出典:第二種衛生管理者2022年(令和4年度)4月公表問題|労働生理第25問
問題
次のうち、正常値に男女による差がないとされているものはどれか。
(1) 赤血球数
(2) ヘモグロビン濃度
(3) ヘマトクリット値
(4) 白血球数
(5) 基礎代謝量
第二種衛生管理者|血液検査の正常値|赤血球・白血球・ヘモグロビンの男女差を解説を解説
血液検査や生理機能の正常値には、男女差があるものと、男女差がほとんどないものがあります。答えは白血球数です。赤血球数、ヘモグロビン濃度、ヘマトクリット値は、一般に男性の方が女性より高い傾向があります。基礎代謝量も、筋肉量などの違いにより男女差があります。白血球数は感染防御に関係する血球であり、正常値について男女による大きな差はないとされます。

(1) 赤血球数
不適切です。赤血球数は、血液中に含まれる赤血球の数を示す検査値です。赤血球は酸素を全身に運ぶ働きを持ち、男性の方が女性より多い傾向があります。これは、男性では男性ホルモンの影響などにより赤血球の産生が促されやすいこと、女性では月経による鉄の喪失などが関係するためです。そのため、赤血球数は正常値に男女差がある項目です。
(2) ヘモグロビン濃度
不適切です。ヘモグロビンは赤血球の中に含まれる赤い色素で、酸素と結び付いて全身へ酸素を運びます。ヘモグロビン濃度は赤血球量と関係が深く、一般に男性の方が女性より高い正常値を示します。貧血の判定でも、男性と女性では基準となる値が異なります。したがって、ヘモグロビン濃度は男女差がないものではありません。
(3) ヘマトクリット値
不適切です。ヘマトクリット値とは、血液全体に占める赤血球の容積の割合を示す値です。赤血球数やヘモグロビン濃度と同じく、酸素運搬能力に関係します。一般に男性では約45%、女性では約40%とされ、男性の方が高い傾向があります。そのため、ヘマトクリット値も正常値に男女差がある項目です。
(4) 白血球数
適切です。白血球は、細菌やウイルスなどの異物から身体を守る免疫に関係する血球です。白血球数は感染症、炎症、ストレス、薬剤などによって増減しますが、正常値そのものについては男女による明確な差はないとされています。この問題では、赤血球系の検査値と白血球数を区別できるかが重要です。正常値に男女差がないものとして、白血球数を選びます。
(5) 基礎代謝量
不適切です。基礎代謝量とは、安静にしていても生命維持のために消費されるエネルギー量のことです。呼吸、心拍、体温維持、内臓の働きなどに必要なエネルギーが含まれます。基礎代謝量は筋肉量、体格、年齢、性別などの影響を受け、一般に男性の方が女性より高い傾向があります。そのため、男女差がないものとはいえません。
この問題で覚えるポイント
血液検査の正常値では、赤血球数、ヘモグロビン濃度、ヘマトクリット値は赤血球に関係する項目であり、一般に男性の方が女性より高い傾向があります。赤血球は酸素を運ぶ細胞で、ヘモグロビンは赤血球内で酸素と結び付く色素、ヘマトクリット値は血液中に占める赤血球の容積割合です。これらはまとめて赤血球系の検査値として整理すると覚えやすいです。白血球数は免疫や感染防御に関係する血球の数で、正常値に男女差はないとされます。基礎代謝量は血液検査項目ではありませんが、筋肉量や体格の影響を受けるため、一般に男女差があります。試験では、赤血球系は男女差あり、白血球数は男女差なし、基礎代謝量は男女差あり、と整理しておくと正誤判断がしやすくなります。
ひっかけポイント
この問題のひっかけは、血液に関する項目が並んでいる中に、男女差のある赤血球系の検査値と、男女差がない白血球数が混在している点です。赤血球数、ヘモグロビン濃度、ヘマトクリット値はすべて酸素運搬に関係するため、まとめて男女差があると判断できます。白血球数も血液検査の項目なので、赤血球系と同じように男女差があると考えてしまうと誤答につながります。また、基礎代謝量は血液検査ではありませんが、身体の生理機能として出題されることがあり、筋肉量や体格の影響を受けるため男女差があります。似た検査名を個別に暗記するよりも、赤血球系は男女差あり、白血球は免疫担当で男女差なし、という機能の違いで整理すると、同じテーマの問題にも対応しやすくなります。
