【第一種衛生管理者過去問】2024年4月公表問題|問33|ノロウイルス食中毒の潜伏期間・症状・予防対策|労働衛生(有害業務以外)を解説

出典:第一種衛生管理者2024年(令和6年度)4月公表問題|労働衛生(有害業務に係るもの以外のもの)第33問

問題

ノロウイルスによる食中毒に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

(1) 食品に付着したウイルスが食品中で増殖し、ウイルスが産生した毒素により発症する。

(2) ウイルスの感染性は、長時間煮沸しても失われない。

(3) 潜伏期間は、1~2日である。

(4) 発生時期は、夏季が多い。

(5) 症状は、筋肉の麻痺(ひ)などの神経症状が特徴である。

第1種衛生管理者|ノロウイルス食中毒の潜伏期間・症状・予防対策を解説

ノロウイルス食中毒では、ウイルスが食品中で増殖するのではなく、人の腸管内で増殖して発症します。主な症状は吐き気、嘔吐、下痢、腹痛、発熱などで、潜伏期間は一般に1~2日です。答えは(3)です。ノロウイルスは冬季に多く、少量でも感染しやすいため、手洗い、十分な加熱、汚物処理時の感染対策が重要です。

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(1) 食品に付着したウイルスが食品中で増殖し、ウイルスが産生した毒素により発症する。

不適切です。その理由は、ノロウイルスは食品中で増殖する細菌ではなく、人の腸管内で増殖するウイルスだからです。食中毒には、食品中で細菌が増殖して毒素を作り、その毒素によって発症するタイプがありますが、ノロウイルスはこのタイプではありません。ノロウイルスは、感染した人の便や嘔吐物、汚染された手指、食品、器具などを介して体内に入り、腸管で増殖して症状を起こします。特に少量のウイルスでも感染が成立しやすい点が特徴です。

(2) ウイルスの感染性は、長時間煮沸しても失われない。

不適切です。その理由は、ノロウイルスは熱に比較的強いものの、十分な加熱によって感染性を失わせることができるからです。一般的な食中毒予防では、中心部まで十分に加熱することが重要とされます。特に二枚貝など、ノロウイルス汚染の可能性がある食品では、中心温度を高く保って加熱することが予防に有効です。「長時間煮沸しても失われない」とすると、加熱が無意味であるかのような表現になり、誤りです。

(3) 潜伏期間は、1~2日である。

適切です。その理由は、ノロウイルスによる食中毒の潜伏期間は、一般に1~2日程度とされているからです。感染後すぐに症状が出るわけではなく、体内でウイルスが増殖した後に、吐き気、嘔吐、下痢、腹痛、発熱などが現れます。衛生管理者試験では、ノロウイルスの潜伏期間は「1~2日」、主な症状は「嘔吐、下痢、腹痛」、流行時期は「冬季」と整理して覚えると判断しやすくなります。

(4) 発生時期は、夏季が多い。

不適切です。その理由は、ノロウイルスによる食中毒は冬季に多く発生するからです。食中毒という言葉から夏を連想しやすいですが、ノロウイルスは冬場に流行しやすい代表的な病原体です。夏季に多い食中毒としては、細菌性食中毒をイメージすると整理しやすくなります。ノロウイルスは冬、細菌性食中毒は夏に多いという対比は、試験でもよく問われます。

(5) 症状は、筋肉の麻痺(ひ)などの神経症状が特徴である。

不適切です。その理由は、ノロウイルスの主な症状は消化器症状であり、筋肉の麻痺などの神経症状が特徴ではないからです。ノロウイルスでは、吐き気、嘔吐、下痢、腹痛、発熱などが中心になります。筋肉の麻痺などの神経症状が特徴となる食中毒としては、ボツリヌス菌による食中毒などが代表的です。ノロウイルスとボツリヌス菌を混同しないことが重要です。

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この問題で覚えるポイント

ノロウイルスは食品中で増殖するのではなく、人の腸管内で増殖するウイルスです。毒素型の細菌性食中毒のように、食品中で作られた毒素によって発症するわけではありません。潜伏期間は一般に1~2日で、主な症状は吐き気、嘔吐、下痢、腹痛、発熱などの消化器症状です。発生時期は冬季に多く、夏季に多い細菌性食中毒と対比して覚えると整理しやすいです。予防では、手洗い、食品の十分な加熱、調理器具の衛生管理、便や嘔吐物の適切な処理が重要です。特にノロウイルスは少量でも感染しやすいため、感染者の手指や汚染された器具を介した二次汚染を防ぐことが大切です。

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ひっかけポイント

食中毒という言葉から「食品中で増殖する」「夏に多い」と考えてしまうと誤答しやすくなります。ノロウイルスは細菌ではなくウイルスであり、食品中では増殖せず、人の腸管内で増殖します。また、夏季に多いというイメージは細菌性食中毒に引っ張られたものです。さらに、筋肉の麻痺などの神経症状はノロウイルスではなく、ボツリヌス菌などを連想すべき特徴です。試験では、病原体ごとに「増殖場所」「潜伏期間」「発生時期」「主症状」をセットで問われるため、ノロウイルスは「冬、1~2日、嘔吐・下痢、腸管内で増殖」とまとめて押さえると正誤判断が安定します。

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