出典:第一種衛生管理者2021年(令和3年度)4月公表問題|労働衛生(有害業務に係るもの以外のもの)第29問
問題
労働者の健康保持増進のために行う健康測定における運動機能検査の項目とその測定種目との組合せとして、誤っているものは次のうちどれか。
(1) 筋力 ――――― 握力
(2) 柔軟性 ―――― 上体起こし
(3) 平衡性 ―――― 閉眼(又は開眼)片足立ち
(4) 敏しょう性 ―― 全身反応時間
(5) 全身持久性 ―― 最大酸素摂取量
衛生管理者過去問|健康測定の運動機能検査項目と測定方法一覧を解説
健康測定における運動機能検査では、体力を構成する要素ごとに適切な測定種目が対応しています。答えは(2)です。柔軟性を測定する代表的な種目は座位体前屈などであり、上体起こしは筋持久力をみる種目です。運動機能検査では、筋力、筋持久力、柔軟性、平衡性、敏しょう性、全身持久性などを区別して覚えることが重要です。
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(1) 筋力 ――――― 握力
適切です。握力は、手で物を握る力を測定する検査であり、筋力を評価する代表的な測定種目です。筋力とは、筋肉が一時的に発揮できる力の大きさをいいます。健康測定では、身体活動能力や日常生活動作の基礎となる体力を把握するため、握力が用いられます。握力は測定が簡便で、全身の筋力の目安としても扱われるため、筋力の測定種目として適切です。
(2) 柔軟性 ―――― 上体起こし
不適切です。上体起こしは、主に腹筋などを繰り返し使う能力をみる検査であり、筋持久力の測定種目です。柔軟性とは、関節の可動域や筋肉・腱の伸びやすさを示す能力であり、代表的な測定種目は座位体前屈などです。上体起こしは体を前に曲げる動作に見えるため柔軟性と混同しやすいですが、実際には一定時間内に何回起き上がれるかなどを測り、筋肉を持続的に使う力を評価します。そのため、柔軟性と上体起こしの組合せは誤りです。
(3) 平衡性 ―――― 閉眼(又は開眼)片足立ち
適切です。平衡性とは、体の姿勢やバランスを保つ能力をいいます。閉眼又は開眼で片足立ちを行い、姿勢をどれだけ維持できるかを測定することで、バランス能力を評価できます。特に閉眼片足立ちは視覚情報を使えないため、より身体の平衡機能が問われます。したがって、平衡性と閉眼又は開眼片足立ちの組合せは適切です。
(4) 敏しょう性 ―― 全身反応時間
適切です。敏しょう性とは、刺激に対して素早く反応し、体をすばやく動かす能力をいいます。全身反応時間は、光や音などの刺激を受けてから身体が反応するまでの時間を測定するもので、反応の速さを評価する検査です。敏しょう性は、転倒予防や危険回避の能力にも関係するため、労働者の健康保持増進における運動機能評価として重要です。
(5) 全身持久性 ―― 最大酸素摂取量
適切です。全身持久性とは、長時間にわたって全身を使う運動を続ける能力をいいます。最大酸素摂取量は、運動中に体内へ取り込むことができる酸素量の最大値であり、心肺機能や有酸素運動能力を評価する重要な指標です。全身持久性が高い人ほど、運動中に酸素を効率よく取り込み、長く活動を続けやすくなります。そのため、全身持久性と最大酸素摂取量の組合せは適切です。
この問題で覚えるポイント
健康測定の運動機能検査では、筋力は握力、筋持久力は上体起こし、柔軟性は座位体前屈、平衡性は閉眼又は開眼片足立ち、敏しょう性は全身反応時間、全身持久性は最大酸素摂取量という対応を押さえることが正誤判断に直結します。特に、上体起こしは体を曲げる動作を含みますが、柔軟性ではなく筋持久力を評価する検査です。柔軟性は関節の可動域や筋肉の伸びやすさをみる能力であり、座位体前屈のようにどれだけ体を前に倒せるかを測定する種目です。項目名と測定種目を一対一で整理しておくと、同じ形式の問題にも対応しやすくなります。
ひっかけポイント
この問題のひっかけは、上体起こしを「体を曲げる動作」と見て柔軟性の検査だと誤解させる点にあります。試験では、動作の見た目ではなく、何を測定している検査なのかで判断する必要があります。上体起こしは体幹を繰り返し起こす回数などから、腹筋を中心とした筋肉を持続的に使う能力をみるため、筋持久力に分類されます。柔軟性は座位体前屈のように、筋肉や関節がどれだけ無理なく伸びるかをみる検査です。運動機能検査では、似た動作や日常的なイメージに引っ張られると誤答しやすいため、検査名と評価する能力をセットで覚えることが大切です。
