【第一種衛生管理者過去問】2024年4月公表問題|問40|感覚器の種類と平衡感覚・深部感覚の仕組み|労働生理を解説

出典:第一種衛生管理者2024年(令和6年度)4月公表問題|労働生理第40問

問題

感覚又は感覚器に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

(1) 眼軸が短過ぎるために、平行光線が網膜の後方で像を結ぶものを遠視という。

(2) 嗅覚と味覚は化学感覚ともいわれ、物質の化学的性質を認知する感覚である。

(3) 温度感覚は、皮膚のほか口腔(くう)などの粘膜にも存在し、一般に冷覚の方が温覚よりも鋭敏である。

(4) 深部感覚は、筋肉や腱にある受容器から得られる身体各部の位置、運動などを認識する感覚である。

(5) 平衡感覚に関係する器官である前庭及び半規管は、中耳にあって、体の傾きや回転の方向を知覚する。

第1種衛生管理者|感覚器の種類と平衡感覚・深部感覚の仕組みを解説

感覚器の基本分類と、それぞれの器官がどこにあり、何を感じ取るかを確認する内容です。答えは(5)です。前庭及び半規管は平衡感覚に関係する器官ですが、存在する場所は中耳ではなく内耳です。前庭は体の傾きや直線加速度を、半規管は回転運動を感じ取るため、働きの説明はおおむね正しいものの、部位の記述が誤りです。

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(1) 眼軸が短過ぎるために、平行光線が網膜の後方で像を結ぶものを遠視という。

適切です。遠視は、眼に入った平行光線が網膜より後方で焦点を結ぶ状態です。眼軸が短過ぎる場合や、角膜・水晶体の屈折力が弱い場合に起こります。網膜上で像がはっきり結ばれにくいため、近くを見るときに特にピント合わせの負担が大きくなります。近視は網膜の前方で像を結ぶ状態なので、遠視との違いを押さえることが大切です。

(2) 嗅覚と味覚は化学感覚ともいわれ、物質の化学的性質を認知する感覚である。

適切です。嗅覚は空気中のにおい物質を、味覚は水に溶けた味物質を受容して感じる感覚です。どちらも化学物質の性質を受容器が感知するため、化学感覚と呼ばれます。視覚や聴覚のように光や音の刺激を感じる感覚とは異なり、物質そのものの化学的刺激を認識する点が特徴です。

(3) 温度感覚は、皮膚のほか口腔(くう)などの粘膜にも存在し、一般に冷覚の方が温覚よりも鋭敏である。

適切です。温度感覚には、冷たさを感じる冷覚と、温かさを感じる温覚があります。これらは皮膚だけでなく、口腔などの粘膜にも存在します。一般に冷覚の方が温覚よりも鋭敏で、冷たい刺激の方が細かく感じ取りやすいとされています。試験では、冷覚と温覚の感度差が出題されることがあります。

(4) 深部感覚は、筋肉や腱にある受容器から得られる身体各部の位置、運動などを認識する感覚である。

適切です。深部感覚は、筋肉、腱、関節などにある受容器によって、身体の位置、動き、力の入り具合などを感じ取る感覚です。目を閉じていても手足の位置がある程度わかるのは、この深部感覚が働いているためです。皮膚表面で感じる触覚や痛覚とは異なり、身体の内部の状態を認識する感覚として整理します。

(5) 平衡感覚に関係する器官である前庭及び半規管は、中耳にあって、体の傾きや回転の方向を知覚する。

不適切です。前庭及び半規管は平衡感覚に関係する器官ですが、存在する場所は中耳ではなく内耳です。中耳には鼓膜の奥にある耳小骨などがあり、主に音の伝達に関係します。内耳には蝸牛、前庭、半規管があり、蝸牛は聴覚、前庭と半規管は平衡感覚に関係します。したがって、この記述は「中耳にあって」という部分が誤りです。

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この問題で覚えるポイント

感覚器では、どの感覚がどの器官で受け取られるかを整理しておくことが正誤判断に直結します。遠視は網膜の後方で像を結び、近視は網膜の前方で像を結びます。嗅覚と味覚は物質の化学的性質を感じるため化学感覚と呼ばれます。温度感覚は皮膚や粘膜にあり、一般に冷覚の方が温覚より鋭敏です。深部感覚は筋肉や腱などから身体の位置や運動を認識する感覚です。平衡感覚では、前庭と半規管が内耳にあることを必ず覚えておきます。

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ひっかけポイント

この問題の大きなひっかけは、前庭及び半規管の働きは正しく書かれているのに、場所だけが中耳と誤っている点です。文章の大部分が正しいと、受験者はそのまま正しい選択肢だと判断しやすくなります。感覚器の問題では、機能だけでなく、器官の位置も確認する必要があります。耳は外耳、中耳、内耳に分かれますが、聴覚に関係する蝸牛と、平衡感覚に関係する前庭・半規管はいずれも内耳にあります。この位置関係を図のように整理しておくと、同じタイプのひっかけに対応しやすくなります。

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