【ビル管過去問】令和7年度 問題34|振動障害を解説

問題

振動に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。

(1) 都市部における全身振動の振動源には、建設機械、道路交通、工場等がある。

(2) バスやフォークリフトで知覚される振動は局所振動である。

(3) ヒトにおける振動の知覚は、全身に分布する知覚神経末端受容器によってなされる。

(4) 1秒間の振動回数を周波数といい、単位はHzである。

(5) 局所振動による末梢の循環障害の誘因の一つに寒冷がある。

ビル管過去問|振動障害を解説

この問題は、振動の基礎知識と、全身振動・局所振動の違い、さらに振動障害の特徴を理解しているかを問う問題です。正しい選択肢を選ぶには、「バスやフォークリフトの振動は何振動か」「局所振動で起こりやすい障害は何か」を整理しておくことが大切です。結論として、最も不適当なのは(2)です。バスやフォークリフトで受ける振動は、身体の一部だけでなく座席や床を通じて全身に伝わるため、局所振動ではなく全身振動に該当します。寒冷が局所振動による末梢循環障害の誘因になることや、周波数の単位がHzであることも基本事項として押さえておきたいポイントです。

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(1) 都市部における全身振動の振動源には、建設機械、道路交通、工場等がある。

適切です。全身振動とは、座面や床面などを通じて身体全体に伝わる振動のことです。建設機械の運転、車両の走行、工場設備から伝わる振動などは、都市部でも代表的な全身振動の発生源です。特に車両運転や建設機械の操作では、腰部や全身に振動が長時間伝わることが問題となります。そのため、この記述は全身振動の典型例を挙げたものとして適切です。

(2) バスやフォークリフトで知覚される振動は局所振動である。

不適切です。バスやフォークリフトで作業者や運転者が受ける振動は、ハンドルやレバーの一部だけに限定して伝わるものではなく、主に座席や床を通じて身体全体に伝わります。このような振動は全身振動です。局所振動は、チェーンソーや削岩機、グラインダーのように、手や腕など身体の一部に集中的に伝わる振動を指します。したがって、バスやフォークリフトの振動を局所振動としたこの記述は誤りです。

(3) ヒトにおける振動の知覚は、全身に分布する知覚神経末端受容器によってなされる。

適切です。振動は、皮膚や深部組織に存在する感覚受容器によって知覚されます。代表的にはパチニ小体やマイスナー小体などの機械受容器が振動刺激に反応し、その情報が神経を通じて中枢へ伝えられます。設問文の「全身に分布する知覚神経末端受容器」という表現はやや大まかですが、振動が感覚受容器によって知覚されるという説明としては妥当です。

(4) 1秒間の振動回数を周波数といい、単位はHzである。

適切です。周波数とは、振動や波が1秒間に何回繰り返されるかを表す量です。単位はHz(ヘルツ)で、たとえば1秒間に10回振動すれば10Hzとなります。振動の評価では、振動の強さだけでなく周波数も人体影響を考えるうえで重要です。そのため、この記述は基本的な物理量の説明として正しいです。

(5) 局所振動による末梢の循環障害の誘因の一つに寒冷がある。

適切です。局所振動を長期間受けると、手指の血流障害やしびれなどを生じることがあります。特に寒冷環境では血管が収縮しやすくなるため、末梢循環障害が悪化しやすくなります。いわゆる振動障害では、寒冷が症状を誘発・増悪させる要因として重要です。そのため、この記述は正しいです。

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この問題で覚えるポイント

振動は、全身振動と局所振動に分けて整理すると理解しやすいです。全身振動は、車両運転や建設機械の操作のように、座席や床を通じて身体全体に伝わる振動です。局所振動は、手持ち工具などによって手や腕に集中的に伝わる振動です。バス、トラック、フォークリフト、建設機械は全身振動の代表例です。チェーンソー、削岩機、グラインダーなどは局所振動の代表例です。局所振動障害では、手指のしびれ、感覚異常、末梢循環障害が重要で、寒冷により悪化しやすいことを覚えておくと得点につながります。周波数は1秒間あたりの振動回数で、単位はHzです。

ひっかけポイント

「車に乗っているから手でハンドルを持つので局所振動」と考えてしまうと誤ります。実際には、バスやフォークリフトは座面や床から全身に振動が伝わるので全身振動です。「局所振動」は“局所=手だけ”と機械的に覚えるだけでなく、どこから振動が入るかで考えることが大切です。受容器の表現は少し抽象的でも、振動が感覚受容器で知覚されるという基本を押さえていれば判断しやすいです。寒冷は温熱の話に見えても、振動障害の悪化要因として頻出なので見落とさないことが重要です。

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