問題
静電気が発生しやすい条件として、正しいものはどれか。
(1) 湿度が高い場所で液体をゆっくり流す場合。
(2) 金属製容器を確実に接地している場合。
(3) 引火性液体を乾燥した環境で高速に移送する場合。
(4) 導電性の高い液体のみを取り扱う場合。
(5) 帯電防止剤を十分に使用した場合。
危険物取扱者乙種4類|静電気が発生しやすい条件を解説
静電気は、物体同士の接触、摩擦、分離、液体の流動などによって電荷が偏ることで発生します。特に第4類危険物のような引火性液体では、乾燥した環境で高速に流動させると静電気が発生・蓄積しやすく、放電火花が可燃性蒸気に引火する危険があります。答えは(3)です。乾燥、高速移送、引火性液体という条件がそろっているため、静電気による火災・爆発の危険が最も高い条件といえます。

(1) 湿度が高い場所で液体をゆっくり流す場合。
不適切です。湿度が高い環境では、空気中の水分によって電気が逃げやすくなり、静電気は蓄積しにくくなります。また、液体をゆっくり流す場合は、配管や容器との摩擦や流動による帯電が比較的小さくなります。静電気は、乾燥していて、液体が速く流れ、摩擦や分離が大きいほど発生しやすくなります。この選択肢は、静電気が起こりにくい条件を述べています。
(2) 金属製容器を確実に接地している場合。
不適切です。金属製容器を接地することは、静電気対策として重要です。接地とは、容器や設備にたまった電気を地面へ逃がすための措置です。金属は電気を通しやすいため、接地が確実に行われていれば、静電気が蓄積しにくくなります。危険物の移送や注入では、容器や配管を接地したり、ボンディングによって容器同士を電気的につないだりすることで、放電火花の発生を防ぎます。
(3) 引火性液体を乾燥した環境で高速に移送する場合。
適切です。引火性液体を配管やホースで高速に移送すると、液体と配管内壁との摩擦や液体同士の流動によって静電気が発生しやすくなります。さらに乾燥した環境では、発生した静電気が空気中の水分を通じて逃げにくいため、電荷が蓄積しやすくなります。第4類危険物では、液体そのものだけでなく、発生した可燃性蒸気が空気と混合している点も重要です。そこへ静電気の放電火花が発生すると、引火や爆発につながるおそれがあります。そのため、乾燥した環境で引火性液体を高速移送する条件は、静電気事故が起こりやすい典型例です。
(4) 導電性の高い液体のみを取り扱う場合。
不適切です。導電性の高い液体は、電気を比較的よく通すため、発生した電荷が逃げやすく、静電気が蓄積しにくい性質があります。反対に、ガソリン、灯油、軽油などのように電気を通しにくい液体では、流動やろ過、注入の際に静電気がたまりやすくなります。乙種4類では、第4類危険物の多くが電気の不良導体であり、静電気対策が必要になるという点がよく問われます。
(5) 帯電防止剤を十分に使用した場合。
不適切です。帯電防止剤は、液体や物体の導電性を高め、静電気の発生や蓄積を抑えるために使用されます。十分に使用されていれば、静電気対策として有効です。静電気が発生しやすい条件ではなく、むしろ静電気による危険を低減する条件です。試験では、接地、流速を下げる、湿度を保つ、帯電防止剤を使用する、といった対策が静電気防止策として出題されやすいです。
この問題で覚えるポイント
静電気は、接触、摩擦、分離、液体の流動によって発生しやすくなります。第4類危険物では、ガソリンや灯油などの引火性液体を移送、注入、ろ過、かくはんするときに静電気が問題になります。特に危険なのは、乾燥した環境で、電気を通しにくい液体を、高速で流す場合です。乾燥していると電荷が逃げにくく、高速流動では摩擦や乱流が大きくなるため、静電気が発生・蓄積しやすくなります。第4類危険物の多くは電気の不良導体であり、静電気がたまりやすいことも重要です。静電気対策としては、接地、ボンディング、流速を小さくする、落下注入を避ける、湿度を適切に保つ、帯電防止剤を使用する、導電性のある器具を使うことが基本です。危険物の火災では、可燃性蒸気と空気の混合気が燃焼範囲にあるところへ、静電気の放電火花が点火源となる流れを押さえておくと正誤判断がしやすくなります。
ひっかけポイント
このテーマでは、静電気が発生する条件と静電気を防止する条件を逆に判断させる出題がよくあります。湿度が高い、接地している、帯電防止剤を使っている、導電性が高い、ゆっくり流す、という表現は、基本的に静電気を抑える方向の条件です。反対に、乾燥している、高速で移送する、電気を通しにくい液体である、引火性液体である、という表現がそろうと危険性が高くなります。日常感覚では、液体は電気を逃がしやすいように思えるかもしれませんが、危険物ではガソリンや灯油のように電気を通しにくい液体が多く、流動によって帯電しやすい点が重要です。静電気そのものよりも、放電火花が可燃性蒸気に引火することが事故につながる、というつながりで覚えると、同じ形式の問題にも対応しやすくなります。
