出典:第一種衛生管理者2023年(令和5年度)4月公表問題|労働生理第38問
問題
摂取した食物中の炭水化物(糖質)、脂質及び蛋白質を分解する消化酵素の組合せとして、正しいものは次のうちどれか。
(1) 炭水化物(糖質):マルターゼ 脂質:リパーゼ 蛋白質:トリプシン
(2) 炭水化物(糖質):トリプシン 脂質:アミラーゼ 蛋白質:ペプシン
(3) 炭水化物(糖質):ペプシン 脂質:マルターゼ 蛋白質:トリプシン
(4) 炭水化物(糖質):ペプシン 脂質:リパーゼ 蛋白質:マルターゼ
(5) 炭水化物(糖質):アミラーゼ 脂質:トリプシン 蛋白質:リパーゼ
第1種衛生管理者|消化酵素の種類と炭水化物・脂質・蛋白質の消化を解説
食物中の三大栄養素である炭水化物、脂質、蛋白質を分解する代表的な消化酵素の組合せを確認する問題です。正解は(1)です。炭水化物はアミラーゼやマルターゼ、脂質はリパーゼ、蛋白質はペプシンやトリプシンなどによって分解されます。消化酵素は名前が似ているものも多いため、「何を分解する酵素か」を栄養素ごとに整理して覚えることが大切です。

(1) 炭水化物(糖質):マルターゼ 脂質:リパーゼ 蛋白質:トリプシン
適切です。マルターゼは麦芽糖をブドウ糖に分解する酵素で、炭水化物の消化に関係します。リパーゼは脂質を脂肪酸とグリセリンなどに分解する酵素です。トリプシンは膵液に含まれる蛋白質分解酵素で、蛋白質をより小さなペプチドなどに分解します。三大栄養素と消化酵素の対応が正しい組合せです。
(2) 炭水化物(糖質):トリプシン 脂質:アミラーゼ 蛋白質:ペプシン
不適切です。ペプシンが蛋白質を分解する点は正しいですが、トリプシンは炭水化物ではなく蛋白質を分解する酵素です。また、アミラーゼは脂質ではなくでんぷんなどの炭水化物を分解する酵素です。一部だけ正しい内容が含まれているため、全体の組合せとしては誤りです。
(3) 炭水化物(糖質):ペプシン 脂質:マルターゼ 蛋白質:トリプシン
不適切です。トリプシンが蛋白質を分解する点は正しいですが、ペプシンも蛋白質を分解する酵素であり、炭水化物を分解する酵素ではありません。マルターゼは脂質ではなく、炭水化物の一種である麦芽糖を分解します。消化酵素の名前を入れ替えた典型的な誤りです。
(4) 炭水化物(糖質):ペプシン 脂質:リパーゼ 蛋白質:マルターゼ
不適切です。リパーゼが脂質を分解する点は正しいですが、ペプシンは炭水化物ではなく蛋白質を分解する酵素です。また、マルターゼは蛋白質ではなく炭水化物を分解します。リパーゼだけが正しいため、組合せ全体としては誤りです。
(5) 炭水化物(糖質):アミラーゼ 脂質:トリプシン 蛋白質:リパーゼ
不適切です。アミラーゼが炭水化物を分解する点は正しいですが、トリプシンは脂質ではなく蛋白質を分解する酵素です。リパーゼは蛋白質ではなく脂質を分解します。アミラーゼ、トリプシン、リパーゼはいずれも重要な消化酵素ですが、対応する栄養素を取り違えています。
この問題で覚えるポイント
炭水化物を分解する代表的な消化酵素は、でんぷんを分解するアミラーゼと、麦芽糖をブドウ糖に分解するマルターゼです。脂質を分解する代表的な消化酵素はリパーゼです。蛋白質を分解する代表的な消化酵素は、胃液に含まれるペプシンと、膵液に含まれるトリプシンです。試験では、酵素名そのものよりも「どの栄養素を分解するか」が問われます。アミラーゼとマルターゼは糖質、リパーゼは脂質、ペプシンとトリプシンは蛋白質という対応をまず押さえると、同じテーマの問題に対応しやすくなります。
ひっかけポイント
この問題のひっかけは、消化酵素名をばらばらに入れ替えて、知っている単語に引っ張られて選ばせる点にあります。特に、ペプシンとトリプシンはどちらも蛋白質分解酵素であり、アミラーゼとマルターゼはどちらも炭水化物の消化に関係します。名前を単独で覚えているだけだと、選択肢の一部が正しい場合に迷いやすくなります。正誤判断では、「この酵素は何を分解するか」を一つずつ確認し、三つすべての対応が正しいものだけを選ぶことが重要です。
