【第一種衛生管理者過去問】2023年10月公表問題|問41|筋肉の種類と筋収縮・反射の仕組み|労働生理を解説

出典:第一種衛生管理者2023年(令和5年度)10月公表問題|労働生理第41問

問題

筋肉に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

(1) 横紋筋は、骨に付着して身体の運動の原動力となる筋肉で意志によって動かすことができるが、平滑筋は、心筋などの内臓に存在する筋肉で意志によって動かすことができない。

(2) 筋肉は神経からの刺激によって収縮するが、神経より疲労しにくい。

(3) 荷物を持ち上げたり、屈伸運動を行うときは、筋肉が長さを変えずに外力に抵抗して筋力を発生させる等尺性収縮が生じている。

(4) 強い力を必要とする運動を続けていると、筋肉を構成する個々の筋線維の太さは変わらないが、その数が増えることによって筋肉が太くなり筋力が増強する。

(5) 刺激に対して意識とは無関係に起こる定型的な反応を反射といい、四肢の皮膚に熱いものが触れたときなどに、その肢を体幹に近づけるような反射は屈曲反射と呼ばれる。

第1種衛生管理者|筋肉の種類と筋収縮・反射の仕組みを解説

筋肉の種類、筋収縮、筋肥大、反射の基本を整理する問題です。答えは(5)です。屈曲反射は、熱いものに触れたときなどに四肢を曲げて体幹に近づける反射であり、刺激に対して意識とは無関係に起こる定型的な反応です。骨格筋、心筋、平滑筋の分類や、等尺性収縮と等張性収縮の違いもあわせて押さえておくことが大切です。

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(1) 横紋筋は、骨に付着して身体の運動の原動力となる筋肉で意志によって動かすことができるが、平滑筋は、心筋などの内臓に存在する筋肉で意志によって動かすことができない。

不適切です。横紋筋には骨格筋と心筋があります。骨格筋は骨に付着して身体を動かす筋肉で、意志によって動かすことができる随意筋です。平滑筋は胃、腸、血管などの内臓に存在し、意志によって動かすことができない不随意筋です。ただし、心筋は平滑筋ではなく横紋筋に分類されます。心筋は横紋を持っていますが、意志では動かせない不随意筋です。この選択肢は「心筋などの内臓に存在する筋肉」を平滑筋としている点が誤りです。

(2) 筋肉は神経からの刺激によって収縮するが、神経より疲労しにくい。

不適切です。筋肉は神経からの刺激を受けて収縮しますが、疲労しやすいのは神経よりも筋肉です。筋肉は収縮を続けるとエネルギー源が消費され、老廃物も蓄積しやすくなります。そのため、長時間の運動や強い負荷が続くと筋力が低下し、疲労を感じます。神経は刺激を伝える働きが中心で、筋肉に比べると疲労しにくい組織です。

(3) 荷物を持ち上げたり、屈伸運動を行うときは、筋肉が長さを変えずに外力に抵抗して筋力を発生させる等尺性収縮が生じている。

不適切です。荷物を持ち上げたり、屈伸運動を行ったりするときは、筋肉の長さが変化しながら力を発生させる等張性収縮が中心になります。等尺性収縮とは、筋肉の長さをほとんど変えずに力を出す収縮です。例えば、壁を押し続ける、重い荷物を一定の位置で保持する、姿勢を保つといった場合が該当します。この選択肢は、筋肉の長さが変化する運動を等尺性収縮としている点が誤りです。

(4) 強い力を必要とする運動を続けていると、筋肉を構成する個々の筋線維の太さは変わらないが、その数が増えることによって筋肉が太くなり筋力が増強する。

不適切です。筋力トレーニングなどで筋肉が太くなる主な理由は、筋線維の数が増えることではなく、個々の筋線維が太くなることです。これを筋肥大といいます。筋線維は基本的に数が大きく増えるのではなく、一本一本が太くなり、収縮に関わるたん白質が増えることで筋力が増します。「筋線維の数が増える」とする表現は、試験でよく誤りとして出されるポイントです。

(5) 刺激に対して意識とは無関係に起こる定型的な反応を反射といい、四肢の皮膚に熱いものが触れたときなどに、その肢を体幹に近づけるような反射は屈曲反射と呼ばれる。

適切です。反射とは、刺激に対して意識的な判断を待たずに起こる定型的な反応です。熱いものに触れたとき、手や足をすばやく引っ込める反応は、身体を危険から守るための重要な仕組みです。このように四肢を曲げて体幹に近づける反射を屈曲反射といいます。脳で考えてから動くのではなく、主に脊髄を介してすばやく反応するため、やけどなどの障害を避けることにつながります。

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この問題で覚えるポイント

筋肉には、骨格筋、心筋、平滑筋があります。骨格筋は横紋筋で随意筋、心筋は横紋筋ですが不随意筋、平滑筋は内臓や血管などにある不随意筋です。筋肉は神経からの刺激で収縮しますが、疲労しやすいのは神経より筋肉です。筋収縮では、筋肉の長さが変わらず力を出すものを等尺性収縮、筋肉の長さが変わりながら力を出すものを等張性収縮と整理します。筋力トレーニングで筋肉が太くなる主な理由は、筋線維の数が増えるためではなく、個々の筋線維が太くなる筋肥大によるものです。反射は、意識とは無関係に起こる定型的な反応で、熱いものに触れて手足を引っ込める反応は屈曲反射です。

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ひっかけポイント

このテーマでは、横紋筋、平滑筋、随意筋、不随意筋の分類を混同させる出題がよくあります。特に心筋は横紋筋でありながら意志では動かせないため、「横紋筋=すべて随意筋」と覚えると誤答につながります。また、筋肉の疲労では「神経から刺激を受ける」という正しい前半に引っ張られて、後半の「神経より疲労しにくい」を見落としやすいです。等尺性収縮は「長さが変わらない」、等張性収縮は「長さが変わる」と判断するのが基本です。さらに、筋肉が太くなる理由を「筋線維の数が増える」と考えたくなりますが、試験では「筋線維が太くなる」と押さえる必要があります。反射は意識的な運動ではなく、危険から身体を守るためのすばやい自動反応として理解すると判断しやすくなります。

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