出典:建築物衛生管理技術者試験令和7年度(2025年)|清掃第155問
問題
外装の清掃に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
(1) ゴンドラによる外壁クリーニング作業は、厚生労働省令で定められたゴンドラ安全規則を厳守しなければならない。
(2) ロープ高所作業を行う場合は、労働安全衛生規則により、特別教育の実施が努力義務となっている。
(3) 石材や陶磁器タイルの壁面は、数年に1回の頻度で洗浄を行う。
(4) 田園地帯の金属製の外壁は、1年に1回の頻度で洗浄を行う。
(5) ガラスは、1~2か月に1回の頻度で洗浄を行う。
ビル管過去問|外装清掃を解説
この問題は、建築物の外装清掃に関する法令知識と、外壁材質や立地条件ごとの適切な清掃頻度について問う問題です。外装清掃では、安全管理に関する法令遵守と、汚れや腐食を防ぐための計画的な清掃が重要です。最も不適当なのは(2)です。(2)はロープ高所作業の特別教育を努力義務としている点が誤りで、実際には事業者に実施義務があります。

(1) ゴンドラによる外壁クリーニング作業は、厚生労働省令で定められたゴンドラ安全規則を厳守しなければならない。
適切です。ゴンドラを使用した高所作業は墜落や機械事故の危険が高いため、厚生労働省令であるゴンドラ安全規則に基づいて運用しなければなりません。作業前点検、ワイヤロープや安全装置の確認、作業者の安全帯使用などが定められており、これらを守ることが事故防止の基本です。試験では、ゴンドラ作業には専用の安全規則がある点を押さえておくことが大切です。
(2) ロープ高所作業を行う場合は、労働安全衛生規則により、特別教育の実施が努力義務となっている。
不適切です。ロープ高所作業に従事する労働者に対しては、事業者が特別教育を行うことが義務付けられています。努力義務ではなく、法的な実施義務です。ロープ高所作業は、ロープや器具の使用方法を誤ると重大災害につながるため、墜落防止措置、器具点検、救助方法などの教育が必要です。「努力義務」という表現に置き換えている点が誤りであり、この選択肢が正答となります。
(3) 石材や陶磁器タイルの壁面は、数年に1回の頻度で洗浄を行う。
適切です。石材や陶磁器タイルは比較的耐久性が高く、表面も安定しているため、金属面やガラス面ほど頻繁な清掃を必要としません。ただし、排気ガス、雨だれ、藻類、白華現象などが発生すると美観や劣化に影響するため、数年に1回程度を目安に洗浄を行います。立地条件によっては周期を短縮する場合もあります。
(4) 田園地帯の金属製の外壁は、1年に1回の頻度で洗浄を行う。
適切です。金属製外壁は、汚れや腐食性物質の付着により劣化が進みやすいため、定期的な洗浄が重要です。田園地帯は都市部に比べて煤煙や排気ガスは少ないものの、土ぼこり、農業由来の粉じん、湿気などの影響を受けます。そのため、一般的には年1回程度の洗浄が維持管理上の目安とされます。環境条件と材質を合わせて考えることが重要です。
(5) ガラスは、1~2か月に1回の頻度で洗浄を行う。
適切です。ガラス面は手あか、雨だれ、水あか、粉じんなどが目立ちやすく、建物の印象にも大きく影響します。そのため、他の外装材より短い周期での清掃が必要であり、1〜2か月に1回程度の洗浄は一般的な管理水準です。商業施設やオフィスビルでは、美観維持のためさらに高頻度で実施されることもあります。
この問題で覚えるポイント
外装清掃では、まず高所作業に関する安全法令を正確に押さえることが重要です。ゴンドラ作業にはゴンドラ安全規則が適用され、ロープ高所作業には特別教育の実施義務があります。努力義務ではなく義務規定である点は頻出です。 清掃頻度は外装材の性質と周辺環境で判断します。ガラスは汚れが目立つため1〜2か月ごとの高頻度清掃が基本です。石材や陶磁器タイルは耐久性があり、数年ごとの洗浄が目安です。金属外壁は腐食防止の観点から年1回程度の洗浄が基準になりやすいです。 試験では、材質別に「ガラスは短周期」「石材・タイルは長周期」「金属は中間で防食重視」と整理すると判断しやすくなります。
ひっかけポイント
この問題では、「努力義務」と「実施義務」を入れ替えて受験者の知識の曖昧さを狙っています。法令問題では、義務、努力義務、推奨という言葉の違いだけで正誤が逆転するため、語句を正確に覚える必要があります。 また、清掃頻度についても、日常感覚で「外壁は汚れたら掃除するもの」と考えると誤りやすくなります。実務では材質や立地環境ごとに標準的な周期があります。特にガラスは見た目重視で短周期、石材やタイルは耐久性が高く長周期という対比を理解しておくと、類似問題にも対応しやすくなります。