【第一種衛生管理者過去問】2023年4月公表問題|問37|脳の構造と機能・前頭葉・小脳・視床下部の役割|労働生理を解説

出典:第一種衛生管理者2023年(令和5年度)4月公表問題|労働生理第37問

問題

下の図は、脳などの正中縦断面であるが、図中に示すAからEの部位に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
【第一種衛生管理者過去問】2023年4月公表問題|問37|脳の構造と機能・前頭葉・小脳・視床下部の役割|労働生理を解説 問題 図

(1) Aは、大脳皮質の前頭葉で、運動機能中枢、運動性言語中枢及び精神機能中枢がある。

(2) Bは、小脳で、体の平衡を保つ中枢がある。

(3) Cは、大脳皮質の後頭葉で、視覚中枢がある。

(4) Dは、延髄で、呼吸運動、循環器官・消化器官の働きなど、生命維持に重要な機能の中枢がある。

(5) Eは、間脳の視床下部で、自律神経系の中枢がある。

 

 

 

第1種衛生管理者|脳の構造と機能・前頭葉・小脳・視床下部の役割を解説

脳の各部位とその働きを対応させて判断する問題です。答えは(2)です。Bは図の位置から小脳ではなく、脳幹に含まれる橋に当たる部位と考えられるため、「小脳で、体の平衡を保つ中枢がある」とする記述は誤りです。小脳そのものには体の平衡や姿勢、運動の調整に関わる働きがありますが、この問題では図中の部位名との対応がずれている点を見抜く必要があります。

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(1) Aは、大脳皮質の前頭葉で、運動機能中枢、運動性言語中枢及び精神機能中枢がある。

適切です。前頭葉は大脳の前方に位置し、随意運動をつかさどる運動野、言葉を発する働きに関わる運動性言語中枢、思考、判断、意欲、感情の調整などに関わる精神機能の中枢を含みます。衛生管理者試験では、前頭葉は「運動」「発語」「精神機能」と結び付けて覚えると判断しやすくなります。特に、言語中枢には運動性言語中枢と感覚性言語中枢があり、前頭葉に関係するのは言葉を話す働きに関係する運動性言語中枢です。

(2) Bは、小脳で、体の平衡を保つ中枢がある。

不適切です。小脳には体の平衡を保ち、姿勢や運動を円滑に調整する働きがあるため、機能の説明だけを見ると正しい内容です。しかし、Bは小脳ではありません。図では大脳の内側に位置する脳梁(のうりょう)を示しており、小脳を指していません。そのため「Bは小脳で、体の平衡を保つ中枢がある」という記述は誤りです。つまり、「体の平衡を保つ中枢がある」という小脳の説明に引っ張られると誤答しやすいですが、図の位置と部位名の対応が誤っているため、この選択肢が誤りです。

(3) Cは、大脳皮質の後頭葉で、視覚中枢がある。

適切です。後頭葉は大脳の後方に位置し、視覚情報を処理する視覚中枢があります。目から入った情報は神経を通って脳に伝えられ、最終的に後頭葉で視覚として認識されます。試験では、後頭葉は視覚、側頭葉は聴覚、頭頂葉は体性感覚、前頭葉は運動や精神機能という対応がよく問われます。後頭葉と視覚中枢の組合せは基本知識として押さえておくとよいです。

(4) Dは、延髄で、呼吸運動、循環器官・消化器官の働きなど、生命維持に重要な機能の中枢がある。

適切です。延髄は脳幹の下部にあり、呼吸、心拍、血圧、嚥下、嘔吐、消化管運動など、生命維持に不可欠な働きの中枢を含みます。延髄が障害されると、呼吸や循環の維持に重大な影響が出るため、生命維持に重要な部位として扱われます。衛生管理者試験では、延髄は「呼吸」「循環」「消化」「生命維持」という言葉と結び付けて覚えると正誤判断がしやすくなります。

(5) Eは、間脳の視床下部で、自律神経系の中枢がある。

適切です。視床下部は間脳に含まれ、自律神経系の中枢として体温、摂食、飲水、睡眠、内分泌などの調節に関わります。自律神経は、心拍、血圧、消化、発汗など、自分の意思で直接コントロールしにくい体内機能を調整する神経系です。視床下部はこれらを統合的に調節する重要な部位であり、ホルモン分泌に関わる下垂体とも密接に関係します。

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この問題で覚えるポイント

脳の部位と機能は、名称と働きをセットで覚えることが重要です。前頭葉は運動機能中枢、運動性言語中枢、精神機能中枢に関係します。後頭葉は視覚中枢、側頭葉は聴覚中枢、頭頂葉は体性感覚の中枢と整理すると、大脳皮質の問題に対応しやすくなります。小脳は体の平衡、姿勢保持、運動の調整に関わります。延髄は呼吸、循環、消化など生命維持に重要な機能の中枢です。視床下部は間脳に含まれ、自律神経系や内分泌、体温調節、摂食行動などの調節に関わります。図を用いた問題では、機能の説明が正しくても、図中の部位名との対応が誤っていれば不適切な記述になります。単に文章だけを読むのではなく、図の位置関係と部位名を照合することが正答につながります。

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ひっかけポイント

この問題のひっかけは、「小脳には体の平衡を保つ中枢がある」という説明自体は正しい点です。受験者は機能の説明だけを読んで正しいと判断しがちですが、実際には図中のBが小脳を示しているかどうかを確認しなければなりません。つまり、「説明文の内容は正しいが、指している部位が違う」というタイプのひっかけです。脳の図では、小脳、橋、延髄、視床下部などが近い位置に示されるため、名称と場所の混同が起こりやすくなります。今後も図表問題では、知識として正しい文章かどうかだけでなく、「その説明が図中の部位に本当に対応しているか」を確認する習慣が大切です。

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