【第一種衛生管理者過去問】2024年4月公表問題|問39|腎臓の構造と尿生成の仕組み・健康診断の尿検査|労働生理を解説

出典:第一種衛生管理者2024年(令和6年度)4月公表問題|労働生理第39問

問題

腎臓又は尿に関する次のAからDの記述について、誤っているものの組合せは( 1 )~( 5 )のうちどれか。A  腎臓の皮質にある腎小体では、糸球体から血液中の糖以外の血漿(しょう)成分がボウマン嚢(のう)に濾(こ)し出され、原尿が生成される。B  腎臓の尿細管では、原尿に含まれる大部分の水分及び身体に必要な成分が血液中に再吸収され、残りが尿として生成される。C  尿は淡黄色の液体で、固有の臭気を有し、通常、弱酸性である。D  尿酸は、体内のプリン体と呼ばれる物質の代謝物で、健康診断において尿中の尿酸の量の検査が広く行われている。

(1) A,B

(2) A,C

(3) A,D

(4) B,C

(5) C,D

第1種衛生管理者|腎臓の構造と尿生成の仕組み・健康診断の尿検査を解説

この問題は、腎小体での原尿生成、尿細管での再吸収、尿の性状、健康診断で行われる尿検査の内容を問う問題です。答えは(3)です。Aは原尿に糖も含まれる点を誤っており、Dは尿酸を尿中検査で広く調べるとしている点が誤りです。

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(1) A,B

不適切です。Aは誤りですが、Bは正しい記述です。腎小体では、血液中の血球や大きなたんぱく質を除いた血漿成分がボウマン嚢に濾し出され、原尿ができます。この原尿には、糖であるグルコースも含まれます。そのため、「糖以外の血漿成分」としているAは誤りです。Bについては、尿細管で原尿中の大部分の水分、グルコース、アミノ酸、電解質など身体に必要な成分が再吸収され、不要な成分を含む残りが尿となるため正しいです。誤っているものの組合せとしては、Bを含むため正解ではありません。

(2) A,C

不適切です。Aは誤りですが、Cは正しい記述です。Aの誤りは、原尿に糖が含まれないように書かれている点です。実際には、グルコースは腎小体でいったん濾し出され、その後、尿細管でほとんど再吸収されます。Cについては、尿は通常、淡黄色で特有の臭気があり、反応は弱酸性です。尿の色は尿色素などにより淡黄色となり、食事や水分摂取量によって濃さは変わりますが、基本事項としては正しい内容です。

(3) A,D

適切です。AとDはいずれも誤っています。Aは、腎小体で濾過される原尿に糖も含まれる点を見落とした記述です。血液中のグルコースは小さな分子なので、血球や大きなたんぱく質とは異なり、糸球体からボウマン嚢へ濾し出されます。その後、尿細管で再吸収されるため、通常の尿にはほとんど出ません。Dは、尿酸がプリン体の代謝物である点は正しいものの、健康診断で広く行われるのは尿糖、尿蛋白、尿潜血などの尿検査です。尿酸は一般に血液検査で血清尿酸値として調べられるため、Dは後半が誤りです。

(4) B,C

不適切です。BとCはいずれも正しい記述です。Bは、原尿から必要な成分が尿細管で再吸収されるという尿生成の中心的な仕組みを述べています。腎小体でつくられる原尿の量は多いですが、そのまま尿として排出されるわけではありません。尿細管で水分や栄養成分が再吸収されることで、体内の水分量や電解質のバランスが保たれます。Cも、尿の一般的性状として正しい内容です。したがって、誤っているものの組合せではありません。

(5) C,D

不適切です。Dは誤りですが、Cは正しい記述です。Cの尿の性状については、淡黄色、固有の臭気、通常は弱酸性という基本事項を押さえておけば判断できます。Dは、尿酸がプリン体の代謝物である点だけを見ると正しく感じますが、健康診断で広く行われている検査対象を「尿中の尿酸の量」としている点が誤りです。尿酸は痛風などと関連し、通常は血液中の尿酸値として確認されます。

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この問題で覚えるポイント

腎臓の基本単位はネフロンで、腎小体と尿細管から成ります。腎小体は糸球体とボウマン嚢で構成され、血液中の小さな成分が濾過されて原尿ができます。血球や大きなたんぱく質は通常濾過されませんが、水分、無機塩類、尿素、グルコースなどは原尿に含まれます。グルコースは原尿に一度出た後、尿細管でほとんど再吸収されるため、通常の尿にはほとんど含まれません。尿細管では水分、グルコース、アミノ酸、ナトリウムなど身体に必要な成分が再吸収され、不要な成分が尿として排出されます。尿は通常、淡黄色で固有の臭気があり、弱酸性です。健康診断の尿検査でよく問われるのは尿糖、尿蛋白、尿潜血などであり、尿酸は一般に血液検査で血清尿酸値として確認されます。尿酸はプリン体の代謝産物で、痛風や高尿酸血症と関係する物質です。

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ひっかけポイント

この問題の大きなひっかけは、「原尿に糖が含まれるか」と「尿酸をどの検査で調べるか」です。グルコースは尿に出ないという日常的な理解から、原尿にも糖が含まれないと考えてしまうと誤ります。正しくは、グルコースはいったん原尿に濾し出され、その後に尿細管で再吸収されます。また、尿酸という名前に「尿」という字が入っているため、尿中の尿酸を健康診断で広く調べると考えやすいですが、一般的には血液検査で血清尿酸値を確認します。一部だけ正しい文章に注意することが重要で、Dは「尿酸はプリン体の代謝物」という前半は正しいものの、「尿中の尿酸の量の検査が広く行われている」という後半が誤りです。こうした問題では、前半の正しさに引っ張られず、文全体を最後まで確認することが得点につながります。

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