問題
建築物内廃棄物の中間処理方法に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
(1) プラスチック類の中間処理方法として、圧縮がある。
(2) 缶類の処理方法として、自動的にスチール缶とアルミ缶を分けて圧縮し、ブロック状にする方式がある。
(3) 発泡スチロールの処理方法として用いられる溶融固形化装置は、熱を加え溶融し固化する方式である。
(4) 新聞・雑誌の処理には、保管スペースを確保するため圧縮・切断設備が用いられる。
(5) 建築物内に導入されている系内処理設備は、比較的小規模なものが多い。
ビル管過去問|建築物内廃棄物の中間処理を解説
この問題は、建築物内で発生する廃棄物に対して、どのような中間処理設備や処理方法が用いられるかを問うものです。ビル管理の現場では、廃棄物をそのまま保管・搬出するのではなく、減容化や分別の効率化を目的として、圧縮、選別、溶融固形化などの処理が行われます。正しい選択肢を判断するには、廃棄物の種類ごとに適した処理方法を整理して覚えておくことが重要です。
(1) プラスチック類の中間処理方法として、圧縮がある。
適切です。プラスチック類は容積が大きく、軽量でかさばりやすいため、そのまま保管すると多くのスペースを必要とします。そのため、中間処理では圧縮によって体積を減らし、保管効率や搬出効率を高める方法がよく用いられます。特にビル内で発生する包装材や容器類は減容化の効果が大きく、圧縮処理は実務上も一般的です。
(2) 缶類の処理方法として、自動的にスチール缶とアルミ缶を分けて圧縮し、ブロック状にする方式がある。
適切です。缶類は再資源化を前提とした処理が重要であり、スチール缶とアルミ缶を分別することが必要です。スチール缶は磁力で選別でき、アルミ缶は別の方法で分別したうえで、それぞれ圧縮してブロック状にまとめる方式が実際に用いられています。こうした処理により、保管や輸送がしやすくなり、資源回収の効率も向上します。
(3) 発泡スチロールの処理方法として用いられる溶融固形化装置は、熱を加え溶融し固化する方式である。
適切です。発泡スチロールは非常に軽い一方で体積が大きく、保管や搬出の際に大きな負担となります。そこで、熱を加えて溶かし、体積を大幅に減らして固形化する溶融固形化装置が用いられます。これにより、搬送や保管が容易になり、再資源化にもつなげやすくなります。発泡スチロール特有の「かさばるが軽い」という性質に対応した代表的な処理方法です。
(4) 新聞・雑誌の処理には、保管スペースを確保するため圧縮・切断設備が用いられる。
不適切です。新聞や雑誌などの古紙類は、保管スペースの削減や搬出の効率化のために圧縮処理を行うことがありますが、一般的には結束や梱包が中心であり、「切断設備」を用いることが代表的な処理方法とはいえません。紙類は再生資源として回収されることが多いため、形状を大きく損なわない形でまとめるほうが適しています。この選択肢は、古紙処理の実態に対して処理設備の内容がずれているため不適切です。
(5) 建築物内に導入されている系内処理設備は、比較的小規模なものが多い。
適切です。建築物内に設置される廃棄物処理設備は、敷地や設備室の広さ、処理対象量、安全性、運用コストなどの制約を受けます。そのため、廃棄物処理施設のような大規模設備ではなく、建築物内で扱える比較的小規模な設備が採用されるのが一般的です。ビル管理の現場では、発生量に応じたコンパクトな減容設備や分別設備が導入されることが多く、この記述は妥当です。
この問題で覚えるポイント
建築物内廃棄物の中間処理は、減容化、分別、保管効率の向上が主な目的です。プラスチック類は圧縮、缶類は材質ごとの選別と圧縮、発泡スチロールは溶融固形化が代表的です。古紙類は切断よりも、圧縮、結束、梱包によって保管や搬出をしやすくするのが基本です。建築物内の処理設備は、施設内設置という条件上、大規模ではなく比較的小規模なものが中心になる点も重要です。
ひっかけポイント
「減容化できる」という点だけで、どの廃棄物にも同じ処理方法が使われると考えると誤りやすいです。特に紙類は、体積を減らす処理が行われても、切断が中心ではない点に注意が必要です。また、缶類のように分別と圧縮を組み合わせるもの、発泡スチロールのように熱処理で固形化するものなど、廃棄物ごとの性質に応じて処理方法が異なることを整理しておくと、ひっかけに強くなります。
