【危険物取扱者乙種4類予想問題1】|問28|危険物の用途|性質・消火を解説

問題

次の危険物の用途に関する記述のうち、正しいものはどれか。

(1) ガソリンは、主に塗料や接着剤の溶剤として使用される。

(2) トルエンは、塗料、インキ、接着剤などの溶剤として広く使用される。

(3) 軽油は、家庭用こんろやランプの燃料として広く使用される。

(4) 重油は、自動車用ガソリンエンジンの燃料として使用される。

(5) ベンゼンは、主にディーゼルエンジンの燃料として使用される。

危険物取扱者乙種4類|危険物の用途を解説

第4類危険物には、自動車や船舶、ボイラーなどの燃料として使用されるものと、塗料や接着剤などを製造する際の溶剤や化学工業原料として使用されるものがあります。名称や性質が似ていても、代表的な用途はそれぞれ異なるため、危険物と用途の正しい組合せを覚えることが重要です。正解は(2)です。トルエンは、油脂や樹脂などをよく溶かす性質があり、塗料、インキ、接着剤などの有機溶剤として広く使用されています。

下に移動する

【危険物取扱者乙種4類予想問題1】|問28|危険物の用途|性質・消火を解説する画像__otu4-01-seishitsu-q28

下に移動する

(1) ガソリンは、主に塗料や接着剤の溶剤として使用される。

不適切です。ガソリンの代表的な用途は、自動車などに使用されるガソリンエンジンの燃料です。ガソリンは、原油を精製して得られる非常に揮発しやすい液体で、燃焼しやすく、大きなエネルギーを発生させる性質があります。この性質を利用して、乗用車や二輪車などの火花点火式エンジンの燃料として使用されています。 ガソリンには炭化水素系の物質を溶かす性質もあるため、洗浄や溶剤として使用される場合がまったくないわけではありません。しかし、危険物取扱者試験で問われる代表的な用途は、ガソリンエンジンの燃料です。問題文の「主に」という表現に注目する必要があります。 塗料や接着剤の溶剤として代表的なのは、トルエンやキシレンなどの芳香族炭化水素です。ガソリンにも溶解性があるという一部分だけを見て正しいと判断しないようにしましょう。

(2) トルエンは、塗料、インキ、接着剤などの溶剤として広く使用される。

適切です。トルエンは、無色透明で特有の臭気をもつ芳香族炭化水素です。水にはほとんど溶けませんが、油脂、樹脂、ゴムなどの有機物をよく溶かす性質があります。この溶解力を利用して、塗料、インキ、接着剤、ゴム製品などの製造に用いられる有機溶剤として広く使用されています。 塗料では、樹脂や顔料などを均一に混ぜ、塗りやすい粘度に調整するために使用されます。塗装後にトルエンが蒸発すると、塗料の成分が表面に残って塗膜を形成します。インキや接着剤でも、原料を溶解して均一な状態にする役割があります。 トルエンは第1石油類の非水溶性液体に分類され、引火点が低く、常温でも引火する危険があります。蒸気は空気より重く、低い場所に滞留しやすいため、使用場所では火気を避け、十分な換気を行うことが必要です。

(3) 軽油は、家庭用こんろやランプの燃料として広く使用される。

不適切です。軽油の代表的な用途は、トラック、バス、建設機械などに搭載されるディーゼルエンジンの燃料です。ディーゼルエンジンでは、シリンダー内で圧縮して高温になった空気に軽油を噴射し、自然発火させて動力を得ます。 家庭用こんろやランプの燃料として一般的に使用されるのは灯油です。灯油は軽油よりも沸点範囲が低く、燃焼時の扱いやすさや臭気などの点から、石油ストーブ、石油ファンヒーター、ランプなどの家庭用燃料として使用されています。 灯油と軽油は、どちらも第2石油類に分類される代表的な危険物であり、性質も似ています。そのため、試験では用途を入れ替えた記述がよく出題されます。灯油は家庭用暖房器具やランプ、軽油はディーゼルエンジンと区別して覚えましょう。

(4) 重油は、自動車用ガソリンエンジンの燃料として使用される。

不適切です。重油は粘度が高く、揮発しにくい石油製品であり、主に工場のボイラー、火力発電設備、大型船舶などの燃料として使用されます。大量の熱を長時間発生させる用途に適しているため、大規模な設備の燃料として利用されています。 自動車用ガソリンエンジンの燃料として使用されるのはガソリンです。ガソリンエンジンでは、ガソリンと空気の混合気を点火プラグの火花で燃焼させます。重油はガソリンよりもはるかに揮発しにくく、通常のガソリンエンジンでは適切に気化、燃焼させることができません。 重油は第3石油類に分類されるものが多く、ガソリンや軽油よりも引火点が高い危険物です。ただし、引火点が高いから燃えないという意味ではありません。加熱されて可燃性蒸気が発生すれば火災となるため、火気や高温物との接触を避ける必要があります。

(5) ベンゼンは、主にディーゼルエンジンの燃料として使用される。

不適切です。ベンゼンは芳香族炭化水素の一種であり、主に化学工業の原料として使用されます。ベンゼンを原料として、合成樹脂、合成繊維、合成ゴム、染料、医薬品、洗剤など、さまざまな化学製品が製造されます。また、有機物を溶かす性質があるため、溶剤として利用されることもあります。 ディーゼルエンジンの代表的な燃料は軽油です。ベンゼンは引火性をもつ液体ですが、一般的なディーゼルエンジン用燃料として使用される物質ではありません。 ベンゼンは有毒性にも注意が必要です。蒸気を長期間または繰り返し吸入すると、造血機能に悪影響を与えるおそれがあります。危険物取扱者試験では、ベンゼンについて用途だけでなく、引火性、蒸気比重、水への溶解性、有毒性なども問われるため、化学工業原料としての用途と健康障害を併せて覚えると効果的です。

下に移動する

この問題で覚えるポイント

危険物の用途を判断する際は、燃料として使われるものと、溶剤や化学工業原料として使われるものを分けて整理することが重要です。ガソリンはガソリンエンジンの燃料、灯油は石油ストーブ、家庭用こんろ、ランプなどの燃料、軽油はディーゼルエンジンの燃料、重油はボイラー、火力発電設備、大型船舶などの燃料として使用されます。トルエンやキシレンは、塗料、インキ、接着剤などの有機溶剤として代表的です。ベンゼンは溶剤として使われることもありますが、現在の代表的な用途は合成樹脂、合成繊維、合成ゴム、染料などを製造するための化学工業原料です。灯油と軽油はどちらも第2石油類ですが、灯油は主に家庭用燃料、軽油は主にディーゼルエンジン燃料という違いがあります。ガソリンとトルエンはどちらも第1石油類の非水溶性液体ですが、ガソリンは主に燃料、トルエンは主に溶剤として使用されます。危険物には複数の用途がある場合もあるため、試験では「使用されることがあるか」ではなく、「主な用途として正しいか」を判断してください。

下に移動する

ひっかけポイント

この問題では、危険物がもつ性質と代表的な用途を混同させる表現が使われています。ガソリンにも物質を溶かす性質があるため、「溶剤として使用される」という部分だけを見ると正しく感じることがあります。しかし、「主に」という条件を含めると、代表的な用途はガソリンエンジンの燃料です。灯油と軽油は名称や分類が似ているため、用途を入れ替えた文章に惑わされやすい組合せです。家庭用こんろ、ランプ、暖房器具は灯油、トラックやバスなどのディーゼルエンジンは軽油と整理してください。また、ガソリン、軽油、重油はいずれも石油から得られる燃料ですが、どのエンジンや設備にも共通して使用できるわけではありません。ガソリンエンジンにはガソリン、ディーゼルエンジンには軽油、大型船舶やボイラーには重油という対応を正確に覚える必要があります。試験では、物質に引火性があることを根拠に、エンジン燃料として使用できるように見せる記述も出題されます。燃える物質であることと、特定の機械の燃料として適していることは別であると理解しておきましょう。

次の問題へ