤りを見抜きやすくなります。

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