【危険物取扱者乙種4類予想問題2】|問4|完成検査前検査・仮使用承認|法令を解説

問題

製造所等の完成検査前検査および仮使用の承認に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

(1) 完成検査前検査は、すべての製造所等について、設置工事を開始する前に受けなければならない。

(2) 液体の危険物を貯蔵し、または取り扱うタンクについて行われる完成検査前検査には、水張検査または水圧検査などがある。

(3) 製造所等を変更する場合、変更工事に関係しない部分であっても、完成検査済証が交付されるまでは仮使用できない。

(4) 仮使用の承認は、製造所等の所有者が安全であると判断すれば、市町村長等の承認を受けずに行うことができる。

(5) 完成検査前検査に合格した製造所等は、完成検査を受けることなく直ちに使用できる。

危険物取扱者乙種4類|完成検査前検査・仮使用承認を解説

製造所等を設置または変更するときは、原則として工事完成後に完成検査を受け、技術上の基準に適合していると認められなければ使用できません。ただし、完成後には確認しにくくなる液体危険物タンクなどは、工事の途中で完成検査前検査を受ける場合があります。また、変更工事中であっても、工事に関係しない部分は、市町村長等の仮使用承認を受ければ使用を継続できることがあります。正解は(2)です。液体の危険物を貯蔵し、または取り扱う一定のタンクに対する完成検査前検査には、水張検査や水圧検査などがあり、タンクから危険物が漏れないことや圧力に耐えられることを確認します。

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(1) 完成検査前検査は、すべての製造所等について、設置工事を開始する前に受けなければならない。

不適切です。完成検査前検査は、すべての製造所等に一律に行われる検査ではありません。主に液体の危険物を貯蔵し、または取り扱う一定のタンクや、特定屋外タンク貯蔵所の基礎・地盤など、工事完成後では構造や安全性を十分に確認しにくくなる部分が対象です。 また、完成検査前検査は、必ず設置工事の開始前に行うものではありません。名称にある「前」とは、工事を始める前という意味ではなく、製造所等全体の完成検査を受ける前という意味です。液体危険物タンクの水張検査や水圧検査は、検査を行える段階までタンクが製作された後、塗装や埋設などによって外部から確認しにくくなる前に実施されます。 工事開始前に必要となるのは、原則として市町村長等による設置許可または変更許可です。設置許可、完成検査前検査、完成検査という手続の時期を区別して覚えることが重要です。

(2) 液体の危険物を貯蔵し、または取り扱うタンクについて行われる完成検査前検査には、水張検査または水圧検査などがある。

適切です。液体の危険物を貯蔵し、または取り扱う一定のタンクについては、完成検査前検査として水張検査または水圧検査が行われます。水張検査は、タンクに水を満たし、タンクから水が漏れたり、著しく変形したりしないことを確認する検査です。水圧検査は、タンク内部に水を入れて所定の圧力を加え、圧力がかかった状態でも漏れや変形が生じないことを確認する検査です。 危険物を実際に入れてから漏れが発生すると、火災、爆発、土壌汚染などの重大な事故につながるおそれがあります。そのため、危険物を使用する前に、水を用いてタンクの気密性、強度、安全性を確認します。 水張検査と水圧検査のどちらを行うかは、タンクの種類や構造によって異なります。一般に、水張検査は水を満たした状態で漏れや変形を確認し、水圧検査はさらに圧力を加えて強度を確認する検査です。消防法第11条の2に基づき、容量が指定数量以上の液体危険物タンクなどについて、市町村長等による水張検査または水圧検査が行われます。

(3) 製造所等を変更する場合、変更工事に関係しない部分であっても、完成検査済証が交付されるまでは仮使用できない。

不適切です。製造所等を変更する場合でも、変更工事に関係しない部分については、市町村長等の承認を受けることにより、完成検査済証が交付される前に仮使用できる場合があります。 製造所等の変更工事を行うときに、施設全体を長期間停止させると、事業活動に大きな影響が生じることがあります。そのため、変更工事を行っている部分と安全に分離され、火災予防上支障がない部分については、仮使用承認の制度が設けられています。 ただし、変更工事に関係しない部分であれば自動的に使用できるわけではありません。工事部分との区画、危険物の取扱状況、消火設備の維持、避難経路の確保などについて審査を受け、市町村長等の承認を得る必要があります。仮使用できるのは、原則として変更工事に関係しない部分であり、変更工事中の部分そのものを自由に使用できる制度ではありません。

(4) 仮使用の承認は、製造所等の所有者が安全であると判断すれば、市町村長等の承認を受けずに行うことができる。

不適切です。仮使用を行うためには、市町村長等の承認を受けなければなりません。所有者、管理者、占有者などが独自に安全であると判断しただけでは、仮使用することはできません。 製造所等では、多量の危険物が貯蔵され、または取り扱われるため、事業者の判断だけで使用を認めると、変更工事による火花、熱、配管の切断、消火設備の停止などが原因となって火災や流出事故が発生するおそれがあります。そのため、行政機関が申請内容や安全対策を確認し、火災予防上支障がないと認めた場合に限って仮使用が承認されます。 仮使用承認申請では、仮使用する範囲、変更工事を行う範囲、工事内容、工事期間、安全対策などを明らかにする必要があります。消防庁が示す申請様式にも、製造所等の仮使用承認申請書が定められています。

(5) 完成検査前検査に合格した製造所等は、完成検査を受けることなく直ちに使用できる。

不適切です。完成検査前検査に合格しても、それだけで製造所等全体を使用できるわけではありません。完成検査前検査と完成検査は、確認する対象と目的が異なる別の検査です。 完成検査前検査では、主に液体危険物タンクの漏れや変形の有無、特定屋外タンク貯蔵所の基礎や地盤など、工事完成後には確認しにくくなる部分を検査します。これに対して完成検査では、製造所等全体の位置、構造、設備が、設置許可または変更許可の内容や消防法令の技術上の基準に適合しているかを確認します。 完成検査前検査に合格したことは、製造所等全体の安全性が確認されたことを意味しません。工事完成後に完成検査を受け、基準に適合していると認められた後でなければ、原則として使用を開始できません。完成検査前検査済証と完成検査済証は名称が似ていますが、効力が異なるため注意が必要です。

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この問題で覚えるポイント

製造所等を新たに設置する場合は、原則として市町村長等の設置許可を受けてから工事を行い、工事完成後に完成検査を受けます。完成検査によって位置、構造、設備が法令上の技術基準に適合していると認められるまでは、製造所等を使用できません。変更工事についても、原則として変更許可と完成検査が必要です。完成検査前検査は、すべての製造所等を対象とするものではなく、完成後には確認しにくくなる一定の設備や構造を、工事の途中段階で確認する検査です。代表例は、液体危険物タンクに対する水張検査または水圧検査です。水張検査はタンクに水を満たして漏れや変形を確認し、水圧検査は所定の水圧を加えて漏れや変形がないことを確認します。完成検査前検査に合格しても、製造所等全体の完成検査が免除されるわけではありません。仮使用承認は、製造所等の変更工事を行う場合に、変更工事に関係しない部分を完成検査前に使用するための制度です。仮使用には市町村長等の承認が必要であり、所有者等の自主判断だけで行うことはできません。試験では、工事前の設置許可、工事途中の完成検査前検査、工事完成後の完成検査、変更工事中の仮使用承認という手続の時期と目的を区別することが正誤判断に直結します。

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ひっかけポイント

「完成検査前検査」という名称から、設置工事を始める前に行う検査だと判断させる表現が典型的なひっかけです。ここでの「前」は工事開始前ではなく、製造所等全体の完成検査前を意味します。また、完成検査前検査に合格すれば施設全体を使用できると誤解させる文章にも注意が必要です。完成検査前検査はタンクなどの特定部分を確認する検査であり、製造所等全体の適合性を確認する完成検査とは別です。仮使用については、「工事に関係しない安全な部分」という条件だけを示し、市町村長等の承認が不要であるかのように見せる文章がよく出題されます。事業者が安全と判断したことと、法令上使用できることは同じではありません。仮使用には行政による承認が必要です。名称が似た検査や承認制度について、誰が判断するのか、どの時点で行うのか、何を確認するのかを分けて考えることが、同じ形式の問題を解くための基本となります。

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