【第一種衛生管理者過去問】2021年4月公表問題|問27|労働基準法の育児時間制度と女性労働者保護|関係法令(有害業務以外)を解説

出典:第一種衛生管理者2021年(令和3年度)4月公表問題|関係法令(有害業務に係るもの以外のもの)第27問

問題

労働基準法に定める育児時間に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

(1) 生後満1年を超え、満2年に達しない生児を育てる女性労働者は、育児時間を請求することができる。

(2) 育児時間は、必ずしも有給としなくてもよい。

(3) 育児時間は、1日2回、1回当たり少なくとも30分の時間を請求することができる。

(4) 育児時間を請求しない女性労働者に対しては、育児時間を与えなくてもよい。

(5) 育児時間は、育児時間を請求できる女性労働者が請求する時間に与えなければならない。

 

 

 

衛生管理者過去問|労働基準法の育児時間制度と女性労働者保護を解説

労働基準法の育児時間は、生後満1年に達しない生児を育てる女性が請求できる制度です。答えは(1)です。育児時間の対象は「生後満1年に達しない生児」であり、「満1年を超え、満2年に達しない生児」ではありません。育児時間は1日2回、それぞれ少なくとも30分請求できますが、賃金を支払うかどうかは労働基準法上の義務ではなく、就業規則や労働契約によって決まります。

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(1) 生後満1年を超え、満2年に達しない生児を育てる女性労働者は、育児時間を請求することができる。

不適切です。労働基準法に定める育児時間を請求できるのは、生後満1年に達しない生児を育てる女性です。満1年を超えた子については、労働基準法上の育児時間の対象ではありません。ここでは「満1年を超え、満2年に達しない」と対象年齢を広げているため誤りです。育児に関する制度には育児休業など別の制度もあるため混同しやすいですが、労働基準法の育児時間は「1歳未満」と覚えることが大切です。

(2) 育児時間は、必ずしも有給としなくてもよい。

適切です。労働基準法は、女性労働者が育児時間を請求できることを定めていますが、その時間を有給にしなければならないとは定めていません。賃金を支払うかどうかは、就業規則、労働協約、労働契約などによって決まります。つまり、育児時間を与える義務と、その時間に賃金を支払う義務は別に考える必要があります。

(3) 育児時間は、1日2回、1回当たり少なくとも30分の時間を請求することができる。

適切です。労働基準法では、生後満1年に達しない生児を育てる女性は、休憩時間のほかに、1日2回、それぞれ少なくとも30分の育児時間を請求できるとされています。ここで重要なのは、通常の休憩時間とは別に請求できるという点です。試験では「1日1回」や「1回15分」など、回数や時間を変えた選択肢が出されやすいため、1日2回、各30分以上という数字を正確に押さえてください。

(4) 育児時間を請求しない女性労働者に対しては、育児時間を与えなくてもよい。

適切です。育児時間は、対象となる女性労働者が請求した場合に与える制度です。使用者が当然に一律で与えなければならないものではありません。労働者から請求があった場合には、使用者はその請求を拒むことはできませんが、請求がない場合まで必ず育児時間を設定する義務があるわけではありません。

(5) 育児時間は、育児時間を請求できる女性労働者が請求する時間に与えなければならない。

適切です。育児時間は、対象となる女性労働者が請求する時間に与える必要があります。使用者が業務の都合だけで別の時間に変更したり、請求を拒否したりすることはできません。育児時間は、子を育てる女性労働者の保護を目的とした制度であるため、労働者の請求に基づいて実効性のある時間として与えることが求められます。

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この問題で覚えるポイント

労働基準法の育児時間は、生後満1年に達しない生児を育てる女性が請求できる制度です。請求できる時間は、休憩時間とは別に、1日2回、それぞれ少なくとも30分です。対象者は女性労働者であり、子の年齢は1歳未満です。育児時間は請求があった場合に与えるものであり、請求がない場合まで当然に与える必要はありません。賃金については、労働基準法上、有給とする義務はありません。つまり、試験では「対象年齢は1歳未満」「1日2回」「各30分以上」「請求制」「有給義務なし」の5点を押さえると正誤判断がしやすくなります。

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ひっかけポイント

育児に関する制度は、育児休業や子の看護等休暇など周辺制度と混同しやすい分野です。特に「満1年を超え、満2年に達しない」という表現は、子育て支援制度として自然に見えるため正しそうに感じますが、労働基準法の育児時間は1歳未満の子が対象です。また、「育児のための時間だから有給にしなければならない」と考えやすい点も注意が必要です。労働基準法が保障しているのは育児時間を請求できる権利であり、有給扱いまでは義務付けていません。日常感覚ではなく、対象年齢、回数、時間、有給義務の有無を条文ベースで確認することが正解につながります。

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