問題
床衝撃音に関する次の□内に入る語句の組合せとして、最も適当なものは
文章のどれか。
重量床衝撃音は、【ア】ときに発生し、衝撃音は【イ】に主な成分を含む。対策としては【ウ】が効果的である。
ア イ ウ
(1) 人が床上で飛び跳ねたりした-高周波数域-柔らかい床仕上げ材
(2) 人が床上で飛び跳ねたりした-低周波数域-柔らかい床仕上げ材
(3) 人が床上で飛び跳ねたりした-低周波数域-床躯体構造の質量増加
(4) テーブルを引きずったりした-高周波数域-柔らかい床仕上げ材
(5) テーブルを引きずったりした-低周波数域-床躯体構造の質量増加
ビル管過去問|床衝撃音(重量衝撃音・軽量衝撃音)の特徴と対策を解説
この問題は、重量床衝撃音と軽量床衝撃音の違いを正しく理解しているかを問う問題です。ポイントは、何が音の発生原因になるのか、どの周波数帯の音が中心なのか、そしてどの対策が有効なのかをセットで押さえることです。正しい選択肢は(3)です。重量床衝撃音は、人が飛び跳ねる、子どもが走るなどの重く鈍い衝撃で発生しやすく、主成分は低周波数域です。また、対策としては柔らかい床仕上げ材よりも、床躯体そのものの質量を増やすことが有効です。
(1) 人が床上で飛び跳ねたりした-高周波数域-柔らかい床仕上げ材
不適切です。その理由は、前半の「人が床上で飛び跳ねたりした」は重量床衝撃音の発生状況として適切ですが、「高周波数域」が誤りです。重量床衝撃音は、ドン、ズシンといった重い衝撃で生じるため、主に低周波数域の成分を多く含みます。高周波数域が中心なのは、スプーンや硬い物の落下、椅子を引く音などに代表される軽量床衝撃音です。また、重量床衝撃音に対して柔らかい床仕上げ材は効果が限定的です。カーペットやクッション材は軽くて細かい衝撃には有効ですが、床全体を揺らすような重い衝撃を十分に抑えることはできません。
(2) 人が床上で飛び跳ねたりした-低周波数域-柔らかい床仕上げ材
不適切です。その理由は、「人が床上で飛び跳ねたりした」と「低周波数域」までは重量床衝撃音の説明として正しいからです。しかし、対策として「柔らかい床仕上げ材」が入っている点が誤りです。重量床衝撃音は、床の表面だけでなく、床スラブや梁などの構造体を振動させて伝わる性質があります。そのため、表面を柔らかくするだけでは十分な対策になりません。重量床衝撃音を低減するには、床躯体の剛性や質量を増すなど、構造的な対策が重要です。
(3) 人が床上で飛び跳ねたりした-低周波数域-床躯体構造の質量増加
適切です。その理由は、重量床衝撃音の特徴と対策を正しく組み合わせているからです。重量床衝撃音は、人が飛び跳ねる、走る、子どもが飛び回るなど、床に大きな力が加わるときに発生しやすい音です。この種の音は、ドスン、ドンという低く重い音であり、低周波数域に主な成分を含みます。さらに、対策としては床躯体構造の質量増加が有効です。床の質量が大きいほど振動しにくくなり、下階への音の伝達を抑えやすくなります。重量床衝撃音は構造伝搬音としての性格が強いため、構造側の対策が基本になります。
(4) テーブルを引きずったりした-高周波数域-柔らかい床仕上げ材
不適切です。その理由は、「テーブルを引きずったりした」と「高周波数域」「柔らかい床仕上げ材」は、むしろ軽量床衝撃音に近い特徴だからです。この問題は重量床衝撃音についての空欄補充です。テーブルを引きずる、硬い物を落とす、椅子を動かすといった行為は、比較的軽くて硬い接触による音であり、高周波数成分が多くなります。このような音には、カーペットや防音マットなどの柔らかい仕上げ材が有効なことがあります。しかし、それは重量床衝撃音の説明には当てはまりません。
(5) テーブルを引きずったりした-低周波数域-床躯体構造の質量増加
不適切です。その理由は、「テーブルを引きずったりした」という発生状況が重量床衝撃音に合っていないからです。テーブルを引きずる音は、一般に軽量床衝撃音や固体音的な性格を持ちやすく、重量床衝撃音の典型例ではありません。また、このような音は高周波数成分を多く含むことが多いため、「低周波数域」も不適切です。床躯体構造の質量増加は重量床衝撃音への対策としては有効ですが、発生原因と周波数帯の組合せが誤っているため、選択肢全体としては不正解です。
この問題で覚えるポイント
重量床衝撃音は、人が飛び跳ねる、走るなどの重い衝撃で発生しやすいです。音の主成分は低周波数域です。対策は床表面の仕上げよりも、床スラブなど躯体の質量増加や構造的な補強が重要です。
軽量床衝撃音は、物の落下、椅子の移動、テーブルを引きずる動作などで発生しやすいです。音の主成分は高周波数域です。対策にはカーペットや防音マットなどの柔らかい床仕上げ材が有効です。
試験では、重量=低周波=躯体対策、軽量=高周波=仕上げ材対策、という対応関係で覚えると整理しやすいです。
ひっかけポイント
「柔らかい床仕上げ材」は防音に効きそうに見えるため、重量床衝撃音にも有効だと誤解しやすいです。しかし、これは主に軽量床衝撃音への対策です。
「人が飛び跳ねる」という行為は目立つので高い音を連想しやすいですが、実際には重く鈍い低周波数の衝撃音です。
対策だけが正しくても、発生原因や周波数帯が間違っていれば選択肢全体としては誤りになります。組合せ問題では、一部だけ合っていても正解にはならない点に注意が必要です。
