【第二種衛生管理者過去問】2022年4月公表問題|問24|肝臓の働きと機能|解毒・糖代謝・血液凝固因子の基礎知識|労働生理を解説

出典:第二種衛生管理者2022年(令和4年度)4月公表問題|労働生理第24問

問題

肝臓の機能として、誤っているものは次のうちどれか。

(1) 血液中の身体に有害な物質を分解する。

(2) ブドウ糖をグリコーゲンに変えて蓄える。

(3) ビリルビンを分解する。

(4) 血液凝固物質を合成する。

(5) 血液凝固阻止物質を合成する。

第二種衛生管理者|肝臓の働きと機能|解毒・糖代謝・血液凝固因子の基礎知識を解説

肝臓は、解毒、糖の貯蔵、胆汁の生成、血液凝固に関わる物質の合成など、多くの重要な働きを担う臓器です。答えは(3)です。ビリルビンは肝臓で処理され、胆汁中に排出されますが、肝臓がビリルビンそのものを「分解する」と表現するのは誤りです。肝臓ではビリルビンを抱合して水に溶けやすい形にし、胆汁として排出する働きが中心になります。

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(1) 血液中の身体に有害な物質を分解する。

適切です。肝臓には、体内に入ったアルコール、薬物、老廃物などを処理し、身体への害を少なくする解毒作用があります。血液は消化管から吸収された物質を肝臓へ運ぶため、肝臓は有害物質を分解したり、排出しやすい形に変えたりする重要な役割を担っています。衛生管理者試験では、肝臓の代表的な働きとして「解毒作用」は頻出です。

(2) ブドウ糖をグリコーゲンに変えて蓄える。

適切です。肝臓は、血液中のブドウ糖が多いときに、ブドウ糖をグリコーゲンという貯蔵しやすい形に変えて蓄えます。食後に血糖値が上がりすぎないように調整する働きです。反対に、血糖値が下がったときには、蓄えていたグリコーゲンを再びブドウ糖に分解して血液中へ送り出します。つまり、肝臓は血糖値の安定にも関わっています。

(3) ビリルビンを分解する。

不適切です。ビリルビンは、古くなった赤血球中のヘモグロビンが分解される過程で生じる色素です。肝臓はビリルビンを処理して胆汁中へ排出しますが、ビリルビンを主に「分解する」臓器という表現は正しくありません。肝臓では、ビリルビンを抱合して水に溶けやすくし、胆汁の成分として腸管へ排出します。ここで問われているのは、肝臓の働きの正確な表現です。「処理する」「胆汁中へ排出する」は正しい方向ですが、「分解する」とされている点が誤りです。

(4) 血液凝固物質を合成する。

適切です。肝臓は、血液を固めるために必要な凝固因子を合成します。血液凝固因子が不足すると、出血したときに血が止まりにくくなります。肝臓の機能が低下すると出血傾向が現れることがあるのは、この凝固因子の合成能力が低下するためです。試験では、肝臓と血液凝固因子の関係は重要です。

(5) 血液凝固阻止物質を合成する。

適切です。肝臓は、血液を固める物質だけでなく、血液が過剰に固まることを防ぐ物質も合成します。血液は、必要なときには固まり、不要なときには固まりすぎないように調節されています。肝臓はこのバランスに関わる物質の合成にも関与しているため、血液凝固阻止物質を合成するという記述は適切です。

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この問題で覚えるポイント

肝臓の代表的な働きは、解毒作用、糖代謝、胆汁の生成、血液凝固に関わる物質の合成です。糖代謝では、血糖値が高いときにブドウ糖をグリコーゲンとして蓄え、血糖値が低いときにはグリコーゲンをブドウ糖に戻して血液中へ送り出します。胆汁に関しては、肝臓が胆汁を生成し、ビリルビンを胆汁中へ排出する流れを押さえることが重要です。ビリルビンは古くなった赤血球のヘモグロビンに由来する色素であり、肝臓で処理されますが、単純に分解されると覚えるのは危険です。また、肝臓は血液凝固因子を合成するため、肝機能が低下すると出血しやすくなることがあります。さらに、血液凝固を調節する物質にも関わるため、肝臓は血液の固まりやすさのバランスにも関係します。

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ひっかけポイント

この問題のひっかけは、「ビリルビンを分解する」という一見それらしい表現です。ビリルビンは赤血球の分解に関連して出てくる物質なので、「ビリルビンも肝臓で分解される」と考えてしまいやすいです。しかし正確には、肝臓はビリルビンを抱合して胆汁中へ排出する働きを担います。つまり、日常的な感覚で「処理する」を「分解する」と読み替えてしまうことが誤答の原因になります。肝臓の問題では、解毒、グリコーゲン貯蔵、胆汁生成、血液凝固因子の合成は正しい知識として押さえつつ、ビリルビンについては「分解」ではなく「処理して胆汁中へ排出」と整理しておくと、同じパターンの問題にも対応しやすくなります。

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