問題
次の危険物のうち、水に溶けにくく、かつ燃焼範囲が最も広いものはどれか。
(1) 二硫化炭素
(2) ガソリン
(3) トルエン
(4) 灯油
(5) 軽油
危険物取扱者乙種4類|二硫化炭素の燃焼範囲を解説
正解は(1)二硫化炭素です。燃焼範囲とは、可燃性蒸気と空気が混合したときに燃焼できる濃度の範囲をいいます。二硫化炭素は水に溶けにくく、燃焼範囲がおよそ1.3〜50vol%と非常に広いため、空気と混ざったときに燃焼・爆発しやすい危険物です。ガソリンも危険性は高いですが、燃焼範囲の広さでは二硫化炭素が最も大きくなります。

(1) 二硫化炭素
適切です。二硫化炭素は水に溶けにくい第4類危険物で、特殊引火物に分類されます。特徴として、引火点が非常に低く、発火点も低く、さらに燃焼範囲が非常に広いことが重要です。燃焼範囲はおよそ1.3〜50vol%で、空気中に少量の蒸気が混ざっても、多量に混ざっても燃焼しやすい範囲に入りやすい物質です。燃焼範囲が広いということは、点火源があった場合に火災や爆発につながる濃度条件が広いという意味です。乙4では、二硫化炭素は「水に溶けにくい」「蒸気は空気より重い」「燃焼範囲が広い」「燃焼すると二酸化硫黄を発生する」という性質をまとめて覚えると判断しやすくなります。
(2) ガソリン
不適切です。ガソリンは水に溶けにくく、非常に引火しやすい第1石油類ですが、燃焼範囲の広さは二硫化炭素ほどではありません。ガソリンの燃焼範囲はおよそ1.4〜7.6vol%程度で、下限値が低いため少量の蒸気でも引火しやすい危険物です。ただし、上限値は二硫化炭素よりかなり低いため、「燃焼範囲が最も広いもの」としては該当しません。ガソリンは危険性が高い代表的な物質なので選びたくなりますが、この問題では「危険そうか」ではなく「燃焼範囲の幅」を比較することが大切です。
(3) トルエン
不適切です。トルエンは水に溶けにくい第1石油類で、蒸気は空気より重く、引火性があります。ただし、燃焼範囲はおよそ1.1〜7.1vol%程度であり、二硫化炭素のように極端に広いわけではありません。トルエンはベンゼンに似た芳香族炭化水素として出題されやすく、非水溶性で引火性がある点は正しいですが、「燃焼範囲が最も広い」という条件には合いません。水に溶けにくいという部分だけで判断せず、燃焼範囲まで確認する必要があります。
(4) 灯油
不適切です。灯油は水に溶けにくい第2石油類で、ガソリンや二硫化炭素に比べると引火点が高く、常温で蒸気を発生して引火する危険性は相対的に低くなります。燃焼範囲も二硫化炭素ほど広くありません。灯油は日常生活で使われるため身近な危険物ですが、乙4試験では「水に溶けにくい」「第2石油類」「引火点はガソリンより高い」といった基本性質で整理します。この問題の正答条件である「燃焼範囲が最も広いもの」には該当しません。
(5) 軽油
不適切です。軽油は水に溶けにくい第2石油類で、ディーゼル燃料として用いられます。引火点はガソリンより高く、燃焼範囲の広さも二硫化炭素には及びません。軽油も可燃性液体であるため火気には注意が必要ですが、特殊引火物である二硫化炭素のような極端な危険性とは区別して覚える必要があります。乙4では、軽油や灯油は「水に溶けにくい第2石油類」、二硫化炭素は「特殊引火物で燃焼範囲が広い」と整理すると、選択肢を比較しやすくなります。
この問題で覚えるポイント
二硫化炭素は第4類危険物の特殊引火物に分類され、水に溶けにくく、蒸気は空気より重く、引火点が非常に低く、発火点も低い危険物です。特に重要なのは、燃焼範囲がおよそ1.3〜50vol%と非常に広い点です。燃焼範囲が広い物質は、空気との混合割合が燃焼可能な範囲に入りやすいため、火災や爆発の危険性が高くなります。ガソリンも引火しやすい危険物ですが、燃焼範囲はおよそ1.4〜7.6vol%程度であり、二硫化炭素ほど広くありません。灯油や軽油は水に溶けにくい第2石油類ですが、引火点がガソリンより高く、特殊引火物ほど危険性が高いものではありません。試験では、「水に溶けにくい」という性質だけでなく、「燃焼範囲が広い」「発火点が低い」「特殊引火物である」という複数の特徴を組み合わせて判断することが重要です。
ひっかけポイント
この問題のひっかけは、「水に溶けにくい危険物」が複数並んでいる点です。ガソリン、トルエン、灯油、軽油も水に溶けにくいため、最初の条件だけを見るとどれも正しそうに見えます。しかし、正答を決める決定的な条件は「燃焼範囲が最も広いもの」です。ガソリンは非常に引火しやすい代表例なので選びたくなりますが、燃焼範囲の広さでは二硫化炭素が上回ります。「引火しやすい」と「燃焼範囲が広い」は似ていますが、同じ意味ではありません。引火点が低い物質は低温でも引火しやすいという意味であり、燃焼範囲が広い物質は空気との混合濃度の許容幅が広いという意味です。この違いを意識しておくと、危険物の性質比較問題で安定して正答しやすくなります。
