【第一種衛生管理者過去問】2024年4月公表問題|問16|化学物質のガス・蒸気分類と常温常圧での状態|労働衛生(有害業務)を解説

出典:第一種衛生管理者2024年(令和6年度)4月公表問題|労働衛生(有害業務に係るもの)第16問

問題

化学物質とその常温・常圧(25℃、1気圧)での空気中における状態との組合せとして、誤っているものは次のうちどれか。 ただし、ガスとは、常温・常圧で気体のものをいい、蒸気とは、常温・常圧で液体又は固体の物質が蒸気圧に応じて揮発又は昇華して気体となっているものをいうものとする。

(1) アセトン ————- ガス

(2) 塩素 ————— ガス

(3) テトラクロロエチレン ——- 蒸気

(4) ナフタレン ———— 蒸気

(5) フェノール ———— 蒸気

第1種衛生管理者|化学物質のガス・蒸気分類と常温常圧での状態を解説

常温・常圧でその物質自体が気体であるものをガス、常温・常圧では液体又は固体であるものが揮発又は昇華して空気中に存在しているものを蒸気といいます。答えは(1)です。アセトンは常温・常圧では液体であり、空気中に存在する場合はガスではなく蒸気として扱います。化学物質の健康障害を考えるときは、名前だけで判断せず、その物質が常温で気体なのか、液体や固体から発生した蒸気なのかを区別することが大切です。

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(1) アセトン ————- ガス

不適切です。アセトンは常温・常圧では液体です。揮発性が高いため、空気中に気体状で存在しやすい物質ですが、これは液体のアセトンが蒸発して空気中に存在している状態です。そのため、分類としてはガスではなく蒸気です。試験では、空気中に気体状で存在しているからすべてガスと考えると誤りになります。ガスか蒸気かは、常温・常圧での本来の状態によって判断します。

(2) 塩素 ————— ガス

適切です。塩素は常温・常圧で気体として存在する物質です。そのため、空気中に存在している場合はガスに分類されます。塩素は刺激性の強い有害ガスであり、吸入すると気道や肺に障害を起こすおそれがあります。衛生管理者試験では、塩素、アンモニア、一酸化炭素、硫化水素などは常温で気体の代表例として押さえておくと判断しやすくなります。

(3) テトラクロロエチレン ——- 蒸気

適切です。テトラクロロエチレンは常温・常圧では液体です。ドライクリーニングなどに用いられる有機溶剤として知られ、液体から揮発して空気中に存在するため、ガスではなく蒸気に分類されます。有機溶剤は液体であっても揮発性をもつものが多く、作業環境中では蒸気として吸入ばく露の原因になります。ここでは、液体が気化している状態である点を確認することが重要です。

(4) ナフタレン ———— 蒸気

適切です。ナフタレンは常温・常圧では固体です。防虫剤などのイメージがある物質で、固体であっても昇華により気体状になって空気中に存在することがあります。このように、固体が昇華して気体状になっている場合も、分類上は蒸気として扱います。蒸気という言葉は液体からの蒸発だけでなく、固体からの昇華によるものも含む点がポイントです。

(5) フェノール ———— 蒸気

適切です。フェノールは常温・常圧では主に固体として扱われる物質であり、空気中に存在する場合は蒸気に分類されます。フェノールは皮膚や粘膜への刺激性があり、体内に吸収されると健康障害を起こすおそれがあります。ここでも、常温で気体そのものとして存在する物質ではないため、ガスではなく蒸気と判断します。

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この問題で覚えるポイント

ガスとは、常温・常圧でその物質自体が気体であるものをいいます。蒸気とは、常温・常圧で液体又は固体の物質が、蒸気圧に応じて揮発又は昇華して気体状になっているものをいいます。正誤判断では、空気中に気体状で存在しているかどうかではなく、常温・常圧での本来の状態が気体か、液体又は固体かを基準にします。塩素のように常温で気体のものはガスです。アセトンやテトラクロロエチレンのような液体の有機溶剤が揮発したものは蒸気です。ナフタレンやフェノールのような固体から発生するものも、昇華又は揮発により空気中に存在していれば蒸気として扱います。有機溶剤は液体であることが多く、作業環境中では蒸気として吸入ばく露の原因になるため、ガスと混同しないことが重要です。

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ひっかけポイント

この問題のひっかけは、空気中に気体状で存在しているものをすべてガスと考えてしまう点です。日常的には、目に見えない気体状のものをまとめてガスと呼びがちですが、労働衛生では常温・常圧での物質の状態によってガスと蒸気を区別します。特にアセトンは揮発性が高く、においも感じやすいため、気体のような印象を持ちやすい物質です。しかし、常温では液体なので、空気中にあるものは蒸気です。このように、見た目やにおいの感覚ではなく、常温・常圧で気体かどうかを基準に判断することが、同じテーマの問題で繰り返し使える考え方です。

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