出典:建築物衛生管理技術者試験令和7年度(2025年)|空気環境の調整第47問
問題
熱伝導率が1.6W/(m·K)のコンクリートでできた厚さ16cmの外壁があるとする。外壁の外気側と室内側の熱伝達抵抗がそれぞれ0.05m²・K/W、0.1m²・K/Wであるとすると、この外壁の熱貫流抵抗として、正しいものは次のうちどれか。
(1) 0.25m²・K/W
(2) 4.0m²・K/W
(3) 10 m²・K/W
(4) 20m²・K/W
(5) 30 m²・K/W
ビル管過去問|熱伝導率と熱貫流率を解説
この問題は、外壁の熱貫流抵抗を求める計算問題です。熱貫流抵抗は、外気側熱伝達抵抗、壁体内部の熱抵抗、室内側熱伝達抵抗を合計して求めます。コンクリート部分の熱抵抗は、厚さを熱伝導率で割って計算します。厚さ16cmは0.16mなので、0.16÷1.6=0.1m²・K/Wです。これに外気側0.05m²・K/W、室内側0.1m²・K/Wを加えると、0.05+0.1+0.1=0.25m²・K/Wとなります。したがって、正しい選択肢は(1)です。

(1) 0.25 m²・K/W
適切です。熱貫流抵抗は、熱の通りにくさを表す値で、各部分の熱抵抗を合計して求めます。コンクリート壁の熱抵抗は、厚さ0.16mを熱伝導率1.6W/(m·K)で割るため、0.16÷1.6=0.1m²・K/Wです。さらに外気側の熱伝達抵抗0.05m²・K/Wと室内側の熱伝達抵抗0.1m²・K/Wを加えると、0.05+0.1+0.1=0.25m²・K/Wとなります。そのため、この選択肢が正しいです。
(2) 4.0m²・K/W
不適切です。4.0は、0.25の逆数に当たる値です。熱貫流抵抗ではなく、熱貫流率に近い考え方で計算してしまうと、このような値になります。熱貫流率は熱貫流抵抗の逆数であり、単位もW/(m²・K)になります。この問題で問われているのは熱貫流抵抗なので、逆数にせず、抵抗値をそのまま合計する必要があります。
(3) 10 m²・K/W
不適切です。10は、コンクリート部分の熱抵抗0.1m²・K/Wの逆数に相当する値です。壁体の熱抵抗は、厚さを熱伝導率で割って求めるため、0.16÷1.6=0.1m²・K/Wです。これを逆数にしてしまうと、熱抵抗ではなく熱の伝わりやすさに近い値になってしまいます。熱貫流抵抗を求める問題では、外気側と室内側の熱伝達抵抗も加える点に注意が必要です。
(4) 20 m²・K/W
不適切です。20は、外気側の熱伝達抵抗0.05m²・K/Wを逆数にした値です。しかし、熱貫流抵抗は、個々の抵抗を逆数にして求めるものではありません。外気側、壁体、室内側の抵抗をそれぞれそのまま足し合わせます。熱伝達抵抗はすでに抵抗値として与えられているため、計算で逆数にする必要はありません。
(5) 30 m²・K/W
不適切です。30という値は、与えられた厚さ、熱伝導率、熱伝達抵抗を正しく用いても得られません。また、単位表記も熱貫流抵抗としては一般的にm²・K/Wで表します。熱貫流抵抗は、材料内部の熱抵抗だけでなく、外気側と室内側の熱伝達抵抗を合計して求めるため、正しい計算結果は0.25m²・K/Wです。
この問題で覚えるポイント
熱貫流抵抗は、建物の壁や窓などを通して熱がどれだけ通りにくいかを表す値です。値が大きいほど熱が通りにくく、断熱性能が高いと考えます。熱貫流抵抗は、外気側熱伝達抵抗、材料の熱抵抗、室内側熱伝達抵抗を合計して求めます。材料の熱抵抗は、厚さを熱伝導率で割って求めます。厚さの単位がcmで与えられている場合は、必ずmに直してから計算します。16cmは0.16mです。熱伝導率は熱の伝わりやすさを表し、値が大きいほど熱を通しやすい材料です。一方、熱抵抗や熱貫流抵抗は熱の通りにくさを表すため、熱伝導率とは意味が反対になります。熱貫流率は熱貫流抵抗の逆数であり、熱の通りやすさを表します。試験では、熱貫流抵抗を求めるのか、熱貫流率を求めるのかを最初に確認することが重要です。
ひっかけポイント
この問題のひっかけは、熱貫流抵抗と熱貫流率を混同させる点にあります。熱貫流抵抗は抵抗を足し合わせる値ですが、熱貫流率はその逆数です。問題文で「熱貫流抵抗」と聞かれているのに、最後に逆数を取ってしまうと誤答になります。また、厚さ16cmを16mのように扱ったり、cmのまま計算したりすると大きくずれた値になります。さらに、熱伝達抵抗はすでに抵抗として与えられているため、これを逆数にする必要はありません。この種の問題では、単位をmにそろえること、熱抵抗は厚さ÷熱伝導率で求めること、最後に外気側と室内側の熱伝達抵抗を加えることを順番に確認すると、落ち着いて正答にたどり着けます。