【第一種衛生管理者過去問】2023年10月公表問題|問5|特定粉じん発生源の種類と粉じん障害防止規則の対象作業|関係法令(有害業務)を解説

出典:第一種衛生管理者2023年(令和5年度)10月公表問題|関係法令(有害業務に係るもの)第5問

問題

次のAからEの粉じん発生源について、法令上、特定粉じん発生源に該当するものの組合せはどれか。

A 屋内において、耐火物を用いた炉を解体する箇所

B 屋内の、ガラスを製造する工程において、原料を溶解炉に投げ入れる箇所

C 屋内において、研磨材を用いて手持式動力工具により金属を研磨する箇所

D 屋内において、粉状の炭素製品を袋詰めする箇所

E 屋内において、固定の溶射機により金属を溶射する箇所

(1) A,B

(2) A,E

(3) B,C

(4) C,D

(5) D,E

第1種衛生管理者|特定粉じん発生源の種類と粉じん障害防止規則の対象作業を解説

特定粉じん発生源に該当する作業を選ぶ問題です。答えは(5)D,Eです。粉状の炭素製品を袋詰めする箇所と、固定の溶射機により金属を溶射する箇所は、粉じんが多量に発生しやすく、粉じん障害防止規則上の特定粉じん発生源に該当します。特定粉じん発生源は、単に粉じんが出る作業すべてではなく、法令で定められた特定の発生源に限られる点が重要です。

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(1) A,B

不適切です。Aの「屋内において、耐火物を用いた炉を解体する箇所」は、粉じんが発生し得る作業ではありますが、この表現のままでは特定粉じん発生源には該当しません。Bの「ガラスを製造する工程において、原料を溶解炉に投げ入れる箇所」も、原料投入により粉じんが発生しそうに見えますが、法令上の特定粉じん発生源として覚えるべき典型作業ではありません。特定粉じん発生源は、粉じんが出そうかどうかという感覚ではなく、粉じん障害防止規則で列挙されている作業に当てはまるかで判断します。

(2) A,E

不適切です。Eの「屋内において、固定の溶射機により金属を溶射する箇所」は適切です。溶射は、金属などを高温で溶かして吹き付ける作業であり、微細な粉じんが発生しやすいため、固定の溶射機による金属の溶射は特定粉じん発生源に該当します。しかし、Aの「耐火物を用いた炉を解体する箇所」は、この問題の組合せでは特定粉じん発生源として扱われません。片方だけが正しいため、この組合せは不適切です。

(3) B,C

不適切です。Bの「ガラス製造工程で原料を溶解炉に投げ入れる箇所」は、粉じんが発生しそうに見えるものの、特定粉じん発生源には該当しません。Cの「屋内において、研磨材を用いて手持式動力工具により金属を研磨する箇所」も不適切です。ポイントは「手持式動力工具」です。金属の研磨作業自体は粉じんの発生を連想しやすいですが、特定粉じん発生源として問われる場合は、固定式の設備や特定の発生源に該当するかが重要になります。手持式工具による研磨まで一律に特定粉じん発生源と判断しないように注意が必要です。

(4) C,D

不適切です。Dの「屋内において、粉状の炭素製品を袋詰めする箇所」は適切です。粉状の炭素製品は袋詰めの際に粉じんが舞い上がりやすく、作業者が吸入するおそれがあるため、特定粉じん発生源に該当します。一方、Cの「研磨材を用いて手持式動力工具により金属を研磨する箇所」は特定粉じん発生源には該当しません。Dは正しいですが、Cが誤りであるため、この組合せは不適切です。

(5) D,E

適切です。Dの「屋内において、粉状の炭素製品を袋詰めする箇所」は、粉状物を取り扱うことで粉じんが発生しやすい作業であり、特定粉じん発生源に該当します。Eの「屋内において、固定の溶射機により金属を溶射する箇所」も、金属の微細な粉じんが発生しやすい作業であり、特定粉じん発生源に該当します。この問題では、粉状の炭素製品の袋詰めと、固定の溶射機による金属溶射を確実に選べるかが正答の決め手になります。

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この問題で覚えるポイント

特定粉じん発生源は、粉じんが発生しそうな作業を感覚で選ぶのではなく、粉じん障害防止規則で定められた発生源に該当するかで判断します。試験では、屋内作業であること、粉状物を扱うこと、固定式設備を用いることが重要な判断材料になります。粉状の炭素製品を袋詰めする箇所は、粉じんが空気中に飛散しやすいため特定粉じん発生源に該当します。固定の溶射機により金属を溶射する箇所も、微細な金属粉じんが発生しやすいため特定粉じん発生源に該当します。一方で、手持式動力工具による金属研磨は、粉じんが出る作業ではあっても、この問題で問われる特定粉じん発生源には該当しません。粉じん対策の問題では、「粉じんが出る作業」と「法令上の特定粉じん発生源」を分けて覚えることが大切です。

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ひっかけポイント

この問題のひっかけは、粉じんが出そうな作業をすべて特定粉じん発生源だと判断してしまう点にあります。炉の解体、ガラス原料の投入、金属研磨はいずれも日常感覚では粉じんが発生しそうに見えるため、選びたくなります。しかし、試験では「粉じんが出そうか」ではなく「法令で特定粉じん発生源として定められているか」を確認する必要があります。特に、手持式動力工具による研磨は、金属研磨という言葉に引っ張られやすい典型的なひっかけです。固定の溶射機による金属溶射と、手持式工具による金属研磨を混同しないことが重要です。粉じん障害防止規則の問題では、作業名だけでなく、「屋内」「固定」「粉状」「袋詰め」などの条件まで丁寧に読むことで正誤判断が安定します。

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