出典:第一種衛生管理者2022年(令和4年度)10月公表問題|労働生理第42問
問題
血液に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
(1) 血液は、血漿(しょう)成分と有形成分から成り、血漿成分は血液容積の約55%を占める。
(2) 血漿(しょう)中の蛋(たん)白質のうち、アルブミンは血液の浸透圧の維持に関与している。
(3) 白血球のうち、好中球には、体内に侵入してきた細菌や異物を貪食する働きがある。
(4) 血小板のうち、リンパ球には、Bリンパ球、Tリンパ球などがあり、これらは免疫反応に関与している。
(5) 血液の凝固は、血漿(しょう)中のフィブリノーゲンがフィブリンに変化し、赤血球などが絡みついて固まる現象である。
第1種衛生管理者|血液の成分と白血球・血液凝固の仕組みを解説
血液の成分、血漿蛋白、白血球の種類、血液凝固の基本を整理する問題です。答えは(4)です。リンパ球は血小板ではなく白血球の一種であり、Bリンパ球やTリンパ球は免疫反応に関与します。血小板は血液凝固や止血に関係する有形成分なので、「血小板のうち、リンパ球には」という部分が誤りです。
(1) 血液は、血漿(しょう)成分と有形成分から成り、血漿成分は血液容積の約55%を占める。
適切です。血液は、液体成分である血漿と、細胞成分である有形成分に分けられます。血漿は血液全体の約55%を占め、残りの約45%が赤血球、白血球、血小板などの有形成分です。血漿には水分、蛋白質、電解質、栄養素、老廃物、ホルモンなどが含まれ、体内で物質を運搬する役割があります。試験では「血漿が約55%、有形成分が約45%」という割合がよく問われます。
(2) 血漿(しょう)中の蛋(たん)白質のうち、アルブミンは血液の浸透圧の維持に関与している。
適切です。アルブミンは血漿蛋白の一つで、血液中の水分を血管内に保つ働きに関係しています。血液の浸透圧、とくに膠質浸透圧の維持に重要で、アルブミンが少なくなると血管内の水分が外へ出やすくなり、むくみが起こりやすくなります。アルブミンは物質の運搬にも関わりますが、衛生管理者試験では「アルブミン=浸透圧の維持」と結び付けて覚えると判断しやすいです。
(3) 白血球のうち、好中球には、体内に侵入してきた細菌や異物を貪食する働きがある。
適切です。好中球は白血球の一種で、細菌や異物を取り込んで処理する貪食作用を持っています。体内に細菌が侵入したときに初期防御で重要な役割を果たします。白血球には好中球、リンパ球、単球、好酸球、好塩基球などがありますが、好中球は特に細菌に対する貪食作用と関連づけて覚えるとよいです。
(4) 血小板のうち、リンパ球には、Bリンパ球、Tリンパ球などがあり、これらは免疫反応に関与している。
不適切です。リンパ球は血小板の一種ではなく、白血球の一種です。Bリンパ球は抗体産生に関係し、Tリンパ球は細胞性免疫などに関係します。この選択肢は「Bリンパ球、Tリンパ球が免疫反応に関与する」という部分だけを見ると正しい内容ですが、「血小板のうち、リンパ球には」という分類が誤っています。血小板は止血や血液凝固に関与する成分であり、免疫反応を担うリンパ球とは分類も働きも異なります。
(5) 血液の凝固は、血漿(しょう)中のフィブリノーゲンがフィブリンに変化し、赤血球などが絡みついて固まる現象である。
適切です。血液凝固では、血漿中に溶けているフィブリノーゲンが、凝固反応によって不溶性のフィブリンに変化します。フィブリンは網目状になり、そこに赤血球や血小板などが絡みついて血餅を形成します。これにより出血部位がふさがれ、止血が進みます。試験では「フィブリノーゲンは血漿中にある」「フィブリンに変化して血液凝固に関与する」という流れを押さえておくことが大切です。
この問題で覚えるポイント
血液は血漿成分と有形成分に分けられ、血漿成分は約55%、有形成分は約45%です。有形成分には赤血球、白血球、血小板が含まれます。赤血球は酸素の運搬、白血球は生体防御や免疫、血小板は止血や血液凝固に関与します。血漿蛋白のうち、アルブミンは血液の浸透圧の維持に重要で、グロブリンは免疫、フィブリノーゲンは血液凝固と関連します。白血球の中では、好中球は細菌や異物の貪食作用、リンパ球は免疫反応に関係します。リンパ球にはBリンパ球やTリンパ球があり、Bリンパ球は抗体産生、Tリンパ球は細胞性免疫などに関与します。血液凝固では、血漿中のフィブリノーゲンがフィブリンに変化し、赤血球や血小板などを絡め取って血餅をつくります。血小板そのものがリンパ球を含むわけではないため、血球の分類と働きをセットで覚えることが正誤判断に直結します。
ひっかけポイント
この問題のひっかけは、「一部だけ正しい文章」にあります。Bリンパ球やTリンパ球が免疫反応に関与するという説明は正しいため、そこだけ読んで正しいと判断しやすいです。しかし、文の前半でリンパ球を血小板の一部として扱っている点が誤りです。衛生管理者試験では、このように後半の説明が正しくても、分類や主語が入れ替わっている選択肢がよく出ます。血液の問題では、赤血球、白血球、血小板、血漿蛋白の役割を混同しないことが重要です。特に「白血球の一種であるリンパ球」と「止血に関係する血小板」は、どちらも有形成分に含まれるため混同しやすいですが、働きはまったく異なります。文全体を見て、用語の所属関係が正しいかまで確認する癖をつけると、同じタイプのひっかけに対応しやすくなります。
