問題
消防法別表第1に定める危険物に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
(1) 重油は、第1石油類に分類される。
(2) 黄りんは、第5類危険物に分類される。
(3) エチルアルコールは、アルコール類に分類される。
(4) 過酸化水素は、第3類危険物に分類される。
(5) ナトリウムは、第2類危険物に分類される。
危険物取扱者乙種4類|危険物の類別分類を解説
消防法別表第1に定める危険物の類別と品名分類を正しく判断する問題です。答えは(3)です。エチルアルコールは第4類危険物のうちアルコール類に分類されます。重油、黄りん、過酸化水素、ナトリウムはそれぞれ別の類別または品名に分類されるため、混同しないことが重要です。

(1) 重油は、第1石油類に分類される。
不適切です。重油は第4類危険物ですが、第1石油類ではなく第3石油類に分類されます。第1石油類は、アセトン、ガソリン、ベンゼンなど、引火点が低く常温でも引火しやすいものが該当します。重油はこれらに比べて引火点が高く、常温では引火しにくい性質があるため、第3石油類として扱われます。第4類の中でも、特殊引火物、第1石油類、アルコール類、第2石油類、第3石油類、第4石油類、動植物油類の区分を正確に区別することが大切です。
(2) 黄りんは、第5類危険物に分類される。
不適切です。黄りんは第3類危険物に分類されます。第3類危険物は、自然発火性物質及び禁水性物質です。黄りんは空気中で自然発火しやすい性質があるため、第3類に該当します。第5類危険物は、自己反応性物質であり、ニトロ化合物、有機過酸化物、硝酸エステル類などが代表例です。黄りんは「自然発火しやすい」という性質から第3類と判断します。
(3) エチルアルコールは、アルコール類に分類される。
適切です。エチルアルコールは、第4類危険物のアルコール類に分類されます。第4類危険物は引火性液体であり、エチルアルコールは水とよく混ざる可燃性液体です。アルコール類には、メチルアルコール、エチルアルコール、プロピルアルコールなどが含まれます。試験では、エチルアルコールを第1石油類や特殊引火物と混同させる問題もありますが、基本分類はアルコール類です。
(4) 過酸化水素は、第3類危険物に分類される。
不適切です。過酸化水素は第6類危険物に分類されます。第6類危険物は酸化性液体で、過酸化水素、硝酸、過塩素酸などが代表例です。第3類危険物は、ナトリウムや黄りんのように水と反応して危険を生じたり、空気中で自然発火したりする物質が中心です。過酸化水素はそれ自体が燃えるというより、酸化性により他の物質の燃焼を助ける性質があるため、第6類として覚えます。
(5) ナトリウムは、第2類危険物に分類される。
不適切です。ナトリウムは第3類危険物に分類されます。ナトリウムは水と激しく反応して水素を発生し、発熱によって発火や爆発の危険を生じることがあります。第2類危険物は可燃性固体であり、硫黄、赤りん、鉄粉、金属粉、マグネシウムなどが代表例です。ナトリウムは金属ではありますが、消防法上は「金属だから第2類」と単純に判断せず、水との反応性から第3類と判断します。
この問題で覚えるポイント
危険物の類別分類では、物質名と類別をセットで覚えることが正誤判断に直結します。第1類は酸化性固体、第2類は可燃性固体、第3類は自然発火性物質及び禁水性物質、第4類は引火性液体、第5類は自己反応性物質、第6類は酸化性液体です。乙種4類で特に重要なのは第4類危険物の細かい分類で、重油は第3石油類、エチルアルコールはアルコール類、ガソリンやアセトンは第1石油類、灯油や軽油は第2石油類、ギヤー油などは第4石油類、アマニ油などは動植物油類に分類されます。黄りんとナトリウムは第3類、過酸化水素は第6類です。似た名称や日常的なイメージではなく、消防法上の分類名で判断することが重要です。
ひっかけポイント
この問題のひっかけは、物質の名前から日常感覚で分類を推測させる点にあります。重油は油なので第4類であることまでは分かりやすいですが、第1石油類ではなく第3石油類です。黄りんは危険性が高いため第5類の自己反応性物質と混同しやすいですが、自然発火性から第3類です。ナトリウムは金属という印象から第2類の金属粉と混同しやすいものの、水と激しく反応するため第3類です。過酸化水素は「過酸化」という名称から反応性の高さに目が向きますが、分類は酸化性液体の第6類です。危険物の分類問題では、一部の性質だけで判断せず、消防法上の類別名と代表物質を対応させて覚えることが重要です。
