出典:第一種衛生管理者2023年(令和5年度)10月公表問題|関係法令(有害業務に係るもの)第3問
問題
次の免許のうち、労働安全衛生法令に定められていないものはどれか。
(1) 潜水士免許
(2) 高圧室内作業主任者免許
(3) エックス線作業主任者免許
(4) 石綿作業主任者免許
(5) ガンマ線透過写真撮影作業主任者免許
第1種衛生管理者|労働安全衛生法の免許制度一覧と作業主任者免許の種類を解説
この問題では、労働安全衛生法令に定められている「免許」と、技能講習で選任される作業主任者を区別できるかが問われています。答えは(4)石綿作業主任者免許です。石綿作業主任者は労働安全衛生法令上必要な作業主任者ですが、資格の取得方法は「免許」ではなく「石綿作業主任者技能講習」です。名称に「作業主任者」と付いていても、すべてが免許とは限らない点が重要です。
(1) 潜水士免許
適切です。潜水士免許は、労働安全衛生法令に定められている免許です。潜水作業は、高気圧環境や減圧症などの危険を伴うため、一定の知識と技能を確認する免許制度が設けられています。試験では、潜水士は「作業主任者免許」ではなく、業務に就くための免許として押さえておくと整理しやすいです。
(2) 高圧室内作業主任者免許
適切です。高圧室内作業主任者免許は、労働安全衛生法令に定められている免許です。高圧室内作業は、圧気工法などで高い気圧の環境下に入って行う作業であり、人体への影響が大きい危険作業です。そのため、作業方法や減圧に関する知識を持つ者を作業主任者として配置する必要があります。
(3) エックス線作業主任者免許
適切です。エックス線作業主任者免許は、労働安全衛生法令に定められている免許です。エックス線は電離放射線の一種であり、被ばくによる健康障害を防止するため、管理区域、線量管理、防護措置などの知識が必要です。放射線関係の作業主任者免許として、ガンマ線透過写真撮影作業主任者免許とあわせて覚えるとよいです。
(4) 石綿作業主任者免許
不適切です。石綿作業主任者は法令上必要な作業主任者ですが、「石綿作業主任者免許」という免許は定められていません。石綿作業主任者になるためには、石綿作業主任者技能講習を修了する必要があります。石綿は肺がん、中皮腫、石綿肺などの重大な健康障害を引き起こすおそれがあるため厳しく管理されますが、資格区分としては「免許」ではなく「技能講習」である点が正誤判断の決め手です。
(5) ガンマ線透過写真撮影作業主任者免許
適切です。ガンマ線透過写真撮影作業主任者免許は、労働安全衛生法令に定められている免許です。ガンマ線を用いた非破壊検査では、強い電離放射線を扱うため、被ばく防止措置や作業管理が重要になります。名称は長いですが、放射線関係の作業主任者免許として頻出です。
この問題で覚えるポイント
労働安全衛生法令の資格制度では、「免許」「技能講習」「特別教育」を区別することが正誤判断に直結します。免許は国家資格として試験などにより一定の能力を確認する制度で、潜水士免許、高圧室内作業主任者免許、エックス線作業主任者免許、ガンマ線透過写真撮影作業主任者免許などがあります。技能講習は、特定の危険有害作業について作業主任者などに必要な知識を学ぶ制度で、石綿作業主任者は免許ではなく技能講習修了により選任されます。「作業主任者」と付く資格の中には、免許で取得するものと、技能講習で取得するものがあるため、名称だけで判断しないことが大切です。放射線関係では、エックス線作業主任者免許とガンマ線透過写真撮影作業主任者免許が免許として問われやすく、石綿作業主任者との違いが狙われます。
ひっかけポイント
この問題の罠は、「石綿作業主任者」という言葉自体は実在するため、つい「石綿作業主任者免許」もありそうだと考えてしまう点です。試験では、実在する職務名や資格名に「免許」という言葉を付けて、制度上の区分をずらす出題がよくあります。特に「作業主任者」と聞くと、すべて免許制だと思い込みやすいですが、実際には免許で選任される作業主任者と、技能講習修了者から選任される作業主任者があります。名称の雰囲気ではなく、「その資格は免許なのか、技能講習なのか」を確認する意識が必要です。石綿は健康障害のリスクが非常に高いので重要資格に見えますが、重要だから免許とは限りません。この思考のズレが、今後の作業主任者関連問題でも繰り返し狙われます。
